次第に、暑さが高まりつつあります。
冷え性の方々には、冬場とはまた違った辛い季節になってきました。
『冷え性の方』の真夏のエアコン(冷房)による『冷え性』対策は、冷えを強く感じて本格的に行いますが、実は、今の時期から行わないと、『冷房』の影響を強く受けてから予防を行なっても、なかなか改善しにくいです。
というのは、『慢性の冷え性』に悩まされている方は、体温調整の機能が一般の方よりかなり低下した状態で、尚且つ、エアコンなどの外部からの『強い冷気』を上回る回復能力(自然治癒力)がないために、『冷え性の改善』が期待できません。
以上のことにより、『冷え性』を強く感じる前から、治療や予防の対処が必要になるわけです。
冬場の『冷え』は、外出する際は、重ね着など着込むことで、身体全体を冷えから守ることが出来ました。
しかし、初夏から夏に向けての冷房による『冷え』は、下記の点で大きな違いがあります。
☃冬⇒室内≪暖≫・屋外≪冷≫
☀夏⇒室内≪冷≫・屋外≪暑≫
人それぞれで、温度の感じ方は異なっています。
冬の場合は、寒さに対しては、暑がりの方も、『冷え性』の方と同様に、適度の暖かさを好みます。
しかし、夏の季節において、暑がりの方は、『冷え性』の方よりも、非常に強い『冷え』を好みます。
そして、暑がりの方は、更に、室内の温度を下げて、『冷え性の方の症状』を悪化させます。
この様に、集団生活を送る中では、『冷え性』の方が、夏場に人それぞれで感じる温度の格差により、『冷え』に悩まされます。
では、東洋医学の『陰陽学説』と病気の原因とする病因の『外因』を基に、現代医学も取り入れてご説明致します。
『陰陽学説』とは、簡単に言うと、相反するモノがお互いに調和することになります。
『陰陽学説』では、『暑い(温める)』は『陽』、『寒い(冷やす)』は『陰』に分類し、『陰』と『陽』のバランスが取れている状態を『平』とします。
また、この『平』の状態を、人間の身体が良好にバランスが取れている状態であると考えます。
ところで、これら(『暑い(温める)』と『寒い』(冷やす))は、反対の性質を持ちますが、身体が『暑い(陽)』と感じると、身体を『冷やす(陰)』ために汗をかき、身体を冷やす機能が働きます。
すなわち、『陽』という性質の『暑さ』が強まることを、一定の状態(『平』)に抑制させるために、『汗をかく』という動作を行い、『冷やす』という『陰』の作用を強めることで、健康状態を保とう(『平』)とします。
この様に、『陽(温める)』と『陰(冷やす)』は相反性質ですが、お互いを強弱することでバランスを保ち、身体を『陰陽の作用』で維持しています。
現代医学では、このようなことを『ホメオスタシス(恒常性)』と呼び、上記のような体温調整を行うのが、『自律神経(交感神経・副交感神経)』などになります。
ちなみに、『汗』は陰陽学説では『陰』に属します。
つまり、上記の仕組みで示したように、夏の『冷房による冷え』と冬の『外気温による冷え』の対策は、『外因』である『冷え』を解消することであり、東洋医学では『陰陽のバランス』、現代医学では『自律神経』を、上手く調整することが、『冷え性』の改善になります。
特に、夏の冷房による冷えは、冬場の冷えに加えて、室内と屋外の気温の格差が増大し、『自律神経』を大きく乱し、色々な症状を発症させます。
更に、湿度の高い梅雨の冷房も、『慢性の冷え性』の増悪し、『自律神経の乱れ』や『むくみ』を促進させてしまいます。