ストレスが原因とされる病気に対する鍼灸治療

 ストレスが原因とされる病気には、下記のものがあります。

 風邪 肩こり 胃炎 胃潰瘍 過敏性腸症候群 急性胃腸炎 過呼吸 アトピー性皮膚炎 円形脱毛症 アレルギー アルコール依存症 うつ病 過食症 拒食 顔面神経痛 肩こり 虚血性心疾患 首のこり 血尿 下痢 月経困難症 口内炎 甲状腺機能異常 口臭 高血圧 高血糖症 ほてり 頭痛 子宮筋腫湿疹片頭痛 十二指腸潰瘍 自律神経失調症 腰痛 脂肪肝 蕁麻疹(じんましん) 心因性発熱  心身症 視力低下 自己免疫疾患 耳鳴り 性機能低下 生理不順 喘息 メニエール 多汗症 慢性疲労症候群 チック症 手足のしびれ 低体温 糖尿病 のぼせ 吐き気 肌荒れ パニック障害 冷え性 頻尿 残尿感 不整脈 不眠症 ヘルペス 便秘 夜尿症 など

 これらの病気は、神経(運動神経、自律神経(交感神経、副交感神経)、感覚神経)に関わっています。

 神経は、神経伝達物質を伝える働きをしており、刺激を与えれば与えるほど機能は増しますが、疲労しやすい性質を持っていますので、過度の刺激を与えると機能不全を起こします。 例をあげると、簡単な足し算を繰り返すと徐々に計算速度は速くなりますが、ある一定以上行なうと、計算速度は遅くなり、疲労感が増します。

 一方、神経に対して刺激(痛み・熱さ・温かさ・寒さ・感触(触圧)・圧迫など)を与えないと、次第に反応が鈍くなる性質があり、身体が徐々に衰え始める原因になります。

 また、神経【神経細胞】の構造は、主なものとして、神経伝達物質を受けて働きを制御する『神経核』と、神経伝達物質を伝える『神経線維』の2つに、大きく分けられます。神経の形は、植物のヒマワリをイメージして頂くとよいです。神経伝達物質を受け取る所は『ヒマワリの花びら』、制御する所【神経核】は花びらの中心の『タネの部分』、そして『ヒマワリの茎【神経線維】』を伝わって『ヒマワリの根っ子』で神経伝達物質を次の『ヒマワリの花びら』へ送り出します。それら(植物のヒマワリ)が、2本、3本・・・とつながった状態で、身体の中を幾つもの神経が連なっているというイメージです。

 神経細胞の再生については、『神経核』は再生できませんが、『神経線維』は切断しても再生出来る可能性があります。もし、神経障害(運動障害・感覚障害など)や脳卒中で麻痺が起こった場合、神経核に損傷があるか無いかで、リハビリして機能回復が可能かどうかの判断が出来ます。

 上記のような神経(運動神経、自律神経(交感神経、副交感神経)、感覚神経)に関わる病気には、鍼灸治療、マッサージ、運動、音楽、森林浴などの代替医療で改善できます。ただし、病状の深さにより治療期間、回復度などにより個々の患者様で異なります。

 鍼灸(+マッサージ)治療では、患者様の身体の痛覚、温痛覚、触圧覚、振動覚に刺激を与えることで、神経(運動神経、自律神経(交感神経・副交感神経)、感覚神経)を介して、各臓器や細胞など身体の回復を行ないます。

  詳しくは、当院までご連絡下さい。

 

ダイエットの実績

 常日頃、ダイエットに関して、新たな情報としてテレビや雑誌等により伝えられますが、自分自身には、どの方法を行なうと効果が出るのか、気になる方がたくさんいらっしゃるかと思います。

 ということで、私が、体重約85kgから15kg減量した時に作成した記録をお伝えします。

 ①運動療法と食事療法によるダイエットの効果の違い(無理をしないで出来る程度)

   ※実績の判断を明確にするため、運動療法の測定後、元の体重に戻して行なっています。また、それぞれのダイエットの間の1ヶ月の期間は、元に戻すために空いた期間です。

  ◇運動によるダイエット法(食事内容を変えない)  ※3/1~4/30の2ヶ月間実施

   体重   80.0kg(開始) ⇒ 78.6kg(終了)

   体脂肪 32.0%(開始) ⇒ 27.0%(終了)

