美容と健康に携わる裏方の重要な役目、靱帯!

 東洋医学では、健康とは、『陰陽・五行論』などの考えで、『五臓六腑』や『気血津液(≒現代医学では、血液や体液になど)』などのバランスが調和している状態です。

 しかし、人は、生活を送ることで、周囲の環境や身体の衰えの影響より、さまざまな身体の異常が発生します。いわゆる、東洋医学では、『陰陽気血のバランス』が失調した悪化状態です。

 鍼灸では、『五行論』において、美容と健康に関する皮膚や筋肉に関わる主な五臓は、『肝・脾・腎』です。端的に述べるなら、栄養吸収には『脾』、血流に関しては『肝』、潤いには『腎』が関わってきます。

 下記の様に、現代医学の『解剖・生理』を用いて、東洋医学の考えと比較すると、解釈しやすいかも知れません。

 私たちの身体には、骨を中心に筋肉や皮膚などがあることで、人間という生物として立体的に維持されています。

 この身体の形成に必要不可欠なものとして、『靱帯』があります。

 『靱帯』は、「骨と骨」や「身体の組織(皮膚)」などをつなぐ役目を持っています。この『靱帯』が損傷又は劣化すると、身体を一定の体形や健康を損ねるまたはたるみの原因になります。

 巷(ちまた)で色々な病気の原因で挙げられる『歪(ゆが)み』や、美容の面では皮膚やバスト(乳房)などの体形の維持に、『靱帯』が大きく関係しています。

 『靱帯』は、強靭な繊維性結合組織(細胞の集まり)で、主にタンパク質で形成され、栄養血管が極めて乏しく、損傷すると再生は困難で、運動機能障害や体形を崩す原因になります。

 繊維性結合組織は、『密性結合組織』と『粗性結合組織』に分けられます。

    ◇密性結合組織 ⇒ 靱帯や腱を形成します。

    ◇粗性結合組織 ⇒ 器官や上皮を保持します。

 また、これら2つの違いは、3つの成分『膠原繊維』・『細網繊維』・『弾性繊維』の比重によります。

    ▽膠原繊維

        主成分 ⇒ コラーゲンタンパク

        太さ ⇒ 2~12μm

        特徴 ⇒ 引っ張る力に対して強い力を発揮します。

    ▽細網繊維

        主成分 ⇒ 膠原繊維と同じ

        特徴 ⇒ リンパ器官(胸腺、リンパ節、脾臓、骨髄など)に存在

    ▽弾性繊維

        主成分 ⇒ エラスチン(タンパク質) ※減少により『シワ』の原因になります。

        太さ ⇒ 0.2~1μm

        特徴 ⇒ ゴムのように弾性力に富む繊維で、引っ張ると2倍ほど伸びます

            ※皮膚や腱、靱帯、血管壁など伸縮性の必要な器官に多く含まれています。

 では、実際、身体で機能している『靱帯』は、下記の身体の部分で使われています。

    ◇大きな運動器(膝・肘・肩など)の関節部位

        ⇒ 骨と骨を結合し、一定の運動を制限します。

    ◇小さな運動器(目など)の部位 

        ⇒ 筋肉や腱などを結合します。       

    ◇骨盤腔

        ⇒ 鼡径靱帯などにより、下腹部の内臓や器官などの保護や体形維持を行なっています。

    ◇皮膚

        ⇒ 膠原繊維(コラーゲン)を弾性繊維(エラスチン)で束ねて、皮膚の弾力を保たせています

    ◇バスト(乳房) 

        ⇒ 大胸筋、クーパー靱帯、皮膚で支持されています。

 美容面では、『皮膚の弾力性』に大きく関わるのが、弾性繊維の主成分『エラスチン』というタンパク質です。

 エラスチンなどのタンパク質は、睡眠中に再生するといわれてますので、睡眠不足や夜更かしは、皮膚の劣化(皮膚の潤い)に大きく影響を及ぼします。(※東洋医学では、生活などの不摂生は、病気の原因の不内外因に位置づけられます。)

 『靱帯』は、バランスの良い食事を摂り【脾】適度のストレッチ温熱により血行を良くし【肝】栄養を与え【肝・腎】、『靱帯』が伸びすぎないように、身体に充分合った器具服装などで補強し、規則正しい生活【不内外因の改善】が大切です。

 

