鍼灸治療費の費用対効果と満足度

鍼灸治療の施術料金は、現在の相場は、実費診療で、九州では、約2,000~6,000円です。
料金の差は、施術時間、施術する疾患の数(例:「腰痛」と「肩こり」なら2疾患)、使用する鍼の本数、施術所の立地や設備、スタッフの人数などが関係します。
日常生活に掛かる費用は、経理上では、将来として残るモノである財産(資産や負債)と消費してしまう支出(費用)の2つに分けられます。
また、日常生活でその場で消費される相場は、下記の通りです。
映画鑑賞料金/約1,000~1,800円
遊園地入場料(ハウステンボス:大人1DAYパスポート)/約7,000円
〃  (東京ディズニーランドパークチケット)/約8,000~9,000円
スポーツジム会員(フィットネス都度利用/回)/約2,000~3,000円
美容室・理容室/約4,500円~
ネイルサロン/約5,000円~
焼肉食べ放題/約3,000円~
マッサージ(約100円/分)30分/約3,000円
リンパマッサージ(約1,000円/10分)60分/約6,000円
実際に鍼灸の施術料金の比較対象として、体験することで掛かる費用のイベントをあげてみました。
テレビや冷蔵庫、タオル、石鹸などの商品、消耗品とは異なり、体験することで消費されるイベントの費用は、特に満足度が大きく関係してきます
例えば、外食した場合、定価より美味しく感じたり、スタッフの接客が良かったり、店内の内装や設備がとても良いと感じると、定価以上の満足感を得ることが出来ます。
しかし、予想や期待をしていたよりも低く感じると、満足度は落ち、金銭的に損した感じを受けます。

鍼灸治療の満足度は、現在発症している症状の緩和の度合いになります。

つまり、費用対効果が大きければ、満足度は高まります。
鍼灸治療やマッサージの費用対効果は、映画鑑賞や遊園地体験のようなその場の状況を体験することと異なって、治療後、いかに長く症状を生じさせないことになります。
将来の患者様、お客様の身体の状態の健康維持費になるわけです。
しかし、マッサージや鍼灸治療後の身体の状態について、下記のような方々は、治療後改善するまでに、治療回数が多くなり、あるいは症状が再発する時期が短くなります。

①長く患っていた方

②生活習慣が不規則あるいは不摂生な生活を送っている方

③身体にストレスや肉体的負担が日常的に負担されている方など

ご自身が納得のできるマッサージや鍼灸治療の目安は、治療後の身体の健康維持費ということです。

 

そして、定期的にマッサージや鍼灸治療院に通われている方、あるいは長く患っている方は、東洋医学の『病因』を改善していくと、治療費が確実に抑えることが出来ます。

現在通われているマッサージや鍼灸治療の費用対効果を比べるには、当院ブログ『治療院選びのポイント|治療費(費用対効果)』をご覧下さい。

 

鍼灸治療後の効果の持続(期間)は、どのくらい・・・?(美容・健康の面から)

東洋医学では、鍼(はり)、お灸、按摩、マッサージ、漢方薬などを使って、身体の改善を行ないます。
しかし、上記の鍼治療やお灸などを行なえば、必ず改善するわけではありません。
治療、あるいは施術後の効果は、施術する側の技術と、施術を受ける側の患者様、お客様の考えや行動で変動します。
巷(ちまた)では、健康や美容の分野で、セルフお灸(自分自身でお灸をする)が一部の方々で流行っています。
鍼治療、お灸治療は、本来国家資格がないと、一般の方々には、鍼やお灸を扱うことは、法律上できません。
が、お灸については、ある地域では昔からお灸が行われ現在も行われていることもあり、自己責任の観点で、巷では行われています。
では、鍼灸治療の効果は、どのくらいの期間を持続できるのか?
それは、下記の条件で異なってきます。
🔶条件① 健康か不健康か?
🔶条件② 不健康であれば、どのくらい前から不健康な状態が続いているのか?(患っている期間)
🔶条件③ 年齢は何歳か?(回復力の大小)
🔶条件④ 不健康の原因を理解しているか?
🔶条件⑤ 不健康の原因解消に取り組んでいるか?
🔶条件⑥ 治療、あるいは施術の目的は、明確にしているか?
🔶条件⑦ 身体に負担を受ける前、あるいは受けた後は、カラダのケアを行なっているか?
美容業界では、『美容鍼(ばり)』という分野があります。
その仕組みは、鍼を顔に刺すことで、「身体の表面に損傷が生じた!」と身体が感じ、『カラダのセンサー』が反応し、その部分を修復するために、血流が増えるということになります。
身体の修復するための栄養は、血液です。
但し、顔は、身体の中で一番皮下出血しやすい場所で、外部に目が付く場所になります。
そのため、『美容鍼』を行なうサロンは、困難を避けるため、一般的に『同意書記入』を行っています。
『美容鍼』には、「カラダを美しく」する作用がある反面、「顔に青あざを作る」リスクを伴います。
「青あざ」は、全く皮下出血しない方、皮下出血しやすい方、男女差、皮下出血後の修復力などが要因で、個人差が大いに出ます。
「青あざ」を作る可能性があることを踏まえて、『美容鍼』を受けることになります。

