ブログ
ブログ一覧
肩こり・腰痛などの改善回数と受診頻度の目安
『肩こり』と『腰痛』は、国民病といわれるように、多くの方が悩んでいる症状です。
そして、『鍼(はり)』や『お灸』は、『痛い!』、『熱い!』と思って、敬遠されている方、あるいは鍼灸治療についてご理解して頂いていない方、知らない方は、慢性的に、『肩こり』や『腰痛』などの慢性的な症状に悩み続けていらっしゃいます。
鍼灸治療では、1~数回でかなり改善致します。ただし、腰や肩に負担の掛かる動作を日常的に行っている方は、改善に至るには、度々の診療(月に数回)が必要になります。また、『肩こり』や『腰痛』の症状が発症して、長い経過がある方も、回復期間も長くなる傾向にあります。
しかし、『肩こり』や『腰痛』など症状が、骨の異常や血管の狭窄(血管が狭くなる)など物理的変形がなければ、短期間で改善します。
受診回数については、東洋医学で述べている病気の原因となる『病因(内因・外因・不内外因)』を、治療後にこれらを解消することで、『治療回数』や『治療期間』かなり軽減できます。
当院では、症状のご説明を行い、患者様自身の『身体の状態』をご自分で認識し、上記の『病因』を改善することで、骨や血管の異常がない方は、症状の度合い(発症しての期間)によりますが、『肩こり』や『腰痛』であれば、月1~2回の診療で、快適な生活を送れることが出来ます。
『肩こり』や『腰痛』などで長年お悩みの方は一度、お近くの鍼灸治療院を訪れては如何ですか。
その時、『痛み』や『熱さ』が苦手ですと施術者にお伝えすると、ご配慮して施術して頂けると思います。もし、ご配慮して頂けない施術者であれば、他の鍼灸治療院に変えられて、自分に合った治療を受診されると良いです。
『安心して治療して頂く』ことが、より症状の改善につながります。
新たな人生を進む上での予防
寒さも次第に和らいで、暖かい春の季節になってきました。仕事や学業など、新しい生活が始まる季節です。
東洋医学では、五行(木・火・土・金・水)学説において季節と五臓六腑をそれぞれ
『木』⇒春・肝・胆
『火』⇒夏・心・小腸
『土』⇒長夏(湿)・脾・胃
『金』⇒秋・肺・大腸
『水』⇒冬・腎・膀胱
に分類しています。
ということで、春は、『木』⇒草木が芽生えすくすく育つ時期になり、『肝』⇒血の巡りが高まる季節を意味します。
また、陰陽学説(万物を『陰』と『陽』に分類する考え)で、『気』や『暖』は『陽』に分類され、春は、気や暖かさが高まり、身体の機能が高まる季節です。
例えば、春にめまいを感じる方の場合、上記の理由から次のように、春は、五行の『木』の作用の影響を強く受ける身体になると考えます。
・気が高まる ※『気』については、当院のブログ『気』とは?をご覧ください。
・血の巡りがよくなる
・『(春)風』の影響で、ふわふわした状態になる
そして、東洋医学にて、病気の原因は、『内因(過度の感情)』・『外因(周辺の過度の温度などの環境の変化)』・『不内外因(飲食・労働・外傷など)』です。
仕事を行う上で、この『内因・外因・不内外因』を解消することで、より良い生活ができます。
現代医学的に述べると、『予防』することは、肉体的に、あるいは精神的に『身体へのストレスの回避または抑制』になります。
また、現代医学では、自然治癒力の機能(自律神経系・ホルモン系・免疫系)のバランスがとれることで、健康が維持されますが、男性よりも女性のほうが、ホルモンの影響を受けやすい身体ですので、『モルモン系』の異常が発生すると『自律神経系』と『免疫系』が著しく影響を受けてしまい、体調の悪化を生じます。
そのような身体にならないためにも、仕事と仕事以外の生活とのバランスの改善や計画について考える『予防』が大変重要になります。
いわゆる、QOL(生活の質)が大切です。
これから暖かくなりますが、新しく身の周りの環境が変化される方は、仕事や学業など以外の生活のスタイルも含めて上記の『予防』を意識することで、健康・美容などを含めた充実した生活を過ごすことが出来るでしょう。
ご本人の日常生活の改善の努力でも身体の回復がおもわしくない場合には、『マッサージ』や『お灸』・『鍼(はり)』・『問診(症状のご説明と改善方法など)』など、上記の東洋医学的考えによる治療方針で、症状の軽減が見込めます。