     【運動内容】ウォーキングマシーン

           時間30分 速度6.0km/h 距離約3km 消費カロリー約120kcal

  ◇食事療法によるダイエット法(特に運動を行なわない)  ※6/1~6/30の1ヶ月間実施

   体重   81.0kg(開始) ⇒ 75.6kg(終了)

   体脂肪 32.0%(開始) ⇒ 26.0%(終了)

  ★結果は、運動療法よりも食事療法の方が、効果あり

 ②食事療法で意識した栄養素or献立

   ◇豆乳・納豆類を摂取 ⇒ 細胞はタンパク質で構成

   ◇煮干を摂取 ⇒ ・身体の血液の調整を行なうものは自律神経

               ・カルシウム不足は、神経障害や結石を発症させる

       ※カルシウムの作用

           ・筋肉の伸縮をコントロールする

           ・刺激に対する神経の感受性を鎮める(ストレスの軽減)

           ・アレルギーなどの過剰な反応を抑える 

         など身体中で色々な働きをする大切な成分

   ◇果物を摂取 ⇒ ビタミン類は、皮膚などの再生に必要

   ◇ミネラル豊富な乾物を砕いて食材に入れる ⇒ 細胞の構成や代謝に作用 

   ◇ヨーグルトを摂取 ⇒ 腸の働きをよくする

   ◇野菜ジュースを摂取 ⇒ 栄養素の不足分を補う

   ◇適度の日光浴 ⇒ ビタミンDを活性化ビタミンDに変化させ、カルシウムの吸収を高める

  ③ダイエット実施における注意点

   ◇夕食または食後あまり活動しない場合は、消化が早い『お粥』にするか『炭水化物の量を減らす』こと。

   ◇1日に摂取する栄養素を意識する!

   ◇睡眠時間(AM.0~3時は細胞再生、AM.3~6時は疲労回復)を意識!

   ◇出来る限り栄養素は食べ物で摂取し、サプリメントなどは控えめに

  ④ダイエット前後の数値

                    前       後

           血圧           138/78 ⇒  116/68

    総コレステロール     261  ⇒  204

    中性脂肪          312  ⇒  144

    AST(GOT)         54  ⇒  28

    ALT(GPT)         99  ⇒   21

    γ-GTP           54  ⇒   19

          

 詳しくは、当治療院へ

 

ツボとは?

 『ビッグデータ』という言葉があります。そのままの意味では巨大なデータになります。IT用語として、通常のデータベースでは扱えないほど巨大なデータのことです。

 昨今、この大量のデータ『ビッグデータ』を、色々な業界で、大量の情報の中から有益な情報を抽出、また複合的に分析し、活用することが行なわれています。

 近年、医療業界でも疾病予防などを目的に、この『ビッグデータ』が注目されています。

 現代医学では、最先端技術と共に、高齢者の増加に伴い予防医学が高まっています。

 この疾病予防の観点では、東洋医学は有用な学問であり、治療手段になります。実は、この東洋医学は、数千年に及ぶ臨床データの蓄積からの『ビッグデータ』に基づいた学問です。

 『ビッグデータ』の使い道は、 一般に、

①情報の生成 ⇒ ②情報の蓄積・処理 ⇒ ③情報分析 ⇒ ④価値・判断

の経過を経て、利用されます。

 これを東洋医学の視点に当てはめると、下記のようになります。

     ① 数千年に及ぶ患者の身体の状態、症状、生活環境など疾病発症時の情報(ビッグデータ)

     ② ①の症状に対する対症療法の集約 ⇒ ツボ、薬(漢方薬)の発生

     ③ 弁証論治(四診、臓腑弁証、気血津液弁証、経絡弁証など)による治療方針の選択

     ④ ツボの選穴、薬(漢方薬)の処方など

 『ツボ』とは、数千年に及ぶ患者の臨床情報の結果生み出された『症状の発生場所』あるいは『症状が緩和できる場所』になります。

 鍼灸治療は、この『ツボ(経穴)』を用い、未病(病院で病気と診断する以前の状態)の改善、病気の緩和に有効な治療方法の手段の一つになります。

 しかし、巷(ちまた)では、病気になった患者さんが、身体の改善、治療を選択する際、鍼灸治療を選択肢として鍼灸院を訪問することは少ないです。『痛い』、『熱い』などのイメージが、普及の壁になっている原因の一つとして挙げられます。

 