医療の視点からの脳に対する香りの効果

 私たちの周りでは、食欲増進を目的にスパイスなどを用いて調理したり、身体をリラックスさせるために香りを用いる習慣が取り入れられています。

 また、宗教的な儀式では、お香などが頻繁に用いられています。

 

 歴史上で香りにおいて、古代エジプトでは、クレオパトラが男性を虜にする目的の一つとして香りを用い、近世ヨーロッパでは、当時フランスでは入浴する習慣がなく、ベルサイユ宮殿内の体臭などの軽減に、バラなどの香りを取り入れたといわれています。

 

 臭いのメカニズムについては、以下の通りです。

  ① 気化した臭いの分子を、鼻の中の上部の粘膜『嗅細胞』で感知します。

  ② 感知した臭いの電気信号は、脳神経の嗅神経(感覚神経)を通って、大脳の側頭葉内側の『鉤(こう)』に伝えられます。

  ③ 『臭い』は、『視床』(感覚情報の中継・運動機能調節の補助)を経由しません。

      ※ 痛み、熱さ、冷たさなどの感覚情報は、『視床』を経由して大脳に伝えられます。

     『視床』を経由しない理由としては、動物が生き残るために、即座に危険を脳に伝え、身を守るためといわれています。

④ 臭いの記憶は、『海馬(短期記憶)』を通じて、『大脳』のあちこちに格納されます。

⑤ 頭部の中央に位置している『扁桃体』にも『臭いの記憶』は伝達されます。また、『扁桃体』は、情動と本能行動関わっていて、『視床下部』にも影響を与えます。 

      ※ 情動行動 ⇒ 逃避行動、攻撃行動、すくみ行動、表情の変化、血圧・心拍数・ホルモン分泌の変化、恐怖、怒り、喜びなど

               本能行動 ⇒ 摂食行動、飲水行動、性行動など

        視床下部 ⇒ 頭部の中央に位置し、自律神経(交感神経・副交感神経)・ホルモン分泌本能行動の調節に関わっています。

 

 では、医療的には、『香り』は、どのような効果があるでしょうか?

 東洋医学(中医学)では、『陰陽・五行学説』という考えがあり、身体の中の個々の機能が、均等にバランスが取れていることを健康とし、これに相当するものとして現代医学(西洋医学)では、『ホメオスタシス』と呼ばれる恒常性の維持の理論があります。

 この『ホメオスタシス』とは、脳などの中枢が体温や血液などの体内の環境を調整して、身体の中のバランスを取る機能のことです。

 この身体のバランスを調整している機能が、自律神経系(交感神経・副交感神経)内分泌系(ホルモンの分泌)です。自律神経は、あらゆる内臓の動きを調整し、ホルモンの分泌も同様に身体の維持に関わっています。

 しかし、この調整がうまく働かなくなると、頭痛、めまい、下痢、倦怠感などの身体の不調が現れてきます。

 

 現代医学では、生命に直接影響を及ぼさない疾患は、比較的軽視される傾向にあります。『自覚症状はあるんですが・・・・、病院の検査には異常がありません』というケースを時々耳にします。

 こういう場合の一つの原因として、体内環境の不均衡によるものと考えられます。

 

 自律神経系(交感神経・副交感神経)やホルモンバランスの治療は、発症から時間が経つほど、治りにくく、また生命に危険が及ばないことで、治療することが遅くなり、他の疾患を併発する傾向にあります。

 従って、自律神経系(交感神経・副交感神経)、内分泌系(ホルモン分泌)に対する治療は、比較的長期に渡ってしまいます。

 

 自律神経系、ホルモン系の治療には、東洋医学(はり・お灸・あん摩マッサージ・漢方など)は有効な方法です。

 また、『香り』を用いる方法は、脳へ刺激を与えて改善する疾患には、上記のメカニズム④または⑤から有効と考えられます。

 身体の体調に合った『香り』は、『健康増進』の一つのアイテムになります。

東洋医学の視点からのアンチエイジング

 アンチエイジングとは、加齢していくことを遅らせることを意味します。人間の身体は、年をとるごとに色々と変化し、肌の表面には、シワやシミが現れてきます。

 老化の原因のひとつには、『活性酸素』と言われています。『活性酸素』は、体内の細胞を酸化し破壊し、皮膚のたるみ、癌、動脈硬化などの原因を発生させます。

人間は、呼吸することで一定の『活性酸素』を発生させます。そのほかに、ストレス、紫外線、飲酒、喫煙などが原因でも『活性酸素』を発生させます。

では、東洋医学(中医学)の視点からは、どのように『アンチエイジング』を行なっていくのでしょうか。

『更年』という言葉があります。更年』とは、女は7年、男は8年という人生の周期の時期をいいます。約2千年前に中国で書かれた医学書、黄帝内径(こうていだいけい)に以下のことが掲載されています。

