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お灸やハリ(鍼)は、今の私自身(患者)に効くの??/治療適応の判断
『お灸(きゅう)』や『ハリ(鍼)』は、現代医学のような病院の治療から見ると、『こんなモノで効くの?』あるいは『こんなモノで効くわけない!』と思われています。
実際、患者さんご自身で、体験して頂くことが上記の回答になります。
では、どのような病名や症状に効果があるのかというと、現代医学で分類すると
◇内科
◇外科
◇整形外科
◇その他
になり、病気全般に効果があります。
ただし、『お灸』や『ハリ(鍼)』の特性が、反映される症状や疾患にしか、著明な改善が見られません。
では、お灸や鍼の特性を以下に明記します。
◆お灸
・ヨモギから生成された物➡もぐさ(艾)
・艾の燃焼を利用し、皮膚からの熱により、感覚神経(熱覚)を伝導し、身体に刺激を与え、身体への変化を促す
・皮膚に接触しないお灸➡間接灸(温熱灸)※心地よい感覚のお灸
・皮膚に接触するお灸➡直接灸
・お灸による局所的な強い熱さの痛みは、鍼と同じ感覚神経を伝導するため、鍼と同じ効果を出せることが出来る
≪『お灸』の働きと似ている日常生活からの一例≫
火傷(やけど)
⇒皮膚からの熱感覚により、感覚神経を伝導し、自律神経系に働きかけ身体の改善を促す
⇒皮膚などの組織損傷により、血液の免疫系を作動し、身体の組織の改善を促す
◆ハリ(鍼)
・髪の毛より細い~縫い針程度の太さのステンレス製が主流
・感染防止目的に、ディスポーザブル(使い捨て)が一般的に使用
・皮膚からの鍼の痛みにより、感覚神経(痛覚)を伝導し、身体に刺激を与え、身体への変化を促す
≪『鍼』の働きと似ている日常生活からの一例≫
打ち身
⇒身体を打ち付けた痛みにより、感覚神経(痛覚)を伝導し、自律神経系に働きかけ身体の改善を促す
⇒皮膚などの組織損傷により、血液の免疫系を作動し、身体の組織の改善を促す
つまり、上記の日常生活からの各々の一例からも分かるように、『お灸』あるいは『鍼』を使用することで、身体の『自律神経や運動神経などの神経系』、自律神経に関わる『内分泌(ホルモン)系』及び血液などの『免疫系』に刺激を与え、意図的に身体の改善を促すことが出来ます。
しかし、上記のようなメリットもありますが、デメリットもあります。
意図的に身体に変化を与え、身体の修復を行わせるので、身体への負担が掛かって、身体のだるさやめまいなどの身体の不調を出すことがあります。
風邪などで高熱を出した後、身体を修復するために、身体のエネルギーが普段の生活よりも消費され、不快な症状が出ることと同じ状態と考えて頂くとよいと思います。
そして、症状の重さ、患っている期間、患者自身の体質の違い、患者自身による生活環境の違いなどが、大きく関わってきます。
しかし、このような施術後の身体への負担は、症状の強さの減少、または早期の治療や治療回数で、軽減できます。
以上のことから、『お灸』・『鍼』は、身体の『免疫系』・『神経系』・『ホルモン系』に関わる病名や症状の改善の手段になります。
『お灸』や『鍼』をご利用することで、皆様の現在の身体のケアの手段の選択の一つとしてお役に立てるかと思います。
治療のタイミング(現代医学と東洋医学の違い)
