五臓六腑の中の『心』の働き①周辺環境の見直し

東洋医学の臓腑学説の中に、五臓六腑があります。
その五臓(肝・心・脾・肺・腎)の中の『心(しん)』の働きには、
①全身に血(けつ)を循環させる役目
②意識や思考を主る
があります。
つまり、『心』の働きに変調が生じると
◇顔色や唇の色が悪くなる
◇大量の汗をかく
◇意識を制御できなくなる
◇精神が休まらず、不眠を生じる
◇動機や胸痛、不整脈を生じる
などの症状が出てきます。
現在、新型コロナウィルスの影響で、生活に大きな困難などを及ぼし、精神的なストレスが増大しつつあります。
このような、ストレスを継続的に感じますと、病気が生じてしまいます。

 

ちょっと内容はそれますが、映画「いなくなれ 群青」にて、主人公の男子高校生が、中学生の時に、引っ越しをする少女に対して、再会を約束するこのような一場面があります。
「少年は、なぜか微笑んでしまった。
そして、少女は、その微笑んだ理由を教えてくれない少年に「今度また会った時はその理由を聞かせて」と言い、二人は約束した。」

 

 

映画の本編とは関係のない、ある光景です。
少年は、小学1年生になって転入して来た少女とは、長年ずっと同じクラスでした。
しかし、少年は、少女あるいはその周囲の人に対して、時々迷惑を掛けるような好ましくない行動をとっていました。
中学生になり、ずっと同じクラスでいつも近くに存在感があった少女とは、別々のクラスになった時、彼女が、少年にとって、とっても大切な存在になっていたことに少年は気付きました。
少年は、彼女に対して、未熟で不甲斐ない己の行動を与えないため、あるいは彼女の進路の妨げにならないように、彼女との関わりを断ち切ることで、・・・。
そして、彼女には強い思いは伝えず・・・。
あれから40年・・・・

 

 

映画の話に戻りますが、主人公の男子高校生が、過去の別れの時に微笑んだ理由は、
まっすぐな性格の彼女の妨げにならないように、彼自身を遠ざける事での安心感。
しかし、その時の彼の行動が正しいかどうかは、一概には言えないかと・・・。
視点を変えると、正しくもあり、あるいは間違いなのかも・・・。

 

 

また、映画の中では、階段を上る光景があります。
階段は人生に例えられます。
階段を上る時は、正面を見て上ります。階段しか見えません。
しかし、立ち止まって周辺を眺めると、上る前よりもより広く、世界が見渡せるようになります。

 

現在、新型コロナウイルスで、患者さんを含め、業界内でも、休診すべきかどうか迷っている方々が大勢います。
「以前から健康に良いとされていたものが、今は間違い」あるいは「以前行なっていた治療は、今は良くない」と言った事例は、かなりあります。
この世には、必ずしも、正しいかあるいは間違っているか、分からないものはたくさんあります。
このご時世、ハッキリしていることは、『感染を拡大させない!感染しない!』ということです。
今、感染のリスクを下げると思われる方法が、将来、正しいかったと思えるかどうかはわかりません。
しかし、今は、信じて行うことが、最善だと思います。
◇仕事を休む。
◇お店を休業する。
◇人を遠ざける  など。
それが正しいかどうかは、一度立ち止まって、そして振り返ってみるとよいと思います。

 

尚、映画「いなくなれ 群青」のタイトルは、まっすぐな性格の少女への応援を込めた言葉なのかもしれません。

 

東洋医学では、病気の原因(病因)は、大きく3つの原因(内因・外因・不内外因)から生じると考えます。
今回の新型コロナの影響は、『不内外因』の環境汚染にあたり、感染であれば直接的、感染などへの不安であれば間接的要因になります。
そして、この間接的要因の不安の増大が、『内因』を誘発させ、更に症状を悪化させます。
従って、これらの要因で、五臓六腑の『心』働きの低下を加速させることとなります
以上のようにならないため、臓腑学説の『心』の働きを良くするには、ちょっと立ち止まって、周辺の状況を把握できる環境づくりで、解決へ導き、ストレスの解消につなげることです。

 

今回のブログでは、現在の「新型コロナウイルス感染予防対策」の『感染させない!』にあたります。
「新型コロナウイルス感染予防対策」の『感染しない!』『発症しない』についてついては、前回ブログ『鍼灸(東洋医学)の視点からの『新コロナウイルス』への対応策②』をご覧下さい。

 

 

次回のブログ『五臓六腑の中の『心』の働き②内面の変化から回復へ』へ続く

 

 

 

 

 

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