なぜ病気になるの・・・/原因は・・・|東洋医学の視点から

人は、生まれてから人生を重ねる事で、身体が変化していきます。

その課程で、色々な病気や症状を経験することになります。

病気とは、原因を生じさせた結果です。

原因を発生させなければ、病気には『ならない』、あるいは『なりにくい』ということになります。

東洋医学では、病気の原因を『病因』といい、

①過度な感情(怒・喜・恐・悲など)➡内因』

②過度な気候の変化(熱・湿・燥・寒など)➡外因』

③過度な生活環境の変化(労働・運動・食事・睡眠・外傷など)➡不内外因』

という上記の3つの要因が引き金となって、病気や症状の悪化を生じさせていると考えています。

したがって、『病因』を生じさせなければ、『病気』が生じることはないということになります。

 

病気の治療をしてもなかなか治らない、改善しない方は、治療を行なうと同時に、上記の『病因』であるご自身の生活環境の見直しが不可欠になります。

また、身体を修復させるための免疫力が高い方は、治療のみで改善しますが、免疫力や再生能力が低い方は、『治療のみ』では改善の見込みはかなり低いと考えられます。

 

下記のグラフは、病気と免疫力と回復との関係グラフです。

http://hari-kyuu-atsushi.com/wp/wp-content/uploads/hpb-media/byoukitomennekigurafu21.JPG

「ハート」印の方    ⇒ 1回での回復(理想)
「ひし形」印の方     ⇒ 日頃から養生、または体力、免疫力が高い方
「クローバー」印の方  ⇒  養生はしていないが、体力または免疫力が高い方
「スペード♤」印の方    ⇒  養生をしていない、または体力、免疫力が低い方

 

例えば、多くの方々が悩まされている『肩こり』、『鍼(はり)』や『お灸』を行い、

更にその方にあった『肩こりの生活環境の原因』を指摘し、アドバイスすることで、

確実に改善することが出来ます。

そして、『身体の筋肉などの血行改善』に対して、『鍼(はり)』や『お灸』は、即効性があり、『痛み・重だるさ・不快感など』が施術直後で実感出来ます

簡単に分かりやすく説明すると、『鍼を刺した所⇒身体が損傷している』あるいは『お灸をすえた所⇒身体にやけどが生じている』と意図的に身体に異常を生じさせることで、身体を修復すために『血液を集める』、『痛みを軽減させる』などの身体の機能を働かせ、身体を修復することが出来ます。

『鍼の場合⇒痛み』、『お灸の場合⇒熱さ』を身体に伝えることが目的なので、特別な治療法を除いては、実際に、やけどが生じたり、身体に損傷が生じることは、基本的に見た目ではないです。

但し、患っている期間が長い方や身体への強い負担を掛けている生活をしている方は、治療回数が増える傾向にあります。

『鍼』や『お灸』の施術を受けたことがない方は、受けるためにはかなりの勇気がいりますが、治療目的や治療方法にもよりますが、『痛みや熱さ』はほとんど感じなく、病気による苦痛に比べると、格段に不快感はなく、病気に対する治療方法の選択肢が広がります。

『鍼』と『お灸』には、自律神経を整える作用があり、更に、『鍼』や『お灸』の施術後に、心地よいソフトなマッサージを加えることで、リラックス効果が高まり、それに伴って自律神経の調整により、より身体の働きが促進されます。

病院等で治療を行なっている方を含めて、病気や症状をより改善するためには、『原因は何なのか』、という己の置かれている環境を知ることが、とても重要です。

ばね指(弾撥指)の治療法

 現代医学(西洋医学)では、ばね指(弾撥(だんぱつ)指)は、指を曲げる腱(屈筋腱)とその屈筋腱の浮き上がりを押さえる靱帯性腱鞘(けんしょう)の間で炎症が生じることで、さらに症状の悪化に伴い、この靱帯性腱鞘が肥大し、通過障害を起こす状態です。

 病院での治療法は、保存的治療と手術療法になります。

 ばね指(弾撥指)の動作により症状が悪化すると、指を曲げたり、あるいは伸ばす時に痛みが生じます。

 ところで、東洋医学では、不通則痛(痛ぜざればすなわち痛む)という言葉があります。

 この意味は、身体が正常な時は、身体の中では、血液などがスムーズに循環されていますが、身体の循環が悪くなることで、血液などが滞り、その結果『痛み』が発生するという考えです。