病院で処方される薬、または治療は、基本的には、病気の原因が判明した病名、または症状に対する対症療法なので、身体がある一定の症状にならないと判断できない点があげられます。
このことが、世間一般に、患者さんが、治療を開始する時期は、病気を患ってから、通院することが通例となり、後手に回る状況を作っています。
また、『病気になっている』という考えは、現代医学と東洋医学では異なっています。
現代医学では、上記のように、身体に受けるある一定の状態(異変)のなった時点を指します。
一方、東洋医学では、『肉体的、あるいは精神的に健康な状態』から、症状が出始めた時点から以降を指します。
いわゆる、現代医学での『未病』も、東洋医学では、病気であると考えます。
従って、一般的に、
現代医学は『対症療法』
であることに対し、
東洋医学は『対症療法』及び『予防療法』など
の特徴を持っています。
鍼灸治療は、基本的には、『病院では病気と判断できない』状態でも、苦痛や不快感が強くなる前に、早めの受診をすることで、患者さんの身体を『健康な状態に導く』ことが出来、早い回復につながります。
東洋医学では、病気の原因とする病因(内因・外因・不内外因)の条件により、結果的に病気や症状を発生させると考えます。
当治療院では、身体の症状が重くなってから治療開始する(病院への通院)前の状態でも、早めの治療により、より身体への不快感が出ない下記のような目的で、受診の予約を採用しています。
①早めの治療開始により、早期の回復(不快な症状を回避するという予防)
②次回の予約を入れることで、患者様が日常生活で受ける負担の度合い(身体を維持できる期間)の把握
➡次回の予約日まで『我慢ができると予測される見込み』期間の認識
③確実な治療日時の確保
➡予測される身体の負担の限界への解消
④当日ご予約受付不可(すでに予約済み)に対する回避
患者様ご自身で、身体の回復が見込めない方は、苦痛の増悪、あるいは生活の支障
をきたす前に、最寄りの治療院等を受診して頂くことをお勧め致します。
身体に変調が起きたら、まず『すべきこと!』は・・・
誰もが、必ず体調不良を一時的に訴える、あるいは継続的に発症する時期が出てきます。
この様な時は、まずは、『最寄りも医療機関の病院』で診察および検査をして頂くことが重要になります。
目的は、現在の症状が、下記に点に該当するかという点です。
①緊急性を要するか?
②重篤であるか?
上記に該当すれば、更に病院での検査、診察、治療が必要になります。
但し、上記の②に該当しても、
③重篤な症状であっても、緊急性を要しない場合
は、治療や病院の選択を適正に判断するために、充分な調査、検討を行う必要があります。
上記の①~③に該当しなければ、ご自身に合った改善方法を、下記の施設の中から、検討して頂くと良いでしょう。
(A)病院での治療a ⇒ 現代医学(西洋医学)
(B) 〃 b ⇒ 東洋医学(東洋医学/漢方)
(C)病院以外で、国家資格を有する施設
(東洋医学など ⇒ ××鍼灸院・××鍼灸整骨院・××整骨院・××接骨院など)
※国家資格は、法律に基づいて規制されていますので、看板名で判断できます。
※但し、整骨院、接骨院などでは、国家資格を持っていない施術者もいらっしゃいますので、要確認。
(D)病院以外で、国家資格を有しない施設
(整体・カイロプラクティック・足つぼマッサージなど)
東洋医学の理解度が上がれば、健康になれる!
