冷え性の改善の道(東洋医学編)

 

 東洋医学では、冷え(寒熱)は重要な症状と位置づけられていますが、現代医学では、高熱を除いて、余程のことがない限り、生命に別状がない為か、あまり重要視されていないのが現状です。

 今回は、約1年前(14年2月8日)更新した『冷え性治療効果の持続性向上法②【東洋医学編】』の内容をさらに掘り下げて、東洋医学の視点から、冷え性についての原因と治療方針について述べます。

当院のホームページでも述べているように、東洋医学では、病気の原因を『病因』といい、大きく3つの要因とする『内因=過度の感情』、『外因=過度の気候変化(温度・湿度など)』、『不内外因=仕事、食生活など生活環境に伴う事』があげられます。

従いまして、どのような治療で改善しても、上記の『病因』の要素を改善しない限り、病気が再発します。『病因』をなくすことが、病気や症状の改善、快復につながります

東洋医学の『陰陽論』の考えで、下記に示すように、相反する『陰』と『陽』が、相互関係を維持することで、自然界(身体)のバランスをとっているという考え方があります。

  【陰】⇒ 下、内、夜、女、老、内側、裏、胸腹、下部、五臓、寒冷、慢性、暗、血、津液、液体

  【陽】⇒ 上、外、昼、男、幼、外側、表、脊背、上部、六腑、温熱、急性、明、気、気体

従いまして、『冷え性』を改善させることに重要なモノとして、【陽】に属する『気』が大変重要になります。

 『気』の作用には、下記の作用があります。

    推動作用・防御作用・温煦作用・気化作用・固摂作用

特に、身体を温める作用に、『気』を増やす事で、温煦作用を高めることが重要になります。

また、『気』には、下記の5種類があり、これらを増やす事が『冷え性』の改善になります。

  清気・宗気・衛気・営気・元気

 『気』という言葉をあげると、大半の人が『宗教的なイメージ』を持って、不信感や毛嫌いする方がいらっしゃると思います。

 ということで、この東洋医学の『気』というモノを、上記の【陰】と【陽】を用いて、ご説明します。

  『宗気』は、五臓の『肺』(≒呼吸器系)と『心』(≒循環器系)に関わります。ちなみに五臓とは、肺・心・脾・肺・腎です。

まず、大気中の『清気』(≒酸素)を口から取り入れて、肺から得た酸素(≒清気)と結合した血液中の赤血球と、食べ物から得た栄養素(≒営気)が結合して出来た血液が、心臓のポンプ作用(=『気(宗気)』の推動作用)で、全身に送られます。『宗気』とは、例えれば、口から取り入れた『酸素』と食べ物の『栄養素』を合わせたモノになります。

  従って、上記の事から、冷えの改善には、下記があげられます。

    ① 酸素を多く取り入れるように、呼吸器系の改善

    ② バランスの取れた栄養素を取り入れる為に、消化器系の改善

 また、身体の護るバリアの役目をするモノに、『皮膚』があります。皮膚が乾燥したり、ケガをすることにより、外部から身体を護る機能が低下します。皮膚を養う栄養は、血管で運ばれます。冷えることで熱を逃がさないように血管が収縮し、血流が減少し、栄養が不足し、皮膚に栄養が減少し、バリア機能(≒『衛気』)が低下します。

 このバリア機能の改善にも、上記の②があげられます。

 続いて、『元気』という『気』は、五臓の『腎』(≒生殖器・泌尿器・遺伝)に大変関わっています。『腎』には、『腎陰』と『腎陽』とがあると考えられています。

 例えば、筋肉は運動することで血液中(液体)の栄養素を分解し、また自動車は燃料(液体)を気化して、熱を産生します。『腎陰(液体)』と『腎陽(気体)』の関係もこのようなイメージを持って頂くと分かりやすいかと思います。

 『腎陰』(≒尿や血液などを含む)が停滞すると、液体である『腎陰』は、身体を冷やします。身体を温めるためには、液体の『腎陰』から気体である『腎陽』に変化させ、【陽】の『気』を増やす事で、身体を温めることが出き、下記の点に着目することで、生命力(≒『元気』)が向上します。