青あざのリスクを下げることは出来ますが、100%青あざを生じさせない保証はありません。

 

そして、その運用形態(店舗)は、下記のいずれかに分類出来ます。
Ⓐ顔だけの鍼施術
Ⓑ身体の全般への鍼施術
©東洋医学的な問診を行なっての鍼施術
Ⓓ『美容鍼』をうたい文句にしたエステ重視のサロン
Ⓔ『美容鍼』だけに特化したサロンorエステサロン
Ⓕ身体の改善を終えた後に、『美容鍼』を行なうサロン
Ⓖほか
つまり、施術目的は、東洋医学の『陰陽論』の視点より、カラダの外部(※陽)の皮膚などの表面からアプローチするのか、内部(※陰)の内臓などの働きからアプローチするのか、あるいは両方にアプローチするのかを選択することになります。
また、施術料は、店舗に係る人数、店舗の立地、店舗の内装、間取り、設備などで大幅に異なってきます。
一般に、鍼灸治療やマッサージなどは、上記の条件①~⑦の改善を行なわないと、効果の持続は確実に出ません。

つまり、良くなることよりも悪くなる方が上回っている身体であれば、効果の持続は長くは見込めません。

『免疫力』や『治癒力』が関わってきます。

 

 

『健康』や『美容』に関しても同様です。

上記の条件①~⑦を改善しないまま、鍼やお灸、マッサージを行なっても、東洋医学の『病因』を軽減しなければ、すぐに元の状態に戻ってしまいます。

費やしたお金と時間が、無駄に費やされる結果になります。

身体を良くしたい方向に進めるには、まずは、現在の自分自身の身体の状態を知ることが大切です。

不眠症治療の効果を上げるには・・・

東洋医学の視点では、病気は、『病因』の内因、外因、不内外因から生じます。
不眠症の原因も、『病因』になります。
※病因については、当院ブログ『現在、起きている症状は、自分自身の周辺環境が原因!(東洋医学からの視点)』をご覧下さい。
一般に、病院での不眠症の治療は、医師の処方による薬物治療が主な方法です。
薬物治療で容易に改善に向かうのであればよいのですが、東洋医学の『病因』の影響が大きい方は、薬物療法だけでは改善が乏しい状況になります。
このような場合の患者さんの身体の状態は、『身体を治す力(自己治癒力)』がかなり劣っています。
従って、身体の働きを向上させることで、病院の治療も効果を上げることが出来ます。
では、病院以外の治療以外で何を行なえばよいかというと、『病因』を負担を減らすことと、身体の疲労感を取り除くことです。
不眠症で身体が疲労しているところは、心肺機能きの低下です