 『女性は7歳でエネルギーが充実しはじめ、14歳ごろに生理が始まり、妊娠可能になり、21歳で身体が充実してきて、28歳でもっとも盛んな時期をむかえ、35歳頃からだんだん下り坂になって48歳で閉経を迎えます。

 男性は、8歳でエネルギーが充実し、16歳で生殖能力をもち、24歳で身体が充実、32歳ごろに最も盛んな頃を迎え、40歳になると下り坂になって、48歳から56歳ごろに生殖能力、エネルギーの衰えが著しくなる』、という考え方です。

 古代と現代との生活環境は、大きく異なりますが、人体の成長の変化は、昔とは大きな差はありません。

 これらについて現代医学では、ホルモンの影響で変化する時期になります。

 約2千年昔に、このようなことが考えられ、数千年に及ぶ患者に接して診察・治療を行った情報を蓄積した学問が、東洋医学です。

 そして、東洋医学(はり・お灸・マッサージ・漢方等)の有用性について、世間で良く流行する単品ダイエットなどのほとんどは、短期的に活用されなくなりますが、数千年経った今でも『鍼(はり)』・『お灸』・『あん摩・マッサージ』・『漢方』が活用されるということは、歴史的視点からも、効果のある治療・予防・健康増進の手段として有効であることが、証明されていると思います。

 

 また、東洋医学(中医学)では、病気は、大きく分けて3つの原因から発症していると考えます。

  ①内因 ⇒ 過度の情志(怒・喜・思・憂・悲・驚・恐)

  ②外因 ⇒ 身体の周囲の環境(風・寒・暑・湿・燥・火)、ウィルス・細菌などの感染性や流行性のモノ

  ③不内外因 ⇒ 過度の生活環境(労働・心労・房事・休息・飲酒・食事・不眠)、外傷、偏食など

 『東洋医学的アンチエイジング』は、病気になる前(病院の検査・診断に該当しない状態)の『未病』の時に行なうことが、老化防止になります。

 

 以上のことを踏まえて、日常性での『東洋医学的アンチエイジング』は、次の事に注意を払うと良いです。

  ①より ⇒ 強いストレスを持たない、あるいはストレスを解消させる生活をする。

        例)身体に負担の掛からない程度の年代に合ったスポーツ・運動、気の合った人との会話、森林浴など。

  ②より ⇒ 周囲の環境に合わせて、周囲の気象条件から身体を守るあるいは予防の体調管理を行なう。

           ※若い時に比べ、身体が変化していることを認識し、その時の年齢に合った健康管理を行なう。

  ③より ⇒ 規則正しい生活、生活環境の見直しを定期的に行なう。

 

 このように、『アンチエイジング』は、日常的に特別なことをしなければ出来ないことではありません。

 仕事や生活、娯楽、スポーツなどに対する義務感や誘惑などを継続的に行なうことで、『自分では治癒できない』あるいは『身体を元の状態に戻しきれない』状態になった時は、外からの刺激による身体のケア(医療的治療・マッサージなど)が必要になります。これを怠ってしまうと、『老化』あるいは『病気の発症』に推移していきます。

  『飲酒』を例にあげて、東洋医学的に説明します。

  お酒を飲みますと、利尿作用が働き、喉が渇いていきます。喉が渇くことで、身体の水分が減ります。水分を欲するので、さらにお酒を飲みます。そして、次第に身体の内部に潤いがなくなり、消化器機能の低下により、五臓六腑の『胃』に熱がたまります。『胃熱』により、皮膚に吹き出物が出やすくなります。また、水分は喉の渇きは潤しますが、吸収した水分は、身体を冷さなければならないところには補充されず、重力の関係で下半身に溜まっていきます。あるいは、飲酒後、睡眠したあとは、顔にむくみが起きます。運動をしない生活を行なっていれば、水分(血液など)の循環が悪くなり、『むくみ』が起こります。手足の『むくみ』は、『冷え性』を生じさせます。