    ③ 血液など循環器系や生殖器系・泌尿器系などホルモン分泌、自律神経などの調整による代謝・機能快復を目的とした予防・改善

 このように、『冷え性』に対する治療は、上記の①~③を同時に行なう必要があります。

 また、『冷え性』の場合は、慢性化していることが多いので、継続した治療・改善が大切であり、問診など第三者の観察によった客観的な身体の状態を再認識することが、身体の改善につながります。

冷え性の改善の道(現代医学編)

 現代医学では、『冷え症』とは、ストレス(仕事、ダイエット、エアコン、生理痛など)により、自律神経のバランスが乱れ、交感神経の過剰興奮の持続的状態を伴う症状をいいます。

また、現代医学の視点では、体温調整はホメオスタシスの作用により、免疫系・ホルモン系・自律神経系の3つ要素の調和により機能しています。

 実際には、皮膚などの冷たさを感じるセンサー(受容器)が働き、身体の下記のシステムが機能し、体温を上昇させます。

  ◇ 交感神経の作用により、皮膚の血管を収縮させ、熱を逃がさないようにします。

  ◇ 交感神経の作用により、副腎髄質に働きかけ、アドレナリン(ホルモン)を増やし、熱を産生させます。

  ◇ 視床下部からの命令により、甲状腺ホルモンを増加させ、熱産生を生じさせます。

  ◇ 体性神経の指令により、骨格筋を動かし、身体の震えを起こし、熱を産生させます。

 従いまして、『冷え症』の原因は、上記のような『骨格筋』・『血管』・『自律神経』・『ホルモン』などの影響となります。

 ゆえに、現代医学の治療手段は、上記の点から、下記の対症療法となります。

  ①運動不足を解消し、筋肉量を増やします

  ②熱を逃がさないように、服装や生活環境の改善を行ないます。

  ③食生活の改善により、血管の老化、血流改善を行ないます。

  ④薬物療法により、熱産生を促します。

ツボとは?

 『ビッグデータ』という言葉があります。そのままの意味では巨大なデータになります。IT用語として、通常のデータベースでは扱えないほど巨大なデータのことです。

 昨今、この大量のデータ『ビッグデータ』を、色々な業界で、大量の情報の中から有益な情報を抽出、また複合的に分析し、活用することが行なわれています。

 近年、医療業界でも疾病予防などを目的に、この『ビッグデータ』が注目されています。

 現代医学では、最先端技術と共に、高齢者の増加に伴い予防医学が高まっています。

 この疾病予防の観点では、東洋医学は有用な学問であり、治療手段になります。実は、この東洋医学は、数千年に及ぶ臨床データの蓄積からの『ビッグデータ』に基づいた学問です。

 『ビッグデータ』の使い道は、 一般に、

①情報の生成 ⇒ ②情報の蓄積・処理 ⇒ ③情報分析 ⇒ ④価値・判断

の経過を経て、利用されます。

 これを東洋医学の視点に当てはめると、下記のようになります。

     ① 数千年に及ぶ患者の身体の状態、症状、生活環境など疾病発症時の情報(ビッグデータ)

     ② ①の症状に対する対症療法の集約 ⇒ ツボ、薬(漢方薬)の発生

     ③ 弁証論治(四診、臓腑弁証、気血津液弁証、経絡弁証など)による治療方針の選択

     ④ ツボの選穴、薬(漢方薬)の処方など

 『ツボ』とは、数千年に及ぶ患者の臨床情報の結果生み出された『症状の発生場所』あるいは『症状が緩和できる場所』になります。

 鍼灸治療は、この『ツボ(経穴)』を用い、未病(病院で病気と診断する以前の状態)の改善、病気の緩和に有効な治療方法の手段の一つになります。

 しかし、巷(ちまた)では、病気になった患者さんが、身体の改善、治療を選択する際、鍼灸治療を選択肢として鍼灸院を訪問することは少ないです。『痛い』、『熱い』などのイメージが、普及の壁になっている原因の一つとして挙げられます。

 

痒みは、予防・生活改善が大切!

