一般の人には、身体の不調を元に戻す能力『自然治癒力』が備わっています。
また、性別、年齢、生活習慣で、身体に受ける感覚が、人それぞれで異なっています。
鍼灸治療を受ける患者さんの治療タイミングには、下記のように大きく2つに分かれます。
①症状が重くなり、我慢できない状態になって、治療を受ける方
②症状が比較的軽く(安静時に不調の症状がない)、あるいは苦痛が起きる前に、治療を受ける方
そして、上記①、②の詳細は、
①の傾向には、体力に自信がある方、月経周期の苦痛を経験することがない男性、比較的若い方、自分に合った治療法が見つからないために長期間患っている方、身体を治すことよりも生活や仕事などを優先している方など
②の傾向には、女性、長期にわたって病気を患っている方あるいは患った経験を持った方、体力に自信がない方など
大まかに、大きく2つに分類できます。
いわゆる、
①は、現代医学的治療タイミング型
②は、予防医学的タイミング型
といったところです。
ところで、現代医学では、病気の基準は、検査等を行って、ある一定の状態に悪化した状態を病気を考えます。
しかし、東洋医学では、病気の基準は、『健康の時点(特に悪いところはないと感じる状態)』から身体の不調を感じ始めたころからを示します。
すなわち、現代医学の病気になる手前の状態も、東洋医学では、病気と考えます。
従って、東洋医学を活用すると、いわゆる現代医学での病気の手前で未然に病気を軽減したりや防ぐことができます。
話は戻りますが、上記①と②を更に比較すると、下記の通りの特徴があります。
①苦痛や不調などの増大により、回復力(自然治癒力:自律神経系+免疫系+ホルモン系)が落ちて、身体の回復の遅延が発生する。
⇒結果的に◆回復に時間が掛かる◆仕事や生活に支障が生じる
②定期的治療の時間を要するが、月経痛などホルモン系や自律神経系を原因とする症状などの慢性的症状に対する軽減、及び苦痛や症状が短期的に軽減・解消ができる。
⇒◆回復力・自然治癒力が①よりも②の方が高いため、より快適な生活が送れる
結論として、自分自身の身体に対する健康への意識、あるいは身体の変調への改善・回復を、どの時点で行動に移すかということが、大変重要になります。
単に、『病気や症状を軽減・改善』を目的であるならば
⇒①の現代医学的治療タイミング型(痛みや不調が出てからの対症治療)
『健康や美容など身体全体の免疫・代謝向上(元気になりたい!)』を目的ならば
⇒②の予防的治療タイミング型(痛みや不調が出る前の予防治療)
になります。