  このような『むくみ』の状態になった場合、鍼灸治療では、『清熱利湿』の治療を行ないます。さらに、当治療院では、生活指導も行ないます。

       ※ 『清熱』 ⇒ 体内の熱を冷ますこと。

       ※ 『利湿』 ⇒ 余分な水分を排出し、胃腸の調整を行い、体内の水分バランスを整えること。

  実際には、『むくみ』の原因は、上記以外の色々な条件を伴って発症します。治療方法も、人それぞれ体格も生活習慣も異なりますので、患者さんに対する治療法も各々変わります。

  体内のホルモンや内臓の調整には、自律神経(交感神経・副交感神経)が非常に関係しています。

鍼灸治療は、『神経(感覚神経・運動神経など)』への刺激より、自律神経などの調整に有効な治療法です。

 

これから寒い季節を迎え、より一層『冷え性』の方を悩ます時期になります。

『お灸』を体験したことがない方は、一度は『温灸』という心地よく温かい『お灸』を試されるとよいです。

温かいお灸『温灸』は、身体の内部を温めて、自律神経の副交感神経を高め、身体の内部の調整を行ない、慢性的な冷え症の改善には、有効な治療方法のひとつです。

日常生活における『心の病』に対する認識と東洋医学での治療方針

昭和初期以前の生活では、現在のような通信技術進歩による情報の拡大、機械の発達による医療技術の進歩の世界とは異なり、迷信や言い伝えなど、目に見えないものが、比較的人々に信じられ、伝えられていました。

 

現代では、目に見えない実体化されないもの、科学的証明できないもの、客観的データが取れないものは、日常生活では、なかなか人々には受け入れ難い世の中になっています。

 

医学界でも、西洋医学は客観的に見える情報を主体に、治療が行なわれますが、東洋医学では、『気』・『経絡』など、現代の科学では証明できないものを含めた思想で、患者さんの症状・生活状況などを考慮しながら治療にあたります。

 

また下記の医学界の時代背景の影響により、社会生活から東洋医学が、次第に認識されなくなった原因の一つでもあります。

 

   ◇      江戸時代まで、東洋医学(鍼灸・按摩・漢方医学)が主体。

         ↓

   ◇      江戸時代末期になると、蘭方医学(オランダ(西洋)医学)が次第に普及し始める。

       ※テレビドラマ『JIN-仁』の時代背景がこの頃になり、医学の大きな変化の兆しが出始める時代です。

         ↓

   ◇ 明治維新後、政府が西洋医学の導入を基本としたことで、明治中期まで東洋医学が衰退してゆく。

         ↓

   ◇ 明治末期に再び、東洋医学が普及し始める。

         ↓

   ◇      第二次大戦直後、日本はGHQの占領下に置かれ、鍼灸治療は、非科学的治療ということで、鍼灸は一時施術禁止になる。

         ↓

   ◇ 昭和22年「あん摩、はり、きゅう、柔道整復等営業法」が制定。

         ↓

   ◇ 昭和26年「あん摩師、はり師、きゅう師及び柔道整復師法」に改正し、現在に至る。

 

ところで、『心の病』は、数値として見えますか?

 

現代医学では、神経伝達物質や体内ホルモンの増減によって、『心の病』を証明していますが、日常生活では、このようなホルモンなどの物質は実際に目に見えるものではないので、『心の病』に理解のない医師、一般社会で『心の病』を経験したことがない方々は、『歳のせいですよ!』あるいは『気のせいですよ!』とおっしゃる場合があると思います。

 

また、病院の検査では何も異常がないという方は、『自律神経失調症』や『更年期障害』などの病名が付く傾向になります。

 

東洋医学では、『病』は、『内因』・『外因』・『不内外因』から起こることを基本として考えています。

 

したがって、病気の原因を探る為の問診では、患者さんの症状は勿論のこと、内因(七情)という過度の感情(怒・喜・思・憂・悲・恐・驚)などを考慮して、診察に当たります。

 

