治療にあたることで、『皮膚が薄くなって痛い』とか『かゆみを抑えたい』ということを耳にします。
皮膚の構造は、外気に直接触れる側から、
【表皮(角層⇒顆粒層⇒有棘層⇒基底層)】
⇒【真皮(乳頭層⇒乳頭下層⇒網状層)】※汗腺・脂腺・毛根など分布
⇒【皮下組織】※皮下脂肪など分布
⇒【筋層】※筋肉など分布
の順で構成されています。
皮膚は、外部から身体守る『バリア』の役目を果たしています。
しかし、皮膚が乾燥すると、この『バリア』を失うことで、身体の防衛機能が低下していきます。
『痛み』や『かゆみ』を感じる受容体は、表皮の基底層の付近に分布して、皮膚の乾燥の影響を受けるのは、表皮の部分になります。
従って、皮膚が乾燥することで、『痛み』や『かゆみ』を感じる基底層がより外気に触れる側に近づき、より外部からの刺激に対して敏感になる状況を作り出します。
この『痛み』や『かゆみ』を軽減する方法として、保湿を小まめに行なうことが、改善方法の一つと言えます。
東洋医学の考えでは、アトピー性皮膚炎に関しては、『身体に溜まっている熱』を逃がすために、皮膚を掻く行動をすると考えます。
体表に熱感を感じるアトピー性皮膚炎の症状の方は、身体の熱を逃がす治療を行なうと、症状が軽減されます。
鍼灸治療では、体表から熱を逃がす『接触鍼』が効果があります。
また、生活習慣の改善指導として、甘いもの、濃い味のもの、辛いものなど身体に熱を溜め込む食品を控えることがさらに症状の軽減につながります。