老廃物とは?

 近年、病気や健康に関して『老廃物』という言葉が、よく用いられています。

 では、『老廃物とは、どのようなものなのか?』というと、体内で作られた不要代謝産物になります。いわゆる、工場で製品が作られて不要になった残り粕(カス)、あるいは、火が良く燃えない時に発生する煙や一酸化炭素などの不完全燃焼物に相当するものが、『体内の不要代謝産物』になります。

 これら代謝産物(尿酸、二酸化炭素、尿素、アンモニアなど)は、呼吸、発汗、排尿、排便などによって、体外に排泄されます。しかし、これらの物質が、体内に適切に排泄させないと、『むくみ』や『痛み』など、身体に異常をきたす原因になります。

 このように、身体の不要代謝産物を発生させない、あるいは適切に不要代謝産物を排泄させる身体に調節(生活改善など)することが大切になります。

 ところで、鍼灸業界では、『気の流れ』や『気の滞り』など、現代人にはあまり理解できない言葉を良く口にします。『気』を理解していない方々にいきなり、『気の話』をすると、宗教的な感じを与え、あるいは不信感を与える原因になり、昨今、鍼灸治療が普及しない原因の一つと考えられます。

 現代医学にインフォームドコンセントと言う言葉があるように、鍼灸治療家の方々も、一般の人々にもご理解できる言葉を使うべきであり、治療効果にも影響されると考えます。

 前述の不要代謝産物の話に戻りますが、この『代謝産物』が東洋医学では、『気』に相当します。『気』については、当院のブログ『気とは?』をご覧下さい

 『気』は、現代医学での血液から造られます。解かりやすくご説明すると、血液の中には『酸素』と『二酸化炭素』が溶け込んでいて、肺で取り込まれる酸素は『身体に良い気(代謝物)』、肺から排出する二酸化炭素は『身体に悪い気(不要代謝産物)』になります。

 この不要代謝産物の滞りが、東洋医学での『気の滞り』に相当し、血液やリンパ液の流れ、身体の中の臓器の働きの抑制などを招きます。

 鍼灸治療では、このような不要代謝産物を、鍼(ハリ)やお灸で、血管を拡張させたり、痛みや熱さを脳など身体に刺激を与え、自律神経(交感神経・副交感神経)に作用して、身体の治癒力を高め、身体を改善させます。

 

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