つまり、『心臓・循環器系』と『呼吸器系』の働きの低下になります。

東洋医学では、五臓六腑の『心』と『肺』に該当します。
不眠症治療で、病院の薬物療法だけを行なって効果がでない方は、身体の疲労感を確実に取り除くことで、改善していきます。
『心肺機能』が上がると、身体が下記の状態になります。
🔶身体の姿勢が良くなる。
🔶呼吸がしやすくなる。
🔶姿勢が良くなることで、肺がより大きく膨らみ、酸素の供給が上がる。
🔶肺の膨らみが大きくなり、横隔膜がより大きく上下に運動する。
🔶横隔膜の運動により、腸が刺激され、消化器系の機能が高まる。
🔶酸素の供給が高まることで、『自己治癒力』が高まる。
🔶心臓から送り出される血液が、身体の遠位まで生き渡らせる。

 

 

医師から処方された薬が効かないときは、下記のことが有効です。

『薬は効くものでなく、効かせるものである!』

薬が効かなければ、効くような身体へ促すことが重要です。

 

 

以上な経緯は、鍼(はり)やお灸、マッサージ治療で、改善へ導くことが出来ます。

更に治療効果を上げるためには、不眠症で悩まされている各々自身で、『病因』を減らすことです。

 

 

 

 

病名は、病気・症状のアドレス(番地)であり、病気を治すものではない。

現在、病院の医師によって診断される現代医学の病名は、あくまでも、症状や病気の発症原因などをグループ化した「見出し」や「表札」になります。
症状が発症しているが原因はわからない場合などには、病名が付かないモノもあります。
しかし、病名が無いからといって、治療が出来ないとは限りません。
現代医学のでの病名の役目の一つとして、膨大な病気の中から、『これだ!』という病気を探すためのツール(手段)であり、診断速度の向上です。
従って、病院の治療には、病名が不可欠になります。
一方、東洋医学の鍼灸治療では、現代医学の病名は、病院の治療に比べて、さほど重要にはしていません。
現代医学の病名は、時には、変更されたり、あるいは削除されるので、治療する側に混乱を招く恐れがあります。
そして、最新器具を備えていない鍼灸院などには、経済的にも、環境的にも、膨大な情報から得た病名について完璧に把握することはできない状況もあり、診断することが認められている医師でしか、病名を付けることが出来ません。
また、現代医学の病名は、東洋医学の病名と、必ずしも一致するとは限りません。
不完全な環境や不確かな情報では、適切な治療の妨げになります。

 

東洋医学治療の基本方針は、現代医学(病院治療)よりも数百年以上前に確立し、現在も少しずつ変化をしている治療法です。

では、病名ではなく、何を基準にして治療を行なうかというと、『症状』になります。

症状は、現代医学の病院治療や、東洋医学での治療は、ほぼ共通しています。
従って、鍼灸治療は、「病名がわからない」病気でも、『症状』から治療を進めることが出来るわけです。
治療手順にも違いがあります。
病院(現代医学)の治療は、基本的に、病名を決定して、そのに合った治療方法や、薬物の処方が確立します。
しかし、その条件が全く同じでなければ、条件の良し悪しで、治療効果が変動してしまいます。
一方、東洋医学である鍼灸治療の手順は、主に症状改善を主体に、治療を進めていきます

優先順位の高い方から、一つひとつ症状を改善することで、身体の改善を行なう訳です。

 

 

病名がわからない、あるは治療法が現代医学では解明されていないことでも、症状を軽減する治療で、改善への道が開かれる可能性があるかもしれません。

 

 

 

 

 

五臓六腑の中の『心』の働き②内面の変化から回復へ

前回ブログ『五臓六腑の中の『心』の働き①周辺環境の見直し』からの続き

前回のブログでは、病因の中の『不内外因』でもある周囲の環境を変化させることで、『心(しん)』の働きの向上について述べました。
今回は、身体の内面からの変化で、『心』の働きを促進して、QOL(生活の質)を上げる方法の1つを挙げます。
『心』の働きを低下させる要因には、必ず時(とき)という時間が関係してきます。
事故のような突発的事象を原因として時間の経過と共に精神を悪化させるものや、不安を受ける生活環境などを継続し徐々に悪化させるものがあります。
このような場合は、現代医学では、精神科あるいは心療内科での診療によるカウンセリング治療、薬物療法などで対応されています。
45歳中年のファミレス店長と、その店長に恋心を抱く17歳の女子高生との交流を描いた『恋は雨上がりのように』という映画・コミックがあります。
何気ない出会いからのきっかけで始まり、それぞれ途中下車したお互いがやり残したことへ再出発する、前向きになれるような内容です。
人生には、時間的余裕がなく出来なかった、経済的にできなかった、その当時能力的にできなかった、精神的未熟で行動できなかった・・・など、人それぞれで中断したことや、やれなかったことがあると思います。