慢性疾患(腎虚)の改善傾向
慢性疾患の場合、『免疫』、『ホルモン』、『自律神経』の3要素の影響を受けています。
そして、男性には月経というものが存在しないので、アレルギー疾患を除いて、男性よりも女性の方が、上記の3要素の影響を大いに受ける傾向にあります。
一般に、前回のブログ『「鍼(はり)」や「お灸」は効くの?≪現代医学と鍼灸の治療目的の違い≫』で述べたように、
現代医学は、臓器・器官・組織など『物理的なモノに変化を与える』治療であり、
鍼灸は、臓器・器官・組織などの『働き(動き)に変化を与える』治療
と考えます。
また、患者様により、『鍼灸(東洋医学)の治療が、現代医学の各々の疾患に対して効果があるのか?』を調べる場合は、『病名』で調べるのではなく、『症状』で調べると良い結果が得られると思います。
というのは、東洋医学は、数千年に及ぶ情報の蓄積なので、現代医学の『病名』には対応しておりません。
しかし、『症状』であれば、現代医学も東洋医学も共通に用いられていますので、現代医学で効果がなかなか出ない疾患も、東洋医学(鍼灸治療)で症状が改善でき、希望が持てるモノもあります。
さて、『腎虚』とは、何かと述べる前に、『腎』のご説明をいたします。
『腎』とは、五臓(肝・心・脾・肺・腎)六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)の五臓の一つになります。
前回のブログでも述べたように、五臓六腑は、臓器そのモノを指しているのではなく、『働き(機能)』を指しています。
『腎』とは、生命力、生殖器、泌尿器などに関わる働きです。
そして、『腎虚』とは、『「腎」の機能』が低下した状態をいいます。
現代医学の慢性的疾患は、この『腎虚』という症状が出る傾向にあります。
また、ツボの流れに『経絡』というものがあり、この中に『腎経』があり、そのツボの流れは、
足の裏⇒下肢の内側⇒腰⇒腹部(へその両側)⇒喉元(鎖骨付近)
といった足裏から身体の中心を上って喉元に走行します。
『腎虚』の症状を長く患っている方は、上記の『腎経』の走行でもある『腹部の皮膚の色』が黒ずんでいる傾向にあります。
しかし、定期的に継続した治療により、『腎虚』の症状(疲れやすい、仕事に対する意欲を欠くなど)を改善されてゆくと、『腹部の皮膚の黒ずみ』は、次第に健康な肌に変わっていきます。
『腎虚』の症状は、『肩こりの治療』のように、短期間には改善しません。
継続的な『日常生活の改善』と『治療』が不可欠になります。
病気を改善させるモチベーションの継続が、重要です。
『鍼(はり)』や『お灸』は、効くの?≪現代医学と鍼灸の治療目的の違い≫
鍼灸の治療を体験されていないかなり多くの方々が、『鍼(はり)やお灸は、本当に病気に効くのか?』と、疑問に思われています。
結論として、厳密には、現代医学にしても東洋医学にしても、『病気を治す』という考えは、間違いになります。
患者の身体を治すのは、患者自身の再生能力や免疫力などの『生命力』になります。現代医学、東洋医学は、あくまでも『身体を治す手助けを行う医術』です。
では、『現代医学と鍼灸(はり・お灸)の治療目的の違い』を、具体例として『痛みの治療』をあげて、ご説明致します。
現代医学の治療方法は、一般に、臓器・器官・組織などの『物理的なモノに変化を与える』ことで、身体の改善を促します。
変化を与えるのは、内科的治療であれば『薬(くすり)など』、外科的治療であれば『手術や科学的(先端技術)治療など』です。
身体に痛みがあれば、内科的治療は、鎮痛薬により神経伝達物質を調整して、痛みを軽減させます。腫瘍などから来る痛みでは、手術などの外科的手術で、組織などの排除により、身体の回復を促します。
一方、鍼灸の治療方法は、身体の臓器・器官・組織などの『働き(動き)に変化を与える』ことで、身体の機能を促進させます。
具体的には、鍼(はり)やお灸(きゅう)の痛みや熱さを用い、身体の神経や皮膚などの組織に刺激を与え、『痛みの治療』であれば、人間の身体の中に存在する鎮痛物質を促し、あるいは、鍼やお灸の刺激で血管拡張を促して、組織の血流を上げて、痛みの軽減を行います。
