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ツボとは?
『ビッグデータ』という言葉があります。そのままの意味では巨大なデータになります。IT用語として、通常のデータベースでは扱えないほど巨大なデータのことです。
昨今、この大量のデータ『ビッグデータ』を、色々な業界で、大量の情報の中から有益な情報を抽出、また複合的に分析し、活用することが行なわれています。
近年、医療業界でも疾病予防などを目的に、この『ビッグデータ』が注目されています。
現代医学では、最先端技術と共に、高齢者の増加に伴い予防医学が高まっています。
この疾病予防の観点では、東洋医学は有用な学問であり、治療手段になります。実は、この東洋医学は、数千年に及ぶ臨床データの蓄積からの『ビッグデータ』に基づいた学問です。
『ビッグデータ』の使い道は、 一般に、
①情報の生成 ⇒ ②情報の蓄積・処理 ⇒ ③情報分析 ⇒ ④価値・判断
の経過を経て、利用されます。
これを東洋医学の視点に当てはめると、下記のようになります。
① 数千年に及ぶ患者の身体の状態、症状、生活環境など疾病発症時の情報(ビッグデータ)
② ①の症状に対する対症療法の集約 ⇒ ツボ、薬(漢方薬)の発生
③ 弁証論治(四診、臓腑弁証、気血津液弁証、経絡弁証など)による治療方針の選択
④ ツボの選穴、薬(漢方薬)の処方など
『ツボ』とは、数千年に及ぶ患者の臨床情報の結果生み出された『症状の発生場所』あるいは『症状が緩和できる場所』になります。
鍼灸治療は、この『ツボ(経穴)』を用い、未病(病院で病気と診断する以前の状態)の改善、病気の緩和に有効な治療方法の手段の一つになります。
しかし、巷(ちまた)では、病気になった患者さんが、身体の改善、治療を選択する際、鍼灸治療を選択肢として鍼灸院を訪問することは少ないです。『痛い』、『熱い』などのイメージが、普及の壁になっている原因の一つとして挙げられます。
痒みは、予防・生活改善が大切!
現代医学(西洋医学)での痒みの原因は、
・肥満細胞から分泌されるヒスタミンの影響
・皮膚の乾燥による表皮の水分や皮脂のバリア機能の低下による知覚過敏
などがあげられます。
最近では、痒みの原因の一つには、自律神経の影響も受けていると言われています。
東洋医学では、病気の原因は、
①内因(内傷) ⇒ 過度の感情(七情/怒・喜・思・憂・悲・恐・驚)
②外因(外感) ⇒ 自然界の気候の変化(六淫/風・寒・暑・湿・燥・火)
③不内外因 ⇒ 飲食(量の過不足・質の偏り)・労倦(労働・休養・房事)・外傷・瘀血・痰濁
の大きく3つの条件があげられます。
現代医学(西洋医学)においては、動物実験などを含めて薬剤が開発されている為なのか、①内因(過度の感情)や②外因(過度の気候変動)は、一般には、治療として重視されていません。しかし、最近では、脳神経・脳科学などの研究発展により、内臓の調整に非常に関わる自律神経などの影響(『こころ』の変化など)を考慮するようになって来ています。
また、東洋医学では、臓腑弁証という治療方針の考えから、五臓(肝・心・脾・肺・腎)六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)などが調和することで、心身が健康状態であり、この調和が崩れることが病気の発症する原因の一つであると考えます。
鍼灸では、四診(望診・聞診・問診・切診)などの診断方法用いて患者様の身体の状態の情報を集め、①~③と臓腑弁証などの診断方法の考えから治療方針を導き出し、施術を行ないます。
自宅での症状の緩和や慢性の痒みの場合は、上記の考えから、下記の予防(生活改善)が考えられます。
◇飲食の管理
(辛い、甘い食べ物の摂取により、『脾』の機能失調により、体内に熱がこもる為に痒みが発生)
◇イライラやストレスなど状況を減らす