このような過去に保留したことを再起動することが、『心』の働きの向上につながります。

あるいは、新しく自分にあった趣味などを、短時間でも良いので、積極的に行うことも、『心』の働きの向上につながります

誰しも、『心』の向上につながるものを持ち合わせていると思いますので、自己を変える発見がポイントになります。

 

 

 

 

五臓六腑の中の『心』の働き①周辺環境の見直し

東洋医学の臓腑学説の中に、五臓六腑があります。
その五臓(肝・心・脾・肺・腎)の中の『心(しん)』の働きには、
①全身に血(けつ)を循環させる役目
②意識や思考を主る
があります。
つまり、『心』の働きに変調が生じると
◇顔色や唇の色が悪くなる
◇大量の汗をかく
◇意識を制御できなくなる
◇精神が休まらず、不眠を生じる
◇動機や胸痛、不整脈を生じる
などの症状が出てきます。
現在、新型コロナウィルスの影響で、生活に大きな困難などを及ぼし、精神的なストレスが増大しつつあります。
このような、ストレスを継続的に感じますと、病気が生じてしまいます。

 

ちょっと内容はそれますが、映画「いなくなれ 群青」にて、主人公の男子高校生が、中学生の時に、引っ越しをする少女に対して、再会を約束するこのような一場面があります。
「少年は、なぜか微笑んでしまった。
そして、少女は、その微笑んだ理由を教えてくれない少年に「今度また会った時はその理由を聞かせて」と言い、二人は約束した。」

 

 

映画の本編とは関係のない、ある光景です。
少年は、小学1年生になって転入して来た少女とは、長年ずっと同じクラスでした。
しかし、少年は、少女あるいはその周囲の人に対して、時々迷惑を掛けるような好ましくない行動をとっていました。
中学生になり、ずっと同じクラスでいつも近くに存在感があった少女とは、別々のクラスになった時、彼女が、少年にとって、とっても大切な存在になっていたことに少年は気付きました。
少年は、彼女に対して、未熟で不甲斐ない己の行動を与えないため、あるいは彼女の進路の妨げにならないように、彼女との関わりを断ち切ることで、・・・。
そして、彼女には強い思いは伝えず・・・。
あれから40年・・・・

 

 

映画の話に戻りますが、主人公の男子高校生が、過去の別れの時に微笑んだ理由は、
まっすぐな性格の彼女の妨げにならないように、彼自身を遠ざける事での安心感。
しかし、その時の彼の行動が正しいかどうかは、一概には言えないかと・・・。
視点を変えると、正しくもあり、あるいは間違いなのかも・・・。

 

 

また、映画の中では、階段を上る光景があります。
階段は人生に例えられます。
階段を上る時は、正面を見て上ります。階段しか見えません。
しかし、立ち止まって周辺を眺めると、上る前よりもより広く、世界が見渡せるようになります。

 

現在、新型コロナウイルスで、患者さんを含め、業界内でも、休診すべきかどうか迷っている方々が大勢います。
「以前から健康に良いとされていたものが、今は間違い」あるいは「以前行なっていた治療は、今は良くない」と言った事例は、かなりあります。
この世には、必ずしも、正しいかあるいは間違っているか、分からないものはたくさんあります。
このご時世、ハッキリしていることは、『感染を拡大させない!感染しない!』ということです。
今、感染のリスクを下げると思われる方法が、将来、正しいかったと思えるかどうかはわかりません。
しかし、今は、信じて行うことが、最善だと思います。
◇仕事を休む。
◇お店を休業する。
◇人を遠ざける  など。
それが正しいかどうかは、一度立ち止まって、そして振り返ってみるとよいと思います。

 

尚、映画「いなくなれ 群青」のタイトルは、まっすぐな性格の少女への応援を込めた言葉なのかもしれません。

 

