東洋医学の古書『黄帝内経』には、『女性は7の倍数』、『男性は8の倍数』の年齢に、身体の変化が起こりやすいという内容が、記載されています。
神社での行事である『厄払い』や『お祝い祈願』などは、東洋医学の考えから来ていると言われ、男女それぞれの身体の変化が生じる年齢の時期に当たります。
現代医学に置き換えると、身体の成長の変化である、『生殖器』、『泌尿器』、『内分泌系(ホルモン)』、『骨や髪』などの変化を著しく受ける年齢になります。
上記に関しては、東洋医学では、五臓六腑の『腎』に特に関わってきます。
東洋医学の『腎』とは、現代医学の『腎臓』という臓器そのものを指しているわけではなく、生命力に関わる(生殖、泌尿、ホルモンの働き、骨などの骨格作りなど)機能や働きを指しています。
そして、五臓六腑の『腎』の働きを促進させる1つとして、『腎気を上げる』ことです。
※『腎気』の『気』については、当院ブログ『冷え性の改善の道(東洋医学編)』を閲覧願います。
『気』とは、エネルギーや熱などに置き換えられます。
『気』を簡単にわかりやすくご説明すると、下記のようになります。尚、( )内の単語は、身体の部分の名称です。
自動車(人間)は、エネルギーの原料であるガソリン(血液)を、エンジン内部(身体の細胞内のミトコンドリア)で、ガソリンを気化して(血液で送られた酸素)を燃焼させ、熱を発生させて自動車(体内の臓器や組織)を動かします。
つまり、『気(腎気)』を上げることで、身体の働きが活性化し、生命力を上げ、健康な状態に向かうことが出来るのです。
『生命力を上げる』とは、治癒力を上げることで、現代医学の『ホルモン系』、『自律神経系』、『免疫系』のバランスを整える生活を行うことです。
しかし、社会生活を送る上で、人間関係や仕事などの影響を受け、なかなか養生出来ない方は、大勢いらっしゃいます。
基本的に、ヒトは『心地よい』、『気持ちいい』、『楽しい』などの感情を受ける行動や生活を行うことで、自律神経へ刺激を与え、内臓の働きを促進させて、治癒力が増します。
ご自身では、上記のような治癒力(内分泌(ホルモン)系・自律神経系・免疫系)を増す生活を送ることが出来ないのであれば、下記の外部の機関をご利用することが不可欠になります。
【症状改善】⇒悪いものを浄化や除去する『病院(現代医学)の治療』、本来本人が持ち合わせている治癒力の向上『はり(鍼)』、『お灸』、『マッサージ』、『漢方』などの『東洋医学の治療』
【養生促進】⇒ヨガやトレーニングジムなど適度な運動、精神を落ち着かせる趣味や生活、喫煙や飲酒の調整、睡眠などの適度の休息時間など
東洋医学では、五臓六腑の『腎』の働きは、生まれてから次第に減少すると考えます。
従って、内分泌系のホルモンの変化などを考慮すると、少なくとも、女性は30歳代半ばから、男性は40歳半ばから、上記の『症状改善』や『養生促進』の生活を取り入れて、健康な生活が送れる努力が必要と考えます。
治療後の患者様の身体への負担(重だるさやめまいなど)が強く出る方は、身体を治すために必要なエネルギーをより多く必要とするので、症状が重い方に出やすい傾向にあります。
治療を重ねる、あるいは、身体を修復する体力が残っている症状が強くなる前の状態で施術を行うことにより、治療後の身体への負担が軽減されます。
特に、既に慢性化している症状や身体の変化が現れている方、あるいは美容や健康を意識している方には、上記のような身体の内面からのアプローチによる『症状改善』、『養生促進』は、かなり有効な対応と思います。
尚、病院(現代医学)の治療を受けるタイミングは、『症状が発症した後』が基本ですが、東洋医学(はり(鍼)・お灸・マッサージ・漢方)は、症状が出る前でも効果を発揮することが出来ます。