(上記の原因で、気・血・津液が侵され、『肝』や『心』などに臓腑機能の失調が発生)
≪注釈≫ 『気』・『血』・『津液』とは、身体の臓腑及び組織などを動かす為の血液やリンパ液などのエネルギーです。
◇その他
どのような病にも、必ず原因があり、結果として『病』が発生します。
病気が慢性化しない、あるいは、病気が重くならないように、日頃から、カラダのケアを考え、生活改善を行なうことが大切になります。
リハビリや看護などの介助で、大切なことの一つとして…
リハビリや慢性的な病気を患っている身近な方への介助は、一所懸命に行なえば行なうほど、介助する側が、肉体的あるいは精神的に参ってしまい、結果、介助する方が病気を発症したり、介助する、または介助される側がさらに病気を悪化させることがあります。
健康についてWHO(世界保健機構)では、『健康とは、疾病がないとか、虚弱でないということではなく、肉体的にも、精神的にも、社会的にも、心身が満たされた状態である』ことを述べています。
従いまして、私も介助の経験を通して、上記のような介助する、される側の健康が悪化する状況に傾かないように、今一度、介助する側が、自分自身の健康を維持できる手段や環境の改善を考えておくことが大切と思います
さて、介助する側が最も身体に異常をきたす状態は、ストレスや過労による心身の疲労になります。
東洋医学の臓腑弁証の観点から端的に述べますと、健康とは、『五臓六腑の働きのバランスが調和した状態』になります。
※ 五臓 ⇒ 肝・心・脾・肺・腎
※ 六腑 ⇒ 胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦
また、ストレスや肉体疲労が身体に影響を与える状態は、東洋医学では、下記のように幾つかの考え方が出きます。
①肉体疲労などにより、呼吸器機能に影響を受け、心肺機能が低下して、身体に栄養(血液など)を送れない状態になります。
肉体疲労 ⇒ 肺気虚 ⇒ 心気虚 ※心肺両虚証
②ストレスや肉体疲労などにより、消化器機能が低下、栄養吸収不足になり、身体の機能が低下します。現代医学では、ストレスを最も受けやすい臓器とし、消化器系(胃・小腸・大腸など)があげられます。
尚、『脾』とは、現代医学の消化器系に相当します。
ストレス・肉体疲労 ⇒ 脾気虚 ⇒ 心血虚 ※(心脾)気血両虚
③精神疲労により消化吸収不足が生じ、身体の栄養(血液など)とされるエネルギー生成が減ることで、血液の循環機能が低下します。
精神疲労など ⇒ 肝気虚 ⇒ 肝血虚 ⇒心血虚 ※(心肝)血虚症
④肉体疲労やストレスにより、身体を冷やすラジエーター機能が低下し、身心の異常(不眠や精神不安など)や体温調節の低下、足腰のだるさを発症させます。
過労やストレス ⇒ 腎陰虚 ⇒ 心火亢進
⑤肉体疲労により、身体の循環液(現代医学では、血液やリンパ液などに相当)の停滞が起き、四肢の冷えやむくみが発症し、血行障害を生じさせます。
肉体疲労 ⇒ 腎陽虚 ⇒ 心陽虚 ※(心腎)陽虚証
⑥その他
以上の様に、身体の状態が、いわゆる『未病』(「健康状態」~「病院で病気と診断される状態」の経過の心身の状態)の時に、症状に対する何らかの治療や改善・予防方法を取り入れることが大切になります。
身体の疲労感やストレス解消には、自律神経の調整や筋肉疲労の改善、血行促進などの効果がある鍼灸治療は、有効な方法になります。当院のホームページ上部の『治療効果』をクリックしていただければ、『治療と回復効果』のグラフで、今後の治療や予防の改善に対する考え方にお役に立つかと思います。
また、日常での改善・予防方法の一つとして、即効性はありませんが、上記の①~⑤のように、循環器系や呼吸器系の働きを改善することは、介助に関わる方の『未病』の改善になりますので、どこでも場所を選ばずに出来る『腹式呼吸法』を行なうことも良いと思います。
病院(現代医学)治療の視点からみた鍼灸治療効果の信憑性は?