東洋医学では、病気の原因(病因)は、大きく3つの原因(内因・外因・不内外因)から生じると考えます。
今回の新型コロナの影響は、『不内外因』の環境汚染にあたり、感染であれば直接的、感染などへの不安であれば間接的要因になります。
そして、この間接的要因の不安の増大が、『内因』を誘発させ、更に症状を悪化させます。
従って、これらの要因で、五臓六腑の『心』働きの低下を加速させることとなります
以上のようにならないため、臓腑学説の『心』の働きを良くするには、ちょっと立ち止まって、周辺の状況を把握できる環境づくりで、解決へ導き、ストレスの解消につなげることです。

 

今回のブログでは、現在の「新型コロナウイルス感染予防対策」の『感染させない!』にあたります。
「新型コロナウイルス感染予防対策」の『感染しない!』『発症しない』についてついては、前回ブログ『鍼灸(東洋医学)の視点からの『新コロナウイルス』への対応策②』をご覧下さい。

 

 

次回のブログ『五臓六腑の中の『心』の働き②内面の変化から回復へ』へ続く

 

 

 

 

 

鍼灸(東洋医学)の視点からの『新コロナウイルス』への対応策②

※前回のブログ『鍼灸(東洋医学)の視点からの『新コロナウイルス』への対応策①』の続き
新型コロナに対する『病因の不内外因』以外の予防策として、健康な身体を作るには、東洋医学の視点からは、下記の項目があげられます。
♥1『病因』⇒『内因(過度な感情)・外因(生活環境における過度な温度変化など)』にアプローチをかける予防
♥2『臓腑学説』など⇒身体の内部(五臓六腑など)の働きの向上
しかし、上記♥印の2項目を実現する手段を伝えても、全ての方々の生活行動や性格が異なっていますので、実際には実現できない場合を伴うと思われます。
ということで、先ずは、上記♥の2項目をご理解して頂くことが、一人ひとり異なった生活での予防策へとつながると考えます。
♥1について
『内因』については、『七情』とも呼ばれ、怒・喜・悲・憂・恐・驚・思の過度な感情の変化により、病気になると考えます。
いわゆる、世間一般に言われている『ストレス』に当たります
これについての実際の生活での対処例は、下記の通りです。
★質の高い睡眠をとること
★ストレスをためない
★適度な運動
★栄養バランスの良い食事
★電話などの機具の利用による接触感染を避けての人との会話
★人との物理的距離間の維持を伴った会話
★趣味
★森林浴 など
『外因』については、『六淫』とも呼ばれ、風・暑・湿・火(熱)・燥・寒のように、過度な環境の変化を受けると病気になると考えます。
つまり、『外因』の予防は、現代医学に置き換えると、生活環境に応じた体調管理を行うことで、免疫力の低下を防ぐことになります。
★エアコンによる室内の温度管理/「暑・火(熱)・寒」への対策
★室内の適度な湿度管理/「風・燥・湿」への対策
★適度な水分の摂取/「六淫」への対応 など
♥2について

五臓六腑とは、現代医学のように臓器そのモノを指しているのではなく、身体の内部の働きを指しています。

◇五臓⇒肝・心・脾・肺・腎
※現代医学の肝臓や心臓・脾臓・肺・腎臓の臓器自体を指すものではありません。
肝⇒現代医学の血液・循環器系の働きに相当
心⇒現代医学の脳・心臓・神経系の働きに相当
脾⇒現代医学の消化器系に相当
肺⇒現代医学の呼吸器に相当
腎⇒生殖器・遺伝・泌尿器系に相当
◇六腑⇒胆・小腸・大腸・膀胱・胃・三焦
※腑とは袋という意味を指し、三焦は、現代医学のリンパ系に相当
従って、健康な身体づくりとは、五臓六腑の働きが、バランスよく調和されることになります。
実際に、重症化している多くの症状は、肺炎などの呼吸器系異常と生命力が落ちている高齢者が、統計的に高くなっています。