 現代医学(西洋医学)での痒みの原因は、

  ・肥満細胞から分泌されるヒスタミンの影響

  ・皮膚の乾燥による表皮の水分や皮脂のバリア機能の低下による知覚過敏

などがあげられます。

 最近では、痒みの原因の一つには、自律神経の影響も受けていると言われています。

 

 東洋医学では、病気の原因は、

  ①内因(内傷) ⇒ 過度の感情(七情/怒・喜・思・憂・悲・恐・驚)

  ②外因(外感) ⇒ 自然界の気候の変化(六淫/風・寒・暑・湿・燥・火)

  ③不内外因   ⇒ 飲食(量の過不足・質の偏り)・労倦(労働・休養・房事)・外傷瘀血痰濁

の大きく3つの条件があげられます。

 現代医学(西洋医学)においては、動物実験などを含めて薬剤が開発されている為なのか、①内因(過度の感情)や②外因(過度の気候変動)は、一般には、治療として重視されていません。しかし、最近では、脳神経・脳科学などの研究発展により、内臓の調整に非常に関わる自律神経などの影響(『こころ』の変化など)を考慮するようになって来ています。

 

 また、東洋医学では、臓腑弁証という治療方針の考えから、五臓(肝・心・脾・肺・腎)六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)などが調和することで、心身が健康状態であり、この調和が崩れることが病気の発症する原因の一つであると考えます。

 鍼灸では、四診(望診・聞診・問診・切診)などの診断方法用いて患者様の身体の状態の情報を集め、①~③と臓腑弁証などの診断方法の考えから治療方針を導き出し、施術を行ないます。

  自宅での症状の緩和や慢性の痒みの場合は、上記の考えから、下記の予防(生活改善)が考えられます。

   ◇飲食の管理

       (辛い、甘い食べ物の摂取により『脾』の機能失調により、体内に熱がこもる為に痒みが発生)

   ◇イライラやストレスなど状況を減らす

       (上記の原因で、気・血・津液が侵され、『肝』や『心』などに臓腑機能の失調が発生

       ≪注釈≫ 『気』・『血』・『津液』とは、身体の臓腑及び組織などを動かす為の血液やリンパ液などのエネルギーです。

  ◇その他

 

 どのような病にも、必ず原因があり、結果として『病』が発生します。

 病気が慢性化しない、あるいは、病気が重くならないように、日頃から、カラダのケアを考え、生活改善を行なうことが大切になります。

 

リハビリや看護などの介助で、大切なことの一つとして…

  リハビリや慢性的な病気を患っている身近な方への介助は、一所懸命に行なえば行なうほど、介助する側が、肉体的あるいは精神的に参ってしまい、結果、介助する方が病気を発症したり、介助する、または介助される側がさらに病気を悪化させることがあります。

 健康についてWHO(世界保健機構)では、『健康とは、疾病がないとか、虚弱でないということではなく、肉体的にも、精神的にも、社会的にも、心身が満たされた状態である』ことを述べています。

 従いまして、私も介助の経験を通して、上記のような介助する、される側の健康が悪化する状況に傾かないように、今一度、介助する側が、自分自身の健康を維持できる手段や環境の改善を考えておくこと大切と思います

 さて、介助する側が最も身体に異常をきたす状態は、ストレスや過労による心身の疲労になります。

 東洋医学の臓腑弁証の観点から端的に述べますと、健康とは、『五臓六腑の働きのバランスが調和した状態』になります。

   ※ 五臓 ⇒ 肝・心・脾・肺・腎

   ※ 六腑 ⇒ 胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦

 また、ストレスや肉体疲労が身体に影響を与える状態は、東洋医学では、下記のように幾つかの考え方が出きます。

 ①肉体疲労などにより、呼吸器機能に影響を受け、心肺機能が低下して、身体に栄養(血液など)を送れない状態になります。

    肉体疲労 ⇒ 肺気虚 ⇒ 心気虚  ※心肺両虚証

 ②ストレスや肉体疲労などにより、消化器機能が低下、栄養吸収不足になり、身体の機能が低下します。現代医学では、ストレスを最も受けやすい臓器とし、消化器系(胃・小腸・大腸など)があげられます。

