現代医学(西洋医学)での痒みの原因は、
・肥満細胞から分泌されるヒスタミンの影響
・皮膚の乾燥による表皮の水分や皮脂のバリア機能の低下による知覚過敏
などがあげられます。
最近では、痒みの原因の一つには、自律神経の影響も受けていると言われています。
東洋医学では、病気の原因は、
①内因(内傷) ⇒ 過度の感情(七情/怒・喜・思・憂・悲・恐・驚)
②外因(外感) ⇒ 自然界の気候の変化(六淫/風・寒・暑・湿・燥・火)
③不内外因 ⇒ 飲食(量の過不足・質の偏り)・労倦(労働・休養・房事)・外傷・瘀血・痰濁
の大きく3つの条件があげられます。
現代医学(西洋医学)においては、動物実験などを含めて薬剤が開発されている為なのか、①内因(過度の感情)や②外因(過度の気候変動)は、一般には、治療として重視されていません。しかし、最近では、脳神経・脳科学などの研究発展により、内臓の調整に非常に関わる自律神経などの影響(『こころ』の変化など)を考慮するようになって来ています。
また、東洋医学では、臓腑弁証という治療方針の考えから、五臓(肝・心・脾・肺・腎)六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)などが調和することで、心身が健康状態であり、この調和が崩れることが病気の発症する原因の一つであると考えます。
鍼灸では、四診(望診・聞診・問診・切診)などの診断方法用いて患者様の身体の状態の情報を集め、①~③と臓腑弁証などの診断方法の考えから治療方針を導き出し、施術を行ないます。
自宅での症状の緩和や慢性の痒みの場合は、上記の考えから、下記の予防(生活改善)が考えられます。
◇飲食の管理
(辛い、甘い食べ物の摂取により、『脾』の機能失調により、体内に熱がこもる為に痒みが発生)
◇イライラやストレスなど状況を減らす
(上記の原因で、気・血・津液が侵され、『肝』や『心』などに臓腑機能の失調が発生)
≪注釈≫ 『気』・『血』・『津液』とは、身体の臓腑及び組織などを動かす為の血液やリンパ液などのエネルギーです。
◇その他
どのような病にも、必ず原因があり、結果として『病』が発生します。
病気が慢性化しない、あるいは、病気が重くならないように、日頃から、カラダのケアを考え、生活改善を行なうことが大切になります。