現状の患者数からもお分かりになるように、特に、今回の新型コロナ対策として重要な五臓は、『肺』と『腎』になります。

東洋医学では、『肺』の働きは、現代医学での呼吸機能(酸素を吸って、二酸化炭素を出す)ほかに、『宣発』と『粛降』という作用があります。
現代医学の事柄を使ってご説明致しますと、外気(=清気≒酸素)を身体に取り入れて、身体の全身に、衛気(身体を守る気≒酸素)や津液(リンパ液や体液などの水分)を送り、また営気(=血にある気≒血液)により身体に栄養分や潤いを与えて、身体の防衛作用を行なうことです。

つまり、現代的には、『肺』とは、『身体のバリア(防衛)機能』に当たります。

従って、身体の『肺』の機能が低下すると、皮膚や粘膜などに潤いがなくなり、感染症のリスクが高まります。
新型コロナウイルス感染を防ぐためには、『肺』の機能を高めることが重要になります。
続いて、『腎』の働きは、更に宗気(≒酸素)を取り入れるための生命に必要なのエネルギー(納気≒酸素)を蓄え、不必要な水分は排泄し、成長・発育・生殖に深く関わり、生命活動の源となります。
また、『肺』への水分を供給する作用があります。
東洋医学的視点から、今回の新型コロナの感染による重病者は、生命力が落ちた(腎虚)高齢者や、持病を患っている(腎虚)方、あるいは、バリア機能が低下している呼吸器疾患者が多いと感じます。

 

よって、東洋医学での『肺』と『腎』の働きを高める生活を送ると、感染後の症状軽減につながると考えます。

 

では実際に、『肺』と『腎』を高める生活の改善例をあげてみました。
◇『肺』の働きを高める生活
★適度に水分を補給したり、マスクをして、喉や口、鼻の乾燥を防ぐ(粘膜の保護)/バリア機能向上
★のど飴をなめたり、加湿器を使って、効果的に、喉や口を乾燥させないようにすること(粘膜の保護)/バリア機能向上
★適度な運動/心肺機能を高め、酸素の供給量を増やす
★パソコンやスマホ、ゲームをする時間の短縮/姿勢悪化の改善による酸素供給量増加
★肩こりの改善/姿勢悪化の改善により、上半身の筋肉(呼吸筋)の運動量を増やすことで、心肺機能を高める
★その他

 

 

◇『腎』の働きを高める生活
★質の高い睡眠をとること
★ストレスをためない
★腹式呼吸
★栄養バランスの良い食事(※『脾』の作用で栄養を吸収し、『腎』に栄養(腎精・腎気)が蓄えられ、『肺』の作用で全身に栄養が送られる)
★長時間の立ち仕事の回避
★腰痛の改善
★むくみ解消
★その他

 

現時点では、治療方法が確立していない環境で、新型コロナ対策としてできることは、免疫力をあげ、感染した場合に備えて、治癒力を高める生活が必要です。

 

尚、治癒力や免疫力を上げる語句を、あげてみました。ご参考までに。

現代医学(西洋医学)⇒自律神経系・免疫系・内分泌系(ホルモン)

東洋医学(鍼灸・漢方)⇒陰陽学説・臓腑学説・五行論・病因・気血学説

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鍼灸(東洋医学)の視点からの『新コロナウイルス』への対応策①

現在、新型コロナウイルスの影響で、日常生活が脅かされています。
現代医学では、まだまだこのウイルスの実態が明確になっていない状況です。
新型コロナの実態と治療方法等が確立していないのであれば、今実現できることを行なうことが望ましいと考えます。
フグの毒や、致死率100%の劇薬とは違い、必ずしも新型コロナの致死率は100%ではありません。
人間には、正常な身体の機能が働いていれば、身体に悪影響を及ぼす物質は、基本的には排除する機能が働きます。

この作用である『免疫力を高める』作用を向上・維持できると、万が一、新型コロナ感染した場合、症状軽減につながることでしょう。

 

