加齢と美容と老化に対する東洋医学的アンチエイジング

 

加齢とは、生物が生まれてから死ぬまでの時間的経過を指しますので、人にとって加齢を抑えることは出来ません。

しかし、『皮膚』、『骨』、『筋肉』、『血管』、『脳』、『心臓』などの働きを活性化することで、老化を抑えることが出来、美容にも効果が発揮出きます。

30代以上の方、あるいは、少なくとも、健康な身体であれば、現在の状態を保つことが重要です。

いわゆる現代医学で用いられる『皮膚年齢』、『骨年齢』、『血管年齢』などの生理的働きを、如何に低下させず、維持させることが大切になります。

例えば、『皮膚年齢』の場合、20歳頃を境に『ターンオーバー』が28日以上掛かる状態になっていきます。40歳であれば約2倍掛かると言われます。

身体の各部位(皮膚や血管など)を

  実年齢、もしくはよりも若い状態にするには、東洋医学では、『五臓六腑』や『陰陽』などの調和がとれている『健康な状態』

にすることです。

 

 

ところで、『五臓』とは、『肝』、『心』、『脾』、『肺』、『腎』を指し、現代医学での『肝臓』、『心臓』、『脾臓』、『肺(臓)』、『腎臓』に相当はしていません。『肝≠肝臓』、『心≠心臓』、『脾≠脾臓』、『肺≠肺(臓)』、『腎≠腎臓』ということになります。

 東洋医学での『五臓』は、現代医学に置き換えると、『肝』≒『血液などに関する働き』、『心』≒『心機能や脳などの働き』、『脾』≒『消化器系などの働き』、『肺≒呼吸器系の働き』、『腎≒泌尿器・生殖器などの働き』といった身体の中の働きを意味しています。

現代医学での『肝臓』、『心臓』、『脾臓』、『肺(臓)』、『腎臓』は、臓器そのもの【モノ】を指しています。

従いまして、東洋医学では、『五臓六腑=身体の中の働き』であり、現代医学の臓器そのもの【物体】を表している訳ではありません。

なぜ、このような違いが発生した理由は、解体新書を翻訳した『杉田玄白』が原因と言われています。

『五臓六腑』という言葉は、中国から日本に伝えられました。しかし、オランダ語で書かれた解剖図の名称(臓器)を、当時の日本では、それ(臓腑)に該当する言葉がありません。そこで、『杉田玄白』が、『東洋医学』から『五臓六腑』を引用したことで、上記のような『働き≠臓腑』の違いが発生することになりました。

『五臓六腑』とは、身体の『臓器自体(モノ)ではなく、働きである』ことを記憶に留めて置く事で、『東洋医学』に関わる美容・健康などの予防学を理解するのに役立つと思います。『五臓六腑』を現代の臓器(モノ)とする考えは、東洋医学の理解を混乱させます。

 

 

学校の教科書に掲載された事柄について少し述べましたが、『鍼灸』について少し記述された有名な著書もあります。

江戸時代の儒学者『貝原益軒』によって、健康についての日常生活の心得を書いた『養生訓』です。『鍼(はり)』や『お灸』について、少し書かれています。

また、俳人、松尾芭蕉による「奥の細道」の中で

「月日は百代の過客にして、行かふ年も又旅人也。・・・笠の緒付かえて、三里に灸すゆるより、松島の月先心にかかりて云々…」
という文が記載しています。『三里』とは、足三里というのツボになります。

ご参考まで。

 

 

話は戻りますが、人は生まれてから現在まで、身体の外部から色々な影響を受けて、生活しています。老化を早める原因であるリスクを回避あるいは、改善することが、老化防止になります。

そのためには、まずは、自分自身の身体の状態、生活環境を十分に理解することが、美容、健康になり、いわゆる『若返り』になります。身体に良いことを行なっても、不健康になる環境を変えなければ、『若返り』は出来ません。

『病気は気から…』といいますが、東洋医学の観点から、実際の臨床でもこの言葉は反映され、慢性的な症状の改善につながります。

『気』については、当院ブログ『冷え性の改善の道(東洋医学編)』を閲覧ください。

 

病院の検査で、ある一定の状態になって病気とする現代医学とは異なり、慢性的な症状などの改善や養生については、東洋医学を精通している医師や薬剤師、お近くに鍼灸師などにお尋ねになると、現在の身体の改善のアドバイスを受けることが出きます。

また、『お灸』や『はり(鍼)』は、お年寄りがするものと思っている方がいらっしゃいますが、本来、年齢に問わず、身体の調整を行なえる手段の一つであり、血行や免疫力の促進、神経に対する刺激による機能回復などを目的とした改善を促すことが出きます。

身体の衰えを感じ始める30歳頃から健康を意識した生活を行なうことで、実年齢の若い状態を維持することが出きます。

身体の衰えを感じる前に、気になる部位に対して気を掛ける事が、大変重要になります。

もう少し踏み込んだ内容は、当院ブログ『東洋医学の視点からのアンチエイジング』をご覧下さい。

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