現在、巷では、大半の患者さんや医療関係者は、病気になると、まずは現代医学を中心とした治療を望み、または治療を開始します。
この背景には、東洋医学への認知度が低いことが原因と思われます。
当治療院では、病気になった場合は、まずは、重篤あるいは緊急性の高い病気の発見を目的に、客観的な判断が出来る最先端の現代医学の検査を行い、そして、検査後は、患者様のご意向に沿った治療を選択することをお勧めしております。
但し、漢方や鍼灸の治療においては、世間一般に、東洋医学への認知度が低いため、『現代医学(病院での治療)では中々改善しなかったから、東洋医学を選択した』というケースが少なくありません。
東洋医学の認知度が高まると、予防や美容の観点から、より健康になり、あるいは身体の改善も高まります。
『東洋医学を認知すること』とは、現代医学(病院の治療)と東洋医学(漢方、鍼灸、あんまマッサージ)において、それぞれの治療効果の特徴である『症状に対する得意、不得意、あるいは効き目が早い、遅いの判断』を持つことになります。
また、すべての疾患に適用するとは限りませんが、東洋医学は、現代医学と併用して治療することが出来ます。
特に、慢性化する疾患の場合は、東洋医学と併用して治療することで、治療効果を高めることもあります。
東洋医学が現在、一般の方々や医療関係者に受け入れにくい理由の一つには、実体を前提に物事を考える現代医学とは異なり、抽象的、あるいは思想的な考えなどを、治療手段として取り入れている点にあります。
例をあげると、『気』というものがあります。
東洋医学では、『気』は大変重要な役割を示すものです。
しかし、現代医学では、『気』は実態がない為、おそらく大半の医療関係者は、『気』の存在を認めないと思います。
あるいは、胡散(うさん)臭いな学問、治療などと考えている人も少なくないでしょう。
そして、このような実体のないものが、東洋医学を学ぶ上で、数多くあります。
当治療院では、特に医学的知識がない一般の方々にも、時には現代医学を交えて、東洋医学をご理解して頂くように、ホームページに掲載しております。
特に東洋医学では、陰陽学説、臓腑学説(五臓六腑)、気血津液、寒熱、弁証などが、治療手段には重要視されます。
『気』の効果においては、約2~3年前の当治療院の過去のブログ
◇冷え性の改善の道(東洋医学編)2014.12.28
◇『気』とは?2015.2.1
◇老廃物とミトコンドリア2015.5.9
にて、東洋医学と現代医学の病理学の視点から、細胞内のミトコンドリアの働きを使って、ご説明しております。
また、東洋医学には、『五臓六腑』
五臓/肝・心・脾・肺・腎
六腑/胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦
というものがあります。
上記のものは、現代医学の臓器をその物を表すのではなく、働きを示しています。
東洋医学では、『五臓六腑』の働きのバランスの安定が、健康な状態であると考えます。
詳しく述べると、循環器系(肝)、心臓・脳(心)、ホルモン・消化器系(脾)、呼吸器系(肺)、泌尿器系・生殖器系(腎)、消化器系(六腑)の働きが、安定していることが健康と考えます。
尚、上記の『五臓六腑』について紛らわしいことになった理由は、過去のブログ『加齢と美容と老化に対する東洋医学的アンチエイジング(2015.9.27)』をご覧ください。
ところで、現代医学の『肺』は、臓器そのものを表していますが、東洋医学での『肺』は、現代医学の呼吸器系の働きなどを示します。
つまり、『脾(消化器系)』で吸収した栄養分(後天の精)を『腎(先天の精)』へ補充し、その栄養素を『肺(呼吸器系)』によって、全身に栄養素(※現代では酸素などを示す)を送り出し、身体の健康を維持すると考えます。
従って、『肺』の働きが高まると、健康増進が望めます。
臓器そのものの働きだけでなく、身体全体を意識した総合的な見方になります。
最近のテレビ番組『美と若さの新常識 カラダのヒミツ 「酸素パワーを使って、呼吸ビューティー」』では、ミトコンドリアや呼吸の働きを高めることで、身体の内面から健康な状態になることが、現代医学の研究により説明されています。
この様に、現代医学の技術や研究の発展により、上記の3つの過去のブログで『気』について掲載した東洋医学の視点からの考えを、更に評価や理解を高めることができます。
現代医学は、東洋医学の世間一般の方々に受け入れがたい事を、受け入れやすくするツールと考えます。
東洋医学の治療では、五臓六腑のように、身体の各機能が、身体全体への影響を考慮し、また総合的にどのように機能するかを考えます。