一般に、現代医学(西洋医学)と東洋医学の大きな違いは、
◇現代医学⇒基本的に、治療効果が発揮するタイミングは、発病後
◇東洋医学⇒発病後の治療には当然効果があり、健康な状態~発病に至るまでの期間も治療効果は有効
になります。
つまり、治療開始は、
◇現代医学⇒症状が発症してから
◇東洋医学⇒健康な状態から身体の変化が生じてから
になります。
よって、東洋医学では、発病する要因(リスク)を軽減するという予防の考え方ができます。
これについては、当院ホームページ画面の上部のダグ 治療効果 の『治療と回復効果のグラフ』をご覧になると、分かりやすいかと思います。

 

また、東洋医学では、病気の原因は「病因」であり、「内因・外因・不内外因」に大きく分類します。
「病因」については、当院ブログ2018.08.30掲載 なぜ病気になるの・・・/原因は・・・|東洋医学の視点から をご覧下さい。
鍼灸の治療効果については、『自律神経やその他神経系に関わる症状』と『血液の増減に関わる症状』に特に有効です。
詳しくは、当院ブログ2017.01.07掲載の『鍼(はり)』や『お灸』は、効くの?≪現代医学と鍼灸の治療目的の違い≫ をご覧ください。
そして、東洋医学の『臓腑学説』視点から、健康とは、五臓六腑及び、その他身体の中の働きがバランスよく働いていることになります。
『臓腑学説』については、当院ブログ2017.09.02掲載の 東洋医学の理解度が上がれば、健康になれる!をご覧下さい。

つまり、『病因』を限りなく無くし、身体の働きをより高めることが、新型コロナ対策になります。

まずは、現在、一般的に予防策として公表していることを、東洋医学の事柄に分類してみますと、
♠集団感染の共通点「3つの密」を行わない
1.換気の悪い密閉空間
2.多数が集まる密集場所
3.間近で会話や発生をする密接場面
については、『病因』⇒『不内外因』に当たります。
♠咳エチケット(マスク着用)やこまめな換気をする
については、『病因』⇒『不内外因』に当たります。
♠風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている
♠強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある
♠先行して急に「におい」の異常(嗅覚障害)や「あじ」の異常(味覚障害)を自覚
♠鼻詰まりや鼻水、頭痛、痰や血痰、下痢
♠心臓、肺、腎臓に持病のある方、糖尿病の方、免疫の低下した方、 妊婦の方などが感染者のお世話をするのを避ける
♠新型コロナウイルス感染症の感染経路である飛沫感染と接触感染を避ける
以上の6項目への接触を行わない行動は、すべて、『病因』⇒『不内外因』に当たります。
♠流水と石鹸による手洗いを頻回に行いましょう。
♠特に外出した後や咳をした後、口や鼻、目等に触る前には手洗いを徹底しましょう
この2項目も、『病因』⇒『不内外因』に当たります。
ということで、ちまたで実際に行われている大半のことは、東洋医学の『不内外因』の予防に当たります。
つまり、上記の予防方法だけでは、感染しないための予防策であり、いざ新型コロナに罹った場合には、症状が悪化すると考えられます。
現在、感染の収束の時期が明確になっていない状況なので、これからは、新型コロナに罹らない環境だけを作るだけでなく、一歩先の『感染しても症状を軽減させるカラダ作り』が必要と考えます。
では、健康な身体を作るには、何が必要かと言うと、東洋医学の視点からは、下記の項目があげられます。
♥『病因』⇒『内因・外因』への予防
♥『臓腑学説』など⇒身体の内部(五臓六腑など)の働きの向上

この♥印の2項目については、次回の当院ブログ『鍼灸(東洋医学)の視点からの『新コロナウイルス』への対応策②をご覧下さい。

 

 

痛みや不快な症状の判断の目安(病名は複数の可能性も視野に!)