鍼灸を含め、東洋医学は、『心の病』において、症状の度合いにより治療期間は異なりますが、良い効果が得られる治療法です。

肩こり治療の効果

  肩とは一般に、首から腕の付け根までを言いますが、医療現場では、後頚部・肩甲骨周辺・首から腕の付け根付近を指します。

 特に『肩関節痛以外の肩こり』に影響を与えるのは、肩甲骨周辺の筋肉になります。

 ちなみに、肩周辺の筋肉には、下記のように数多くあります。

     僧帽筋・広背筋・小菱形筋・大菱形筋・肩甲挙筋・大胸筋・小胸筋・鎖骨下筋・前鋸筋

     三角筋・棘上筋・棘下筋・小円筋・大円筋・肩甲下筋

 また、肩甲骨の状態は、他の骨と直接接触することなく、肩甲骨の表と裏に付着している多くの筋肉が、上下左右から引き合うことでバランスを維持しています。

しかし、仕事や私生活などで身体の冷えや過度の首・肩の使いすぎ(オーバーユース)により、上記の複数の筋肉のバランスを崩すことで、『肩こり』が生じていきます。

『肩が張る』、『肩が重い』、『首から肩にかけて固まったよう』というような症状が続くと、多くの場合は、下記のように進行していきます。

  ①筋肉の疲れ・過緊張 

  ②筋肉の血行不良による痛み

  ③運動障害

 よって、当治療院での『肩関節痛以外の肩こり』の治療方針は、上記を踏まえて、下記の点に着目して同時に治療を行うことで、治療後の患者さんの症状についての感じ方が、『何となく良くなったみたい?』ではなく、『治療前後を比較して、確実に改善している』といった結果を出すように、症状の改善に努めています。

  ◇痛みや疲労の部分のみの治療を行なうと筋肉のバランスを崩し、他の症状を誘発するので、肩全体の治療を行なう

  ◇鍼(はり)やお灸 ⇒ 痛みの軽減

  ◇鍼(はり)やお灸など ⇒ 血行不良の解消

  ◇ストレッチ

  ◇予防方法

 また、症状の軽減や症状の悪化の遅延を目的に、問診等により、生活指導のアドバイスを行なっています。

 

今、お腹が冷えていませんか?

7月も下旬に入り、まだまだ暑い日が続く時期です。

食生活においては、温かいものより冷えた飲食物を多く摂る傾向になります。

・・・・ということで、『自分のお臍(へそ)周辺を触ってみては?』

東洋医学では、弁証という診断基準に、身体の表面の『暖かさ』や『冷たさ』で判断する『寒熱』という項目があります。普段から、冷たい飲食物は控えるか、あるいは身体を温める食品と一緒に冷えた物を摂る事に心掛けると良いのですが、この季節になると、冷たいものを多く飲食してしまいます。その結果、下記の状態が起きます。

  【身体が冷える】 ⇒ 【胃腸の動きが悪くなる】 ⇒ 【免疫力が下がる】

 ⇒ 【下痢などの症状が出る】あるいは【病気になりやすい身体になる】

 このように、東洋医学では、 『身体の寒熱』は大事な診断基準となっています。

 鍼灸では、冷えた身体を温めるお灸『温灸』という治療法で、消化器系疾患や自律神経の改善などに用います。

 ご家庭でお腹の冷えを改善する場合は、使い捨てカイロで低温火傷に注意をしながら温めると良いですが、この時期には、使い捨てカイロが手に入らない場合は、下記の方法で温めると良いです。

①      濡れタオル(ハンカチなど)を軽く絞って、ビニール袋に入れます。

②      500~600Wであれば20~60秒程度の設定で、濡れタオルを電子レンジで温めます。

     ※自分の身体に合った火傷しない温度で使用してください。また、ビニール袋は電子レンジで使用できる物をお使い下さい。

 ③ 電子レンジから取り出したタオルはビニール袋から取り出さずに、さらにタオルやハンカチで覆(おお)って、冷えたお臍周辺に当てて身体を温めます。

 

 尚、下記の症状がある場合は、病院の診察をお勧めします。

   頑固な腹痛、血便、体重減少、全身の倦怠感、発熱を伴う下痢、嘔吐、脱水症状など

 

『最近、体調が悪いな~あ?』という方、お腹が冷えていませんか?