  尚、『脾』とは、現代医学の消化器系に相当します。

    ストレス・肉体疲労 ⇒ 脾気虚 ⇒ 心血虚 ※(心脾)気血両虚

 ③精神疲労により消化吸収不足が生じ、身体の栄養(血液など)とされるエネルギー生成が減ること、血液の循環機能が低下します。

    精神疲労など ⇒ 肝気虚 ⇒ 肝血虚 ⇒心血虚 ※(心肝)血虚症

 ④肉体疲労やストレスにより、身体を冷やすラジエーター機能が低下し、身心の異常(不眠や精神不安など)や体温調節の低下、足腰のだるさを発症させます。

    過労やストレス ⇒ 腎陰虚 ⇒ 心火亢進

 ⑤肉体疲労により、身体の循環液(現代医学では、血液やリンパ液などに相当)の停滞が起き、四肢の冷えやむくみが発症し、血行障害を生じさせます。

    肉体疲労 ⇒ 腎陽虚 ⇒ 心陽虚  ※(心腎)陽虚証

 ⑥その他

 

 以上の様に、身体の状態が、いわゆる『未病』(「健康状態」~「病院で病気と診断される状態」の経過の心身の状態)の時に、症状に対する何らかの治療や改善・予防方法を取り入れることが大切になります。

 身体の疲労感やストレス解消には、自律神経の調整や筋肉疲労の改善、血行促進などの効果がある鍼灸治療は、有効な方法になります。当院のホームページ上部の『治療効果』をクリックしていただければ、『治療と回復効果』のグラフで、今後の治療や予防の改善に対する考え方にお役に立かと思います。

 また、日常での改善・予防方法の一つとして、即効性はありませんが、上記の①~⑤のように、循環器系や呼吸器系の働きを改善することは、介助に関わる方の『未病』の改善になりますので、どこでも場所を選ばずに出来る『腹式呼吸法』を行なうことも良いと思います。

病院(現代医学)治療の視点からみた鍼灸治療効果の信憑性は?

  病院の治療は、内科的治療の場合は、一般にお薬による治療です。

 お薬は、膨大な資金と労力を使って、下記の長い期間を経て誕生します。

    ◇ 基礎研究 ⇒ 非臨床試験(動物実験など) ⇒ 臨床試験 ⇒ 承認

 

 従いまして、病院で処方されるお薬は、ある一定の基準を満たしていれば、科学的に効果が得られることが出きます。但し、副作用も伴います。

 

ところで、プラセボ効果とういう言葉があります。効果のない成分が入っていない薬によってもたらせる効果です。

 鍼灸治療の経験がない方、あるいは身近に治療の結果を目にしたことがない方々には、鍼(はり)やお灸による治療は、医学的、あるいは科学的視点から見ると、プラセボ効果や宗教的な心理効果と同じように見えるのかも知れません。

 

 話は変わりますが、今日では、『笑い』は、下記の点から免疫力を高める効果があることが、医学的にも証明されつつあります。一昔の医学の常識では、考えられないことの一つです。

 

   生理的効果 ⇒ ①血液成分のNK細胞の増加により防御機能の上昇(免疫力アップ)

           ②糖尿病患者に対して、血糖値の減少

           ③自律神経の副交感神経が優位

 

   医学的証明 ⇒ ①笑うことで表情筋群が働き、ストレス解消

           ②血圧低下(正常化)

           ③心臓の機能向上

           ④血液中酸素の増加 

                ※循環器疾患の治療に効果

 しかし、『笑う』ことは身体に良いが、ではどのような疾患で、どのくらいの『笑い』で、どのくらいの効果が得られるといことに関しては、今の現代医学では、まだ証明には至っていない状況です。

 東洋医学は、『鍼(はり)をしたから良くなった』、『お灸をしたから改善した』、『このような食べ物を摂ると元気になった』という治療データーなど、数千年の臨床の積み重ねで出来た学問になります。従いまして、東洋医学は、医学的あるいは科学的証明の出来、不出来で判断する現代医学(西洋医学)とは、治療方針や考え方が異なっています。

 

 一昔では、迷信や言い伝えなどは、ちまたではよく聞くことが出来ました。しかし、現代では、客観的に現されたこと、あるいは目に見えるものなどが、日常では受け入れられます。