 従って、身体の循環を良くすれば、『痛み』が改善されることになります。

 さて、ばね指(弾撥指)の症状で、

      ・起床時に、指の曲げる時あるいは伸ばす時に痛みがある

      ・指の動作開始時痛みが生じるが、動き続けると次第に症状が緩和される

      ・お風呂に入って患部を温めると、症状が緩和される

といった方であれば、鍼灸治療で改善の見込みがあります。但し、症状が出始めてから遅くなるほど、治りにくくなり、あるいは完治に時間が掛かります。

 当院でのばね指(弾撥指)の治療は、主に肩、腕、手の血流の改善と、症状の原因とされる日常生活指導及び自宅での改善方法を行ないます。

 一般に、鍼灸治療では、治療開始が早ければ早いほど、症状が早く改善でき、あるいは治療期間が短縮されます。

 まずは、病気になった時は、『急を要する重篤(じゅうとく)な病気』の判断として病院の受診することが賢明です。病院の診察結果、急を要しなければ、ご本人が納得される病院の治療あるいは病院以外の治療法をじっくり選択されれば良いと思います。

 何よりも、『痛み』や『しびれ』などが身体に生じた場合は、『身体に異常が発生していますよ!』との身体からの信号です。

 『痛み』をガマンするよりは、まず第一に身体の改善を考えるのが得策でしょう。

はり(鍼)おきゅう(灸)の治療は、本当に効くのか?という疑問にお答えします。

鍼(はり)やお灸の治療の経験がない方、あるいは鍼やお灸を実際に見たことがない方は、一律に、東洋医学の漢方や指圧・按摩・マッサージは信じても、鍼やお灸の効果は、まず信じていないのが現実です
実は、鍼やお灸の作用には、身体の改善へ、色々な効果を促すことが出来ます。
※効果の種類については、当院のホームページの上段のタブ『治療効果』をクリックして、ご覧下さい。
最も、患者様が実感できる作用の一つとして、『誘導作用』というものがあります。
誘導作用とは、血液を誘導し、患部の血流を調節する作用です。
人はケガをすると、血液内の赤血球や白血球、血小板、血しょうなどの作用により、損傷した皮膚や組織(筋肉など)の修復を行うことが出来ます。
この血液による修復の働きを、鍼やお灸を使って、意図的に、血液の流れを改善したい身体の部分に誘導させます。
つまり、皮膚や筋肉に対して、「ここが傷ついてますよ!」と血液を誘導したい部分に鍼を刺すことで、身体が損傷したと認識し、修復のために、血液が集まります
あるいは、皮膚や筋肉に対して、「ここが火傷してますよ!」と血液を誘導したい部分に、瞬時に熱い米粒大より小さめのお灸をすえることで、身体が損傷したと認識し、修復のために、血液が集まります
鍼やお灸は、動物が身体の修復する機能である自然治癒力を、自在に機能させる治療法になります。
このような傷の修復を、鍼やお灸で意図的に発生することで、再生能力を上げ、修復時間を短縮することが出来ます。
マッサージよりも、短時間で、効果が実感できる症状のひとつして、筋肉の血行不良【『重だるさ』、『倦怠感』、『痛み』や『しびれ』など】があげられます。
これらの症状には、日本の国民病とも言われている『肩こり』や『腰痛』などで、伴っています。

東洋医学には、『不通則痛/通じざれば則ち痛む』という言葉があります。

これは、身体の中の血液やリンパ液、その他物質の流れや働きが滞ってしまうと、痛みを生じさせることになるということです。
また、東洋医学では、病気の原因(病因)には、内因(過度な感情)、外因(過度な気象条件)、不内外因(不摂生な食事、不眠、外傷、仕事、過度な運動など)が病気の原因と考えます。

『肩こり』や『腰痛』で悩まされている方は、必ず日常生活で、これらの病因であげられる事を行なっています。

症状や病気は、日常生活などを送ることで生じた結果になりますので、どんなに良い治療を行なっても、病因を改善しない限り、必ず再発します。
従って、病気や症状に悩まされている方は、治療後の日常生活の改善が大変重要になります。

 

よって、見出しの結論について、はり(鍼)おきゅう(灸)の治療は、本当に効果があり、更に、症状によっては、治療直後に、効果を実感することができます。

 

ヒートショックプロテインとお灸の効果

 最近の西洋医学の分野で、『ヒートショックプロテイン(HSP)』というものがあります。

 『ヒートショックプロテイン(HSP)』とは、身体に熱によるストレスを加えると増えるたんぱく質のことです。

 『HSP』の働きには、感染を防ぐ「免疫作用」、出血を抑える「血液凝固作用」などの『生体防御システム』のひとつです。いわゆる、”傷んだたんぱく質の修理屋さん”と言ったところです。