未病と病気の境目は・・・

 現代医学(西洋医学)での『病気』になる前の身体状態を、東洋医学では『未病』と呼んでいます。

 病院での『病気』とは、現代医学の『解剖学』、『生理学』、『病理学』、臨床における問診、触診などを考慮して、ある一定の条件を満たした状態を言います。

 しかし、身体の状態は人それぞれ感じ方が違いますので、必ずしも身体の不調を訴えても、現代医学では『病気』の治療を行なわないこともあります。

  東洋医学では、このような病院で『病気』ではない『未病』の治療も行ないます。

 病気の原因は、東洋医学では、身体の状態が「内因」、「外因」、「不内外因」という『病因』の影響を受けて起きていると考えます。

 健康の状態から『病因』に対して、身体が健康維持を出来なくなった時が、『未病と病気の境目』になります。

 尚、『内因』、『外因』、『不内外因』については、当治療院のブログ≪東洋医学とは・・・≫をご覧下さい。

 最近、『予防医学』という「健康増進」・「疾病予防」・「早期発見」・「早期治療」・「リハビリテーション」を目的とした考え方が、病院(現代医学)で取り入れられています。

 いわゆる『未病』の治療になります。

 鍼灸治療は、これら『未病の治療』も行ないます。

 これらについては、当治療院のホームページ『治療方針』の中の≪病気と免疫力と回復との関係(グラフ)≫をご覧になると解りやすいと思います。

東洋医学とは・・・

≪ 東洋医学とは・・・≫

 『陰陽・五行論』などの思想を元に、『四診』を用いた診断により、『鍼灸』・『按摩(あんま)』・『漢方薬』による数千年に及ぶ臨床データの積み重ねの医術です。

 

《 四診とは 》

  【望診】 ⇒ 視覚を通じて診察する方法

  【聞診】 ⇒ 聴覚・嗅覚を通じて診察する方法

  【問診】 ⇒ 問いかけを通じて診察する方法

  【切診】 ⇒ 触覚を通じて診察する方法

 

《 病因とは 》 ⇒ 『病気の原因』であり、東洋医学では、下記の3つ要素が病の元と考えられています。

  【内因】 ⇒ <七情(内傷)>過度の感情

  【外因】 ⇒ <六淫(外感)>自然界の気候の変化

  【不内外因】 ⇒ 飲食(量の過不足・質の偏り)・労倦(労働・休養・房事)・外傷・瘀血・痰濁

 

『急なれば即ちその標を治し、緩なれば即ちその本を治す』という言葉が、東洋医学ではあります。

【意味】   「標」は病気の表面的な事  ⇒  病状・症候

        「本」は病気の本質      ⇒  原因・病因

 症状のはげしい患者が苦痛に耐えられないとか、生命に関わる重篤な時などは、その症状『標』を優先的に治療し、症状はあっても日常生活に困ることがなく、急がなくても生命に別状がない時は、『本』を治療しなさいということです。

 ≪標治の場合は、『標』の治療が終わっても、『本』の問題は残っているのですから、その後本治をしなければ、また再発することになります。≫

    従って、【慢性的な病気を治す場合、『病を治すには必ず「本」を求む』という考え方が大変重要になります。】

 

《 東洋医学の治療方法として・・・ 》

【同病異治】  ⇒  同じような病気や症状でも治療方法が異なる場合がある。

【異病同治】  ⇒  異なるように見える病気や症状でも、治療法は同じ場合がある。

 

  以上のように、病気になった場合は、まずは『標』でもある西洋医学・現代医学の病院での検査・診察を行うことで重篤な病気のリスクをを回避し、その後は患者様のご納得する『標』または『本』の治療法の選択する方法もあります

 また、『はり治療』、『お灸治療』には症状に対して即効性の治療方法もあれば、時間は掛かりますが継続的な治療で徐々に体質が改善され、症状が緩和する治療方法もあります。

 

 上記のような考えが、より症状の改善にお役に立つきっかけになれば、幸いと思います。

乾燥肌による痛み・かゆみの症状の原因

 治療にあたることで、『皮膚が薄くなって痛い』とか『かゆみを抑えたい』ということを耳にします。

 

 皮膚の構造は、外気に直接触れる側から、

【表皮(角層⇒顆粒層⇒有棘層⇒基底層)】

⇒【真皮(乳頭層⇒乳頭下層⇒網状層)】※汗腺・脂腺・毛根など分布

⇒【皮下組織】※皮下脂肪など分布

⇒【筋層】※筋肉など分布

の順で構成されています。

 

 皮膚は、外部から身体守る『バリア』の役目を果たしています。

 しかし、皮膚が乾燥すると、この『バリア』を失うことで、身体の防衛機能が低下していきます。

 

 『痛み』や『かゆみ』を感じる受容体は、表皮の基底層の付近に分布して、皮膚の乾燥の影響を受けるのは、表皮の部分になります。

 