 『治癒力』もその一つで、現代医学(病院)では、調整力、回復力、免疫力に置き換えられて、今日では一般に使われるようになっています。

 科学的に解明されていないことと、科学的根拠がないのとは、全く違います。

 『鍼(はり)』や『お灸』の治療を行なうと、副交感神経が優位になり、また血管の拡張を促し血行を良くする働きがあります。しかし、一方では、いまだ一般の方々には、鍼灸治療の治療効果の認知度が低く、現代医学に関わる医療人、病院関係者、あるいは、病院治療(現代医学)以外に治療を受けたことがない方々には、鍼灸治療は、まだまだ受け入れられていないのが実情です。

 尚、当院で治療されている方々には、なぜ『鍼(はり)』や『お灸』が身体の体調改善に効果があるのか、詳しく解りやすく、ご説明しております。

我慢をしなくていい!鍼灸ダイエット

  私なりのダイエットのセオリーは、『我慢をしない。でも、ちょっとの努力と継続!!』です。

 約15kgの減量も経験があり、リバウンドも、ちょっとの継続的な努力で回避できます。

 

 一般に、肥満の原因には、主に下記のことがあげられます。

  ① 過食

  ② 咀嚼不足

  ③ 間食が多い

  ④ 生活の不摂生(食事の時間及び回数・睡眠時間・偏食など)

  ⑤ 運動不足

  ⑥ ホルモン分泌異状による疾患

  ⑦ ストレスなど

 

 ダイエットを成功するには、『何のために、この方法でダイエットを行なっているのか』を理解することが、大変重要です。

 しかし、目的を理解せず、闇雲にダイエットを行うことは、継続的にダイエットが出来なくなり、再び太る原因になります。

 

 儒教で『中庸』という言葉(※過不足がなく調和がとれていること)があります。健康な状態とは、身体がこのような『中庸』の状態のことです

 この状態(中庸)から、病院で病気と診断される直前までの『病気までの進行のプロセス』を、『未病』と呼ばれています。

 肥満の状態は、病的でない『未病の肥満』の状態と、病的な『肥満』の状態に分けられます。

 

 ところで、東洋医学には現代医学の問診と診察に相当するものに、『四診』と呼ばれる病の診察方法があります。

  ・望診 ⇒ 視覚を通じての診察(顔色や舌の状態など)

  ・聞診 ⇒ 聴覚や嗅覚での診察(呼吸の状態や口臭・体臭など)

  ・問診 ⇒ 問いかけを通じての診察(汗の状態・排尿便・睡眠・生活環境など)

  ・切診 ⇒ 触覚を通じての診察(身体の痛み・脈の状態・腹診など)

 

 肥満になる原因は、人それぞれで異なっていますので、当院では、上記の『四診』を用いて、『オーダーメイド治療の前準備』を行います。

この診察(四診)と解剖・生理学の視点・患者様の生活スタイルなどを考慮することで、『肥満の原因』が解ると同時に、患者様の『肥満解消』の治療方針が決定されます。

 鍼灸治療は、『鍼(ハリ)』を用いて痛覚と触圧覚に、『お灸(きゅう)』は温痛覚に、それぞれ身体に刺激を働きかけることで、身体の改善を促す治療法です。

 

 肥満の改善方法は、肥満の原因①~⑦の解消です。

 当院での肥満に対する治療は、下記の趣旨で治療方法を行ない、身体全体の代謝を総合的に上げて行く治療です。

A)  生活スタイルの改善指導(※改善出来る範囲を患者様との問診で検討し、簡単ダイエットの指導)

B)  自律神経の調整の鍼灸治療(※消化器系の改善《肥満原因①~④》

C)  ホルモン分泌の調整の鍼灸治療《肥満原因⑥》

D)  神経伝達物質の調整の鍼灸治療《肥満原因⑦》

鍼灸治療によるストレス軽減②【東洋医学編】

 前回のブログ『鍼灸治療によるストレス軽減①【現代医学編】』では、現代医学の視点から、『ホメオスタシス(恒常性)』が、『自然治癒力』であると述べました。

 では、現代医学の『ホメオスタシス(恒常性)』に相当する東洋医学の自然治癒力は何であるのかというと、『陰陽論』や『五行論』などになります。

 『陰陽論』とは、下記に示すように、相反する『陰』と『陽』が、相互関係を維持することで、自然界のバランスをとっているという考えです。

  【陰】⇒ 下、内、夜、女、老、内側、裏、胸腹、下部、五臓、寒冷、慢性、暗、静、血、津液

  【陽】⇒ 上、外、昼、男、幼、外側、表、脊背、上部、六腑、温熱、急性、明、動、気

 例えば、健全な体温のバランスでは、冷え【陰】過ぎず、かつ熱【陽】すぎず、あるいは、安静【陰】しすぎず、かつ動き【陽】しすぎないことが、健康維持の一つにあげられます。