 『HSP』を増やす方法には、入浴法や遠赤外線などがあげられます。

 鍼灸治療では、”お灸治療”によって、『HSP増加』の効果が期待できます。

 お灸の効果には、 

   ◇白血球の増加 ⇒ 貪食作用など

   ◇赤血球の増加 ⇒ ヘモグロビン(hb)の量が増加

   ◇血液凝固 ⇒ 止血作用

   ◇副腎皮質機能の賦活 ⇒ 血液中の「ステロイドホルモン」浮遊率が増加し、裂傷や炎症を随時修復

   ◇自律神経の調整作用 ⇒ 身体の臓器やホルモン分泌などのホメオスターシス(内部環境の恒常性)

があります。すなわち、身体の健康増進、病気への修復作用です。

 自宅でも、ご自身でお灸が出来ます。

 当治療院では、お灸指導も行なっています。

 

リハビリや看護などの介助で、大切なことの一つとして…

  リハビリや慢性的な病気を患っている身近な方への介助は、一所懸命に行なえば行なうほど、介助する側が、肉体的あるいは精神的に参ってしまい、結果、介助する方が病気を発症したり、介助する、または介助される側がさらに病気を悪化させることがあります。

 健康についてWHO(世界保健機構)では、『健康とは、疾病がないとか、虚弱でないということではなく、肉体的にも、精神的にも、社会的にも、心身が満たされた状態である』ことを述べています。

 従いまして、私も介助の経験を通して、上記のような介助する、される側の健康が悪化する状況に傾かないように、今一度、介助する側が、自分自身の健康を維持できる手段や環境の改善を考えておくこと大切と思います

 さて、介助する側が最も身体に異常をきたす状態は、ストレスや過労による心身の疲労になります。

 東洋医学の臓腑弁証の観点から端的に述べますと、健康とは、『五臓六腑の働きのバランスが調和した状態』になります。

   ※ 五臓 ⇒ 肝・心・脾・肺・腎

   ※ 六腑 ⇒ 胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦

 また、ストレスや肉体疲労が身体に影響を与える状態は、東洋医学では、下記のように幾つかの考え方が出きます。

 ①肉体疲労などにより、呼吸器機能に影響を受け、心肺機能が低下して、身体に栄養(血液など)を送れない状態になります。

    肉体疲労 ⇒ 肺気虚 ⇒ 心気虚  ※心肺両虚証

 ②ストレスや肉体疲労などにより、消化器機能が低下、栄養吸収不足になり、身体の機能が低下します。現代医学では、ストレスを最も受けやすい臓器とし、消化器系(胃・小腸・大腸など)があげられます。

  尚、『脾』とは、現代医学の消化器系に相当します。

    ストレス・肉体疲労 ⇒ 脾気虚 ⇒ 心血虚 ※(心脾)気血両虚

 ③精神疲労により消化吸収不足が生じ、身体の栄養(血液など)とされるエネルギー生成が減ること、血液の循環機能が低下します。

    精神疲労など ⇒ 肝気虚 ⇒ 肝血虚 ⇒心血虚 ※(心肝)血虚症

 ④肉体疲労やストレスにより、身体を冷やすラジエーター機能が低下し、身心の異常(不眠や精神不安など)や体温調節の低下、足腰のだるさを発症させます。

    過労やストレス ⇒ 腎陰虚 ⇒ 心火亢進

 ⑤肉体疲労により、身体の循環液(現代医学では、血液やリンパ液などに相当)の停滞が起き、四肢の冷えやむくみが発症し、血行障害を生じさせます。

    肉体疲労 ⇒ 腎陽虚 ⇒ 心陽虚  ※(心腎)陽虚証

 ⑥その他

 

 以上の様に、身体の状態が、いわゆる『未病』(「健康状態」~「病院で病気と診断される状態」の経過の心身の状態)の時に、症状に対する何らかの治療や改善・予防方法を取り入れることが大切になります。

 身体の疲労感やストレス解消には、自律神経の調整や筋肉疲労の改善、血行促進などの効果がある鍼灸治療は、有効な方法になります。当院のホームページ上部の『治療効果』をクリックしていただければ、『治療と回復効果』のグラフで、今後の治療や予防の改善に対する考え方にお役に立かと思います。

