夏の終わり頃から、痛みやだるさが出てくる理由

9月に入り、次第に気温は下がりつつありますが、まだまだ日中は、日差しが強い時期です。
8月までは、一日を通して、気温が高く、体感では、暑さを強く感じ、あるいは、身体の体表が温かいことで、血行が良いということもあり、痛みを感じにくい状態です。
人間は、体感で一番不快に感じることを実感します。一番感じたことが解消されれば、二番目に感じることが、一番に繰り上がります。
上記の点から、これからの時期は、暑さが解消されるに従って、身体の異常(痛みなど)を持っている方は、次に不快に感じることが、優位になってきます。
一日中、暑さが続く夏の時期は、水分を多く摂っても、常に汗をかく環境のため、水分が排出されます。
しかし、これからの気温は、日中は暑く、朝晩は涼しくなりますので、夏真っ盛りの時のように水分を必要以上に多く摂ってしまうと、日中は汗を多くかきますが、朝晩の涼しい環境では、多くの汗は排出されなくなります。
そして、このような生活を続くて行くことで、『身体のだるさ』あるいは『むくみ』などの症状が、出始め、あるいは増悪します。
また、日頃から冷え性と感じている方は、この時期に、『むくみ』を解消する手段を取らないと、冷え性が更に増悪することになります。
上記について、東洋医学では、津液(※現代医学の、体液、リンパ液、汗、つばなどの水分に相当)のバランスの異常と考えます。
また、高温の室外と冷房による室内の温度差、あるいは、これからに時期の昼間と夜間の気温の格差により、体温調整を行う『自律神経』の異常も生じます。
現代医学では、『自律神経』の『交感神経』と『副交感神経』のバランスがとれていることが、正常と考えます。
一方、東洋医学では、現代医学の自律神経に相当するものとして、『陰陽』のバランスがとれていることが、健康な状態になります
※『陰陽』については、当院ブログ『現代医学と東洋医学の大きな違い』をご覧ください。
更に話を掘り下げると、『気』、『血(けつ)』、『津液(しんえき)』のバランスがとれていることが、健康と考えます。
※『気』についてのご説明は、当院ブログ『『気』とは?』と『生命力を上げる。いわゆるアンチエイジング!』をご覧ください。
『血(けつ)』とは、現代医学の『血液』に相当し、栄養豊富な液体です。
『津液(しんえき)』とは、『血』以外の身体に必要な液体を指します。
具体的には、現代医学に相当するものとして、体液、リンパ液、つば、よだれ、鼻水、痰、水分、涙などです。
実際に津液が影響する例としては、喉が乾燥すると痛くなる、皮膚がカサカサになり痒みが出る、水分が多くなるとむくみが出て重だるさや重痛が出る、目が乾燥すると痒みや痛みが出るなどの症状があげられます。

よって、これら『気』、『血』、『津液』を、身体の中で、バランスよく働かせることが、身体を正常に保たせることになります。

東洋医学の鍼灸治療や漢方などは、これらのことを踏まえて、身体の改善を促す治療方法になります。
大まかな視点で述べますと、
現代医学は、病気の原因に対する治療方法で、病気が発症した時点『点』であり、
一方、東洋医学は、健康な状態から病気が発症した時点までの経過『線』であり、健康な方向に導く治療になります。
上記の『点』と『線』について、経理(簿記)の視点から、『お小遣い』を例にしてご説明すると、
現代医学の治療方法は、病気が発症した時点(お小遣いのお金が無くなってしまったという問題)に対して、薬や外科治療を加える(お金を更に追加する)ことで問題を解消させることになります。つまり、病気が発症した時点(財政状態を示す「貸借対照表」)の改善になります
一方、東洋医学の治療方法は、健康から病気になってしまった経過(どのようにしてお金が無くなったのか?)という問題に対して、生活改善や免疫向上などにより治癒力の向上(無駄なものの購入や費用を節約する)を促すことで問題を解消させます。つまり、病気が発症した出来事の経緯(経営成績を示す「損益計算書」)の改善になります。
従って、東洋医学は、病気自体を改善するというよりも、健康な状態に向かわせる力(免疫力などの治癒力)を高める治療方法と考えて頂くと良いと考えます。
そして、現代医学を主に取り入れている病院の治療とは異なり、病気になってから治療を行なうのではなく、病気になる前から、東洋医学では治療を行なうと、症状の軽減が見込めます。

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