痛みや不快な症状が生じた場合、強く感じる症状をまず解消、軽減の対応を行います。

日本では、病名の診断を行うことは、医師しか認められていません。
基本的には、身体の異常が生じた場合は、医師による病院の検査が、客観的に判断でき、治療の選択肢の広がりが明確になります。
そして、重篤でも進行性が緩やかな病状に対する治療の選択や、病院以外の治療を希望する選択が、よりよい方向へむかう指針に活用出来ます
ところで、痛みなどの不快な症状が生じた場合、一般に、一つの病状が原因と考えます
しかし、多くの場合、東洋医学の視点からは、症状の強弱や、病状の発症からの新旧の進行状態で、複数の病状を抱えています。
人間は、痛みや不快な症状は、一番強い症状を感じます。一番感じる症状が解消あるいは軽減すると、続いて2番目に感じる症状が優位になります。
生理学上、あるいは患者様の経験上痛みと違うところに原因あるいは疑問がある場合は、内臓の異常から生じる関連痛や、2つ以上の病状と予測することも、早期治療には、検討する余地が必要かと考えます

 

介護・看護・看病にて、慢性的に生じる不快な痛みなどの軽減に、鍼治療を検討しては・・・

長期的に、病気や症状を患っている方は、基本的に病院での薬の処方で、症状改善に対処していることでしょう。
痛みなどに効く薬には、効果時間があり、継続的に摂取しないと、苦痛な生活を送ることになります。
基本的に現代医学とする病因の治療は、病気が発症してから行う対症療法になります
一方、東洋医学とする鍼(はり)、お灸、按摩、指圧、マッサージなどの治療は、本来、人間が持ち合わせている自然治癒力(※現代医学では、ホメオスタシスが該当する)を高め、健康な状態に向かわせる手技になります。
人は、痛みなど一番不快に感じる症状を軽減すると、その他の症状が軽減する傾向になります。
全ての症状に効果があるわけではありませんが、この一番不快に感じる痛みの軽減に、鍼やお灸、マッサージなどは有効です。
症状が重い方において、1週間1回の治療では、現状維持あるいは対症療法程度で、充分な自己治癒力を上げることは、当院ホームページの上部のタブ『治療効果』の『治療と回復効果』の図からもお分かりのように、階段的に、回復は厳しいと思われます。
しかし、例えば、適切なフォームでのウォーキングを、1週間に1回よりも、2回あるいは3回することの方が、身体の調子が良くなるように、鍼やお灸、マッサージを1週間に、2~3回行うと、症状の重い方の身体の改善が見込まれます
尚、ウォーキングを始めるにあたって注意すべき点は、歩き始めて、膝や腰、足首などの身体の異常を感じるようであるならば、直ちに歩行を中止してください。
身体の骨格、歩行のフォームなどが、適正な位置あるいは動作が行われていないために、身体に異常を伴っている可能性があります。
いくらウォーキングが身体に良いと言っても、身体を悪くするようなことがあれば、本末転倒です。
歩行時に異常があれば、医師による精密検査後、ご自身に合った障害の治療を、選択しなければなりません。
※ウォーキングについての注意点は、後日、ブログで述べさせて頂く予定です。

 

また、鍼灸治療の場合、『神経痛、リウマチ、頚腕症候群、五十肩、腰痛症、頚椎捻挫』の6疾患で、医師の同意書が受けられれば、保険の適用が受けられます。

但し、全ての鍼灸治療院で、保険を取り扱っているわけではありませんので、治療を受けようと考えている治療院に、問い合わせが必要になります。
また、同じ病名での病院の治療と鍼灸の治療の併用は、認められていませんので、複数の症状をお持ちの方は、病院の処方の薬と鍼灸治療をうまく使い分けすると、より症状の軽減が高まります。
当ブログの前半で述べたように、病院での治療や薬は、現症状の改善に作用し、東洋医学の鍼やお灸、マッサージの作用は、本来、人が持ち合わせている修復力、回復力を高めるものなので、この2つの治療法をバランスよく用いることで、身体の回復が見込まれます。
更に、入退院を不定期に繰り返す方が、鍼灸治療を、1週間に2~3回行うことで、不快な症状の軽減で、入退院の回数が減り、医療費の削減につながる場合もあります。
この場合、一番不快な症状を軽減することで、病院で処方されている薬の効果が、より高まったのではないかと、推測しています。
最も一番効果を実感できるのは、患者様の一番不快な症状を軽減することで、QOL(生活の質)が向上でき、介護や看護、看病する側の負担が軽減されます。

故に、より良いQOLを実現するために大切なことは、『介護、看護、看病する側の心のゆとり』を作ることであると確信しています。