施術後の倦怠感

 鍼灸治療を行なっていると、患者さまによって異なりますが、治療1~数日後に、倦怠感を受けることがあります。

 東洋医学には、この倦怠感には、大きく下記の2つの考えがあります。

   ①オーバードーゼという過度の刺激による倦怠感

   ②瞑眩(めいげん)反応あるいは好転反応による倦怠感

 ①の原因は、施術のやりすぎになります。マッサージなどで必要以上の圧力や力が加わることで、筋肉などの身体に負担が掛かり、倦怠感が生じます。

 ②の原因は、身体が修復する、あるいは改善するために、身体の治癒力が高まることで、身体に変化が生じることによる倦怠感です。

 はり()やお灸の治療は、身体の痛覚・温度覚・触圧覚などを経て、神経に刺激を与え、運動神経や自律神経を用いて、現代医学でいう自然治癒力(自律神経系・内分泌(ホルモン)系・免疫系)を高めます。この時に、身体の変化により倦怠感が生じことがあります

 実際に、身体の病位(病気の深さ)が重い方、長く患っている方などは、少なからず倦怠感を生じる傾向にあります。

 ②の倦怠感のメカニズムは、解かりやすくご説明すると、下記の条件が関わっていると考えます。

   ◇身体を治す力であるエネルギーは、患者さま自身が持っている体内の栄養を基に、作り出され、利用される

   ◇長く病気を患っている方や消化器系を患っている方などは、身体を修復するエネルギーが乏しい

      ※東洋医学でいう腎虚、血虚、脾虚など根本に虚証を持っている方が、倦怠感を受ける傾向にあります。

 鍼灸治療での倦怠感を無くす方法としては、治療回数を増やし、刺激量を減らすことで改善できますが、患者様の経済面、仕事や生活面などによる治療時間の制約などの観点から、実際には、少ない回数による治療効果が優先されます。

 しかし、鍼灸治療を重ね、症状が改善されるに連れて、倦怠感も減少していきます。身体の修復に費やす体内エネルギーが減少する為と考えます。

 当院では、できる限り倦怠感が出ない、あるいは抑える努力をいたしております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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