 また、日常での改善・予防方法の一つとして、即効性はありませんが、上記の①~⑤のように、循環器系や呼吸器系の働きを改善することは、介助に関わる方の『未病』の改善になりますので、どこでも場所を選ばずに出来る『腹式呼吸法』を行なうことも良いと思います。

不眠症治療の効果を上げるには・・・

東洋医学の視点では、病気は、『病因』の内因、外因、不内外因から生じます。
不眠症の原因も、『病因』になります。
※病因については、当院ブログ『現在、起きている症状は、自分自身の周辺環境が原因!(東洋医学からの視点)』をご覧下さい。
一般に、病院での不眠症の治療は、医師の処方による薬物治療が主な方法です。
薬物治療で容易に改善に向かうのであればよいのですが、東洋医学の『病因』の影響が大きい方は、薬物療法だけでは改善が乏しい状況になります。
このような場合の患者さんの身体の状態は、『身体を治す力(自己治癒力)』がかなり劣っています。
従って、身体の働きを向上させることで、病院の治療も効果を上げることが出来ます。
では、病院以外の治療以外で何を行なえばよいかというと、『病因』を負担を減らすことと、身体の疲労感を取り除くことです。
不眠症で身体が疲労しているところは、心肺機能きの低下です

つまり、『心臓・循環器系』と『呼吸器系』の働きの低下になります。

東洋医学では、五臓六腑の『心』と『肺』に該当します。
不眠症治療で、病院の薬物療法だけを行なって効果がでない方は、身体の疲労感を確実に取り除くことで、改善していきます。
『心肺機能』が上がると、身体が下記の状態になります。
🔶身体の姿勢が良くなる。
🔶呼吸がしやすくなる。
🔶姿勢が良くなることで、肺がより大きく膨らみ、酸素の供給が上がる。
🔶肺の膨らみが大きくなり、横隔膜がより大きく上下に運動する。
🔶横隔膜の運動により、腸が刺激され、消化器系の機能が高まる。
🔶酸素の供給が高まることで、『自己治癒力』が高まる。
🔶心臓から送り出される血液が、身体の遠位まで生き渡らせる。

 

 

医師から処方された薬が効かないときは、下記のことが有効です。

『薬は効くものでなく、効かせるものである!』

薬が効かなければ、効くような身体へ促すことが重要です。

 

 

以上な経緯は、鍼(はり)やお灸、マッサージ治療で、改善へ導くことが出来ます。

更に治療効果を上げるためには、不眠症で悩まされている各々自身で、『病因』を減らすことです。

 

 

 

 

乾燥肌による痛み・かゆみの症状の原因

 治療にあたることで、『皮膚が薄くなって痛い』とか『かゆみを抑えたい』ということを耳にします。

 

 皮膚の構造は、外気に直接触れる側から、

【表皮(角層⇒顆粒層⇒有棘層⇒基底層)】

⇒【真皮(乳頭層⇒乳頭下層⇒網状層)】※汗腺・脂腺・毛根など分布

⇒【皮下組織】※皮下脂肪など分布

⇒【筋層】※筋肉など分布

の順で構成されています。

 

 皮膚は、外部から身体守る『バリア』の役目を果たしています。

 しかし、皮膚が乾燥すると、この『バリア』を失うことで、身体の防衛機能が低下していきます。

 

 『痛み』や『かゆみ』を感じる受容体は、表皮の基底層の付近に分布して、皮膚の乾燥の影響を受けるのは、表皮の部分になります。

 

 従って、皮膚が乾燥することで、『痛み』や『かゆみ』を感じる基底層がより外気に触れる側に近づき、より外部からの刺激に対して敏感になる状況を作り出します。

 

 この『痛み』や『かゆみ』を軽減する方法として、保湿を小まめに行なうことが、改善方法の一つと言えます。

 

 東洋医学の考えでは、アトピー性皮膚炎に関しては、『身体に溜まっている熱』を逃がすために、皮膚を掻く行動をすると考えます。

 体表に熱感を感じるアトピー性皮膚炎の症状の方は、身体の熱を逃がす治療を行なうと、症状が軽減されます。 

 鍼灸治療では、体表から熱を逃がす『接触鍼』が効果があります。

 また、生活習慣の改善指導として、甘いもの、濃い味のもの、辛いものなど身体に熱を溜め込む食品を控えることがさらに症状の軽減につながります。