また、鍼やお灸の作用で、自律神経の副交感神経を高めることで、『免疫』、『ホルモン』、『自律神経』 の3要素のバランスの調整を促して、身体の回復に貢献できます。
冒頭の『鍼(はり)』や『お灸』は、効くの?については、身体の状態(発症してからの経緯の長さ)や症状の強さによりますが、身体を改善させる方法として、効果はあります。
更に鍼灸は、東洋医学の観点から、予防医学として、大変有効な手段でもあります。
東洋医学では、病気の原因は、『内因(過度の感情)』、『外因(過度の気候条件)』、『不内外因(内因でも外因でもない食事や労働、運動、外傷など)』の3要素からと考えます。
この3要素を改善や予防をすることで、病気になりにくい身体に変化することが出来ます。
また、東洋医学では、病気の性質は、大きく『標(ひょう)=現在の症状』と『本(ほん)=標の根本的な原因』の2つに分類できます。
現代医学は主に、『標』の治療になります。
東洋医学では、『標』と『本』の治療を行うことが出来ます。そのためには、問診などの四診(望診・聞診・問診・切診)を十分に行う必要があります。
一般に『肩こり』と呼ばれる症状は、鍼灸治療の前と後では、明らかに変化が改善していることを感じ取れる事ができる疾患の一つです。
一度は、鍼灸治療の体験をして頂くと、これからのご本人の健康管理の改善方法の選択肢の一つとして、増えることになるでしょう。
現代医学と東洋医学の併用の一例
前回、看護師が東洋医学の知識を得ることのメリットを述べましたが、実際、どのように、現代医学に東洋医学が併用できるのかという一例です。
呼吸器疾患で、市販の薬や病院での医師の処方により、抗生物質が効かない、高熱が下がらないということが多々あります。
当然、この状態が長く続くと、体力が消耗し、命に関わる状態になってしまいます。
東洋医学の鍼灸では、『ツボは効くものではなく、効かせるものである』という言葉があります。漠然と使用しても効かないツボでも、使う側の手技次第で、治療効果が期待できるツボに変化させるという考えです。
上記のように、医師により呼吸器疾患で診断された処方された薬で、『熱が下がらない』、あるいは『症状が緩和しない』という時は、東洋医学が有用です。
現代医学に『薬は効かせるもの』という考え方があるか分かりませんが、『処方された薬が効かない』ということは、薬を効かせる条件が満たしていないから、治療効果が得られないという考え方が出来ます。
例えば、自動車にエンジンを冷やすラジエーターという機能があります。ラジエーターはラジエーター液をファン(扇)で冷やし、その液体を循環させることでエンジンを冷やします。しかし、液体が無かったり、ファンが動かないなど、一部の機能を失うだけで、本来の働きを出せないという状況が生まれます。
人間の身体も同様に、健康を失った時は、一部の臓器や器官だけでなく、その周辺の身体の働きを向上させることで、より一層回復に繋がることになります。
従いまして、東洋医学の観点から、患者の身体の状態を、薬を効かせる状態にする治療を施すことで、回復の方向に導かせます。
また、現代医学では、『肺』とは臓器そのもの指します。
一方、東洋医学の五臓六腑としての『肺』とは、臓器そのものを指すのではなく、肺の働き、いわゆる『呼吸器系の機能を含めた働き』を指します。
実際、上記(冒頭から2文目)の場合は、以下の点を考慮した治療方針で、身体の回復を促します。
◇先ずは、高熱が長く続いている場合は、熱を下げ、体力の消耗を抑えます。
◇東洋医学では、熱の原因は、呼吸器系や消化器系などから影響を受けると考えます。
◇高熱が続き風邪症状があり、現代医学の血液検査や尿検査などで、腎臓や膀胱などに異常がない場合は、『肺熱』ということがより明確に判断できます。
◇そこで、鍼灸では、『肺経』のツボの中で、熱を下げる効果のツボを選んで、施術します。
◇症状が長引いた場合には、五臓六腑の『腎』あるいは『脾』の作用が低下していますので、生命力、免疫力を上げるために、これらの作用を補う施術を行います。
上記のように、現代医学と東洋医学は、いずれか一方だけでなく、両方の利点をうまく利用することで、より一層の効果が得られることが考えることが出来ます。