今までの現代医学の治療は、臓器、組織そのものだけを意識されていましたが、近年は、身体全体への影響も考慮する傾向にあります。
現在のネット社会での大量の情報の中、これからの治療方法を、患者さん自身が見極める能力を高めることで、より健康を保つことが出来るでしょう。
確実に!|治療効果を高めるには・・・(治療方針)
患者様の身体の状態は、同じ疾患や症状でも、生活習慣が異なっているため、まったく同じ状態ではありません。
また、症状の度合いの強弱で、治療時間も異なってきます。
最も治療効果に影響を与えることは、患者様自身で身体を治す力である『自己治癒力の高さ』です。
特に、鍼(はり)治療、お灸治療、マッサージについては、現代医学の病院の治療とは異なり、患者様自身で身体を治そうとする治癒力である『免疫力』・『ホルモン』・『自律神経』の働きが、大変重要になります。
よって、治療効果を高めるためには、施術時間を固定するのではなく、患者様の身体の状態に合わせた治療時間が鍵になります。
また、施術時間を決めて行っている治療院の中には、『治療効果』よりも『収益性』を重視している所もありますが、患者様に十分な治療を提供し、治療院を存続するためには、ある程度の収益力が不可欠になります。
患者様に合った治療院をお探しする時は、前々回のブログ『治療院選びのポイント|治療費(費用対効果)』をご参考ください。
ところで、現代での人々の病気に対する考えは、『痛み・痺(しび)れ・不快感』などの症状が強くなってから、病院などでの治療を始めるというスタイルが主流です。
江戸時代中期には、『貝原益軒』によって、健康について書かれた『養生訓』があります。
この文献には、現代でも健康維持のために活用できる内容が記載されており、『鍼(はり)』や『お灸』についても記載されてます。
現代よりも医療技術が発達していなかったので、病気予防を行うことが、健康な生活を送るためには重要だったと考えられます。
私自身、患者様には、『自分自身の身体に気配りを!』という考えを持っていただくと、より健康な生活が送れると感じます。
現代医学での治療は、どちらかといえば治療を受ける側が『受け身(受動的)』な状態なので、これを正しい情報(予防)を基に、『自主的・積極的(能動的)』な健康の生活スタイルに変えることで、生活の質QOL(Quality of Life)が更に高まります。
しかし、誤った考えや情報は、逆に生活の質が低下し、病気を誘発、あるいは重篤な症状への悪化に変化する場合もあります。
治療する側(施術者)と治療される側(患者)の接する時間は短く、かつプライベートな関係がないため、日々、健康へのアドバイスができないので、患者様自身の健康に向けての積極的な行動力(自己管理)が大変重要です。
また、過去に繰り返し治療に来られた(何度も東洋医学や病気などのご説明を受けられた)方で、この先(将来)、予防の必要があり、また『病気を我慢する、周囲の状況でストレスを受けやすい、我慢強いなどの性格の方』には、『健康増進を目的』にご連絡する場合があります。
上記の『病気を我慢する・我慢強い』という性格の方は、物事を続けるという点については、大変すばらしいものですが、病気に対する予防の観点からは、マイナスの要素になります。
しかし、相手に伝える有益な情報でも、伝えるタイミングや行動がうまくかみ合わなければ、相手には不快に感じさせ、押しつけがましくなり、結果的には、受け入れてもらえないことになります。
身体から異常『痛みや痺(しび)れなど』の症状が出ているということは、『身体に緊急事態があるから注意しなさい!』という信号です。
この危険信号を、『病気を我慢する・我慢強い』方の場合は、『病気の改善に対する先延ばし』ということとなり、病気を重くし、また症状の再発を繰り返す傾向があります。
これを無くす、あるいは抑制するためには、『自己管理』か『身近な方に指摘(注意)してもらう』環境が必要になります。
貝原益軒著の『養生訓』に 、『薬と鍼灸はなるべく使わない』という内容の記述があります。
これは、適度な運動(労働)、歩行、寝すぎない、座り過ぎないなど規則正しい生活を送ることで、健康が維持でき、薬も鍼灸も必要がなくなることを述べてます。
古人の時代とは異なり、現代では、仕事や人間関係でのストレスがより強まっていますので、『病気が悪くなってから受診』ではなく、『健康を維持するため受診』というスタイルをとることで、生活の質を落とさず、苦痛、痛み、不快感などが軽減し、より良い生活ができると考えます。
当院では、患者様が『ご自身の身体を治したい!健康を維持したい!』というご希望には、今後とも、積極的に誠実に対応いたします。