現代医学(西洋医学)では、ばね指(弾撥(だんぱつ)指)は、指を曲げる腱(屈筋腱)とその屈筋腱の浮き上がりを押さえる靱帯性腱鞘(けんしょう)の間で炎症が生じることで、さらに症状の悪化に伴い、この靱帯性腱鞘が肥大し、通過障害を起こす状態です。
病院での治療法は、保存的治療と手術療法になります。
ばね指(弾撥指)の動作により症状が悪化すると、指を曲げたり、あるいは伸ばす時に痛みが生じます。
ところで、東洋医学では、不通則痛(痛ぜざればすなわち痛む)という言葉があります。
この意味は、身体が正常な時は、身体の中では、血液などがスムーズに循環されていますが、身体の循環が悪くなることで、血液などが滞り、その結果『痛み』が発生するという考えです。
従って、身体の循環を良くすれば、『痛み』が改善されることになります。
さて、ばね指(弾撥指)の症状で、
・起床時に、指の曲げる時あるいは伸ばす時に痛みがある
・指の動作開始時痛みが生じるが、動き続けると次第に症状が緩和される
・お風呂に入って患部を温めると、症状が緩和される
といった方であれば、鍼灸治療で改善の見込みがあります。但し、症状が出始めてから遅くなるほど、治りにくくなり、あるいは完治に時間が掛かります。
当院でのばね指(弾撥指)の治療は、主に肩、腕、手の血流の改善と、症状の原因とされる日常生活指導及び自宅での改善方法を行ないます。
一般に、鍼灸治療では、治療開始が早ければ早いほど、症状が早く改善でき、あるいは治療期間が短縮されます。
まずは、病気になった時は、『急を要する重篤(じゅうとく)な病気』の判断として病院の受診することが賢明です。病院の診察結果、急を要しなければ、ご本人が納得される病院の治療あるいは病院以外の治療法をじっくり選択されれば良いと思います。
何よりも、『痛み』や『しびれ』などが身体に生じた場合は、『身体に異常が発生していますよ!』との身体からの信号です。
『痛み』をガマンするよりは、まず第一に身体の改善を考えるのが得策でしょう。