病院の治療は、内科的治療の場合は、一般にお薬による治療です。
お薬は、膨大な資金と労力を使って、下記の長い期間を経て誕生します。
◇ 基礎研究 ⇒ 非臨床試験(動物実験など) ⇒ 臨床試験 ⇒ 承認
従いまして、病院で処方されるお薬は、ある一定の基準を満たしていれば、科学的に効果が得られることが出きます。但し、副作用も伴います。
ところで、プラセボ効果とういう言葉があります。効果のない成分が入っていない薬によってもたらせる効果です。
鍼灸治療の経験がない方、あるいは身近に治療の結果を目にしたことがない方々には、鍼(はり)やお灸による治療は、医学的、あるいは科学的視点から見ると、プラセボ効果や宗教的な心理効果と同じように見えるのかも知れません。
話は変わりますが、今日では、『笑い』は、下記の点から免疫力を高める効果があることが、医学的にも証明されつつあります。一昔の医学の常識では、考えられないことの一つです。
生理的効果 ⇒ ①血液成分のNK細胞の増加により防御機能の上昇(免疫力アップ)
②糖尿病患者に対して、血糖値の減少
③自律神経の副交感神経が優位
医学的証明 ⇒ ①笑うことで表情筋群が働き、ストレス解消
②血圧低下(正常化)
③心臓の機能向上
④血液中酸素の増加
※循環器疾患の治療に効果
しかし、『笑う』ことは身体に良いが、ではどのような疾患で、どのくらいの『笑い』で、どのくらいの効果が得られるといことに関しては、今の現代医学では、まだ証明には至っていない状況です。
東洋医学は、『鍼(はり)をしたから良くなった』、『お灸をしたから改善した』、『このような食べ物を摂ると元気になった』という治療データーなど、数千年の臨床の積み重ねで出来た学問になります。従いまして、東洋医学は、医学的あるいは科学的証明の出来、不出来で判断する現代医学(西洋医学)とは、治療方針や考え方が異なっています。
一昔では、迷信や言い伝えなどは、ちまたではよく聞くことが出来ました。しかし、現代では、客観的に現されたこと、あるいは目に見えるものなどが、日常では受け入れられます。
『治癒力』もその一つで、現代医学(病院)では、調整力、回復力、免疫力に置き換えられて、今日では一般に使われるようになっています。
科学的に解明されていないことと、科学的根拠がないのとは、全く違います。
『鍼(はり)』や『お灸』の治療を行なうと、副交感神経が優位になり、また血管の拡張を促し血行を良くする働きがあります。しかし、一方では、いまだ一般の方々には、鍼灸治療の治療効果の認知度が低く、現代医学に関わる医療人、病院関係者、あるいは、病院治療(現代医学)以外に治療を受けたことがない方々には、鍼灸治療は、まだまだ受け入れられていないのが実情です。
尚、当院で治療されている方々には、なぜ『鍼(はり)』や『お灸』が身体の体調改善に効果があるのか、詳しく解りやすく、ご説明しております。
我慢をしなくていい!鍼灸ダイエット
私なりのダイエットのセオリーは、『我慢をしない。でも、ちょっとの努力と継続!!』です。
約15kgの減量も経験があり、リバウンドも、ちょっとの継続的な努力で回避できます。
一般に、肥満の原因には、主に下記のことがあげられます。
① 過食
② 咀嚼不足
③ 間食が多い
④ 生活の不摂生(食事の時間及び回数・睡眠時間・偏食など)
⑤ 運動不足
⑥ ホルモン分泌異状による疾患
⑦ ストレスなど
ダイエットを成功するには、『何のために、この方法でダイエットを行なっているのか』を理解することが、大変重要です。
しかし、目的を理解せず、闇雲にダイエットを行うことは、継続的にダイエットが出来なくなり、再び太る原因になります。
儒教で『中庸』という言葉(※過不足がなく調和がとれていること)があります。健康な状態とは、身体がこのような『中庸』の状態のことです。
この状態(中庸)から、病院で病気と診断される直前までの『病気までの進行のプロセス』を、『未病』と呼ばれています。
肥満の状態は、病的でない『未病の肥満』の状態と、病的な『肥満』の状態に分けられます。
ところで、東洋医学には、現代医学の問診と診察に相当するものに、『四診』と呼ばれる病の診察方法があります。
・望診 ⇒ 視覚を通じての診察(顔色や舌の状態など)
・聞診 ⇒ 聴覚や嗅覚での診察(呼吸の状態や口臭・体臭など)
・問診 ⇒ 問いかけを通じての診察(汗の状態・排尿便・睡眠・生活環境など)
・切診 ⇒ 触覚を通じての診察(身体の痛み・脈の状態・腹診など)
肥満になる原因は、人それぞれで異なっていますので、当院では、上記の『四診』を用いて、『オーダーメイド治療の前準備』を行います。
この診察(四診)と解剖・生理学の視点・患者様の生活スタイルなどを考慮することで、『肥満の原因』が解ると同時に、患者様の『肥満解消』の治療方針が決定されます。
鍼灸治療は、『鍼(ハリ)』を用いて痛覚と触圧覚に、『お灸(きゅう)』は温痛覚に、それぞれ身体に刺激を働きかけることで、身体の改善を促す治療法です。
肥満の改善方法は、肥満の原因①~⑦の解消です。
当院での肥満に対する治療は、下記の趣旨で治療方法を行ない、身体全体の代謝を総合的に上げて行く治療です。
A) 生活スタイルの改善指導(※改善出来る範囲を患者様との問診で検討し、簡単ダイエットの指導)
B) 自律神経の調整の鍼灸治療(※消化器系の改善《肥満原因①~④》
C) ホルモン分泌の調整の鍼灸治療《肥満原因⑥》
D) 神経伝達物質の調整の鍼灸治療《肥満原因⑦》