 また、『五行論』とは、宇宙に存在するあらゆる万物を5つの要素に分類し、これ5つの要素が、お互いに影響しあい関係を保つという考えです。

 下記のように、身体に関係する五臓六腑という言葉があります。これらも、5つに分類されます。

  『五臓』 ⇒ 肝・心・脾・肺・腎

  『六腑』 ⇒ 胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦

 鍼灸治療では、この五臓六腑の臓腑関係が、お互いに良いバランスを保つことで、良好な健康状態を得られると考えます。

 そして、前回のブログ『鍼灸治療によるストレス軽減①【現代医学編】』で述べたように、自律神経(交感神経・副交感神経)をうまく調節することが、治療効果を上げることになります

 鍼灸治療は、『鍼(はり)』の痛みによって、あるいは、『お灸』の熱さ・温かさによって、感覚神経の『痛覚』・『温度覚』に刺激を与えることで、運動神経・自律神経(交感神経・副交感神経)の調節を行なって、良好な身体に、より近づける治療方法です。

 そして、『鍼(はり)』や『お灸』は、副交感神経を優位にし、治癒力を高める作用があります人の身体は、安静時に治癒力が発揮します。安静している時は、自律神経の『副交感神経』が優位の状態です。

 具体例として、『肩こり』をあげてご説明します。

デスクワークなど長時間の作業により、肩甲骨周辺の筋肉に疲労が生じます。この時、肩の状態は、血行不良が生じています。血液(※東洋医学では『血』)は、上記から【陰】に該当しますので、血液が不足した状態であり、【陰】が不足した状態(※東洋医学では【陰虚】と呼びます)です。あるいは、肩が冷される【陰】ことで、血行不良を生じているかもしれません。

 この場合の治療方針は、『血』が不足しているので、【陰】である『血』を補う治療、あるいは冷え【陰】が生じているならば冷え【陰】を押さえ、温かくする(【陽】を補う)治療になります。

 このように、実際に『陰』と『陽』のバランスを意識して、治療に心掛けています。

 また、ストレスによる症状の緩和も同様に、鍼灸治療で改善します。

 長期間、ストレスを持っている方の多くは、心身の状態がイライラ傾向です。人の感情は、『五行論』の五臓(肝・心・脾・肺・腎)で分類すると以下のようになります。

   『肝』⇒『怒』、 『心』⇒『喜』、 『脾』⇒『思』、 『肺』⇒『悲』、 『腎』⇒『恐』

 従って、イライラした状態は、『怒』に当たり、『肝』に影響を与えることになります。よって、治療方針は、『肝』の状態を良好にする治療を行なうことで、改善できることになります。

 東洋医学は、現代医学のように『悪いものを取り除く』などの治療とは異なり、身体の『自然治癒力』を、感覚神経を通して、導き出す治療法です。

鍼灸治療によるストレス軽減①【現代医学編】

 動物は、自分の身を守るために、機敏な反応を必要とします。その結果、身体には、汗をかく、あるいは筋肉や脳・感覚神経に血流を高める方法として血圧を上げるなどの変化を生じさせます。