 従って、皮膚が乾燥することで、『痛み』や『かゆみ』を感じる基底層がより外気に触れる側に近づき、より外部からの刺激に対して敏感になる状況を作り出します。

 

 この『痛み』や『かゆみ』を軽減する方法として、保湿を小まめに行なうことが、改善方法の一つと言えます。

 

 東洋医学の考えでは、アトピー性皮膚炎に関しては、『身体に溜まっている熱』を逃がすために、皮膚を掻く行動をすると考えます。

 体表に熱感を感じるアトピー性皮膚炎の症状の方は、身体の熱を逃がす治療を行なうと、症状が軽減されます。 

 鍼灸治療では、体表から熱を逃がす『接触鍼』が効果があります。

 また、生活習慣の改善指導として、甘いもの、濃い味のもの、辛いものなど身体に熱を溜め込む食品を控えることがさらに症状の軽減につながります。

 

 

ストレスが原因とされる病気に対する鍼灸治療

 ストレスが原因とされる病気には、下記のものがあります。

 風邪 肩こり 胃炎 胃潰瘍 過敏性腸症候群 急性胃腸炎 過呼吸 アトピー性皮膚炎 円形脱毛症 アレルギー アルコール依存症 うつ病 過食症 拒食 顔面神経痛 肩こり 虚血性心疾患 首のこり 血尿 下痢 月経困難症 口内炎 甲状腺機能異常 口臭 高血圧 高血糖症 ほてり 頭痛 子宮筋腫湿疹片頭痛 十二指腸潰瘍 自律神経失調症 腰痛 脂肪肝 蕁麻疹(じんましん) 心因性発熱  心身症 視力低下 自己免疫疾患 耳鳴り 性機能低下 生理不順 喘息 メニエール 多汗症 慢性疲労症候群 チック症 手足のしびれ 低体温 糖尿病 のぼせ 吐き気 肌荒れ パニック障害 冷え性 頻尿 残尿感 不整脈 不眠症 ヘルペス 便秘 夜尿症 など

 これらの病気は、神経(運動神経、自律神経(交感神経、副交感神経)、感覚神経)に関わっています。

 神経は、神経伝達物質を伝える働きをしており、刺激を与えれば与えるほど機能は増しますが、疲労しやすい性質を持っていますので、過度の刺激を与えると機能不全を起こします。 例をあげると、簡単な足し算を繰り返すと徐々に計算速度は速くなりますが、ある一定以上行なうと、計算速度は遅くなり、疲労感が増します。

 一方、神経に対して刺激(痛み・熱さ・温かさ・寒さ・感触(触圧)・圧迫など)を与えないと、次第に反応が鈍くなる性質があり、身体が徐々に衰え始める原因になります。

 また、神経【神経細胞】の構造は、主なものとして、神経伝達物質を受けて働きを制御する『神経核』と、神経伝達物質を伝える『神経線維』の2つに、大きく分けられます。神経の形は、植物のヒマワリをイメージして頂くとよいです。神経伝達物質を受け取る所は『ヒマワリの花びら』、制御する所【神経核】は花びらの中心の『タネの部分』、そして『ヒマワリの茎【神経線維】』を伝わって『ヒマワリの根っ子』で神経伝達物質を次の『ヒマワリの花びら』へ送り出します。それら(植物のヒマワリ)が、2本、3本・・・とつながった状態で、身体の中を幾つもの神経が連なっているというイメージです。

 神経細胞の再生については、『神経核』は再生できませんが、『神経線維』は切断しても再生出来る可能性があります。もし、神経障害(運動障害・感覚障害など)や脳卒中で麻痺が起こった場合、神経核に損傷があるか無いかで、リハビリして機能回復が可能かどうかの判断が出来ます。

 上記のような神経(運動神経、自律神経(交感神経、副交感神経)、感覚神経)に関わる病気には、鍼灸治療、マッサージ、運動、音楽、森林浴などの代替医療で改善できます。ただし、病状の深さにより治療期間、回復度などにより個々の患者様で異なります。

 鍼灸(+マッサージ)治療では、患者様の身体の痛覚、温痛覚、触圧覚、振動覚に刺激を与えることで、神経(運動神経、自律神経(交感神経・副交感神経)、感覚神経)を介して、各臓器や細胞など身体の回復を行ないます。

  詳しくは、当院までご連絡下さい。