慢性疾患の場合、『免疫』、『ホルモン』、『自律神経』の3要素の影響を受けています。
そして、男性には月経というものが存在しないので、アレルギー疾患を除いて、男性よりも女性の方が、上記の3要素の影響を大いに受ける傾向にあります。
一般に、前回のブログ『「鍼(はり)」や「お灸」は効くの?≪現代医学と鍼灸の治療目的の違い≫』で述べたように、
現代医学は、臓器・器官・組織など『物理的なモノに変化を与える』治療であり、
鍼灸は、臓器・器官・組織などの『働き(動き)に変化を与える』治療
と考えます。
また、患者様により、『鍼灸(東洋医学)の治療が、現代医学の各々の疾患に対して効果があるのか?』を調べる場合は、『病名』で調べるのではなく、『症状』で調べると良い結果が得られると思います。
というのは、東洋医学は、数千年に及ぶ情報の蓄積なので、現代医学の『病名』には対応しておりません。
しかし、『症状』であれば、現代医学も東洋医学も共通に用いられていますので、現代医学で効果がなかなか出ない疾患も、東洋医学(鍼灸治療)で症状が改善でき、希望が持てるモノもあります。
さて、『腎虚』とは、何かと述べる前に、『腎』のご説明をいたします。
『腎』とは、五臓(肝・心・脾・肺・腎)六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)の五臓の一つになります。
前回のブログでも述べたように、五臓六腑は、臓器そのモノを指しているのではなく、『働き(機能)』を指しています。
『腎』とは、生命力、生殖器、泌尿器などに関わる働きです。
そして、『腎虚』とは、『「腎」の機能』が低下した状態をいいます。
現代医学の慢性的疾患は、この『腎虚』という症状が出る傾向にあります。
また、ツボの流れに『経絡』というものがあり、この中に『腎経』があり、そのツボの流れは、
足の裏⇒下肢の内側⇒腰⇒腹部(へその両側)⇒喉元(鎖骨付近)
といった足裏から身体の中心を上って喉元に走行します。
『腎虚』の症状を長く患っている方は、上記の『腎経』の走行でもある『腹部の皮膚の色』が黒ずんでいる傾向にあります。