 また、日常生活でのストレス効果は、肉体的または精神的成長を目的に、『やる気』、『作業効率アップ』といった能力を伸ばすことが出来ます。

 しかし、過度のストレスを受けることで、現代医学では、下記の病名を誘発します。

   風邪 肩こり 胃炎 胃潰瘍 過敏性腸症候群 急性胃腸炎 過呼吸 アトピー性皮膚炎 円形脱毛症 

   アレルギー アルコール依存症 うつ病 過食症 拒食 顔面神経痛 肩こり 虚血性心疾患 首のこり

   血尿 下痢 月経困難症 口内炎 甲状腺機能異常 口臭 高血圧 高血糖症 ほてり 頭痛 子宮筋腫

   湿疹片頭痛 十二指腸潰瘍 自律神経失調症 腰痛 脂肪肝 蕁麻疹(じんましん) 心因性発熱

   心身症 視力低下 自己免疫疾患 耳鳴り 性機能低下 生理不順 喘息 メニエール 多汗症 

   慢性疲労症候群 チック症 手足のしびれ 低体温 糖尿病 のぼせ 吐き気 肌荒れ パニック障害

   冷え性 頻尿 残尿感 不整脈 不眠症 ヘルペス 便秘 夜尿症 など

 過度のストレスとは、外的温度、環境、騒音、薬物、外傷、日常生活の不摂生(栄養不足・過剰摂取・睡眠不足など)、人間関係トラブル、精神不安、怒り、過度の緊張などです。

 現代医学の考えでは、人間は、『(神経系)』・『内分泌系(ホルモン系)』・『免疫系(白血球など)』の3つのシステムのバランスで、健康が維持されています。これを『ホメオスタシス(恒常性)』と呼びます。

 そして、身体に過度のストレスを与えると、下記の影響を受けて、恒常性のバランスが崩れ、体調不安定になります。

  【脳】    ⇒ 交感神経の緊張、情緒不安定、判断力低下など

 【内分泌系】 ⇒ ストレスホルモン(コルチゾールなど)の過剰分泌など

  【免疫系】  ⇒ 免疫力の低下など

 では、ストレス自体(コルチゾールなど)は、身体に悪いものかというとそうではありません。身体の機能を高めるには、不可欠なモノです。血圧を上げたり、ウイルスや細菌から身を守ったり、筋肉の動きの向上などの身体に良い働きをします。『適度なストレス』、『適度のホルモン量』、『適度な免疫力』が重要です。

 このように、現代医学での『ホメオスタシス(恒常性)』が、『自然治癒力』になります。

 また、『自然治癒力』をコントロールするところは、頭部内の『視床下部』であり、『自律神経(交感神経・副交感神経)』を支配しています。

 健康維持には、如何に『自律神経』のバランスを調整することが最も重要になります。

ばね指(弾撥指)の治療法

 現代医学(西洋医学)では、ばね指(弾撥(だんぱつ)指)は、指を曲げる腱(屈筋腱)とその屈筋腱の浮き上がりを押さえる靱帯性腱鞘(けんしょう)の間で炎症が生じることで、さらに症状の悪化に伴い、この靱帯性腱鞘が肥大し、通過障害を起こす状態です。

 病院での治療法は、保存的治療と手術療法になります。

 ばね指(弾撥指)の動作により症状が悪化すると、指を曲げたり、あるいは伸ばす時に痛みが生じます。

 ところで、東洋医学では、不通則痛(痛ぜざればすなわち痛む)という言葉があります。

 この意味は、身体が正常な時は、身体の中では、血液などがスムーズに循環されていますが、身体の循環が悪くなることで、血液などが滞り、その結果『痛み』が発生するという考えです。

 従って、身体の循環を良くすれば、『痛み』が改善されることになります。

 さて、ばね指(弾撥指)の症状で、

      ・起床時に、指の曲げる時あるいは伸ばす時に痛みがある

      ・指の動作開始時痛みが生じるが、動き続けると次第に症状が緩和される

      ・お風呂に入って患部を温めると、症状が緩和される

といった方であれば、鍼灸治療で改善の見込みがあります。但し、症状が出始めてから遅くなるほど、治りにくくなり、あるいは完治に時間が掛かります。

 当院でのばね指(弾撥指)の治療は、主に肩、腕、手の血流の改善と、症状の原因とされる日常生活指導及び自宅での改善方法を行ないます。

 一般に、鍼灸治療では、治療開始が早ければ早いほど、症状が早く改善でき、あるいは治療期間が短縮されます。

 まずは、病気になった時は、『急を要する重篤(じゅうとく)な病気』の判断として病院の受診することが賢明です。病院の診察結果、急を要しなければ、ご本人が納得される病院の治療あるいは病院以外の治療法をじっくり選択されれば良いと思います。

 何よりも、『痛み』や『しびれ』などが身体に生じた場合は、『身体に異常が発生していますよ!』との身体からの信号です。

 『痛み』をガマンするよりは、まず第一に身体の改善を考えるのが得策でしょう。