病名は、病気・症状のアドレス(番地)であり、病気を治すものではない。

現在、病院の医師によって診断される現代医学の病名は、あくまでも、症状や病気の発症原因などをグループ化した「見出し」や「表札」になります。
症状が発症しているが原因はわからない場合などには、病名が付かないモノもあります。
しかし、病名が無いからといって、治療が出来ないとは限りません。
現代医学のでの病名の役目の一つとして、膨大な病気の中から、『これだ!』という病気を探すためのツール(手段)であり、診断速度の向上です。
従って、病院の治療には、病名が不可欠になります。
一方、東洋医学の鍼灸治療では、現代医学の病名は、病院の治療に比べて、さほど重要にはしていません。
現代医学の病名は、時には、変更されたり、あるいは削除されるので、治療する側に混乱を招く恐れがあります。
そして、最新器具を備えていない鍼灸院などには、経済的にも、環境的にも、膨大な情報から得た病名について完璧に把握することはできない状況もあり、診断することが認められている医師でしか、病名を付けることが出来ません。
また、現代医学の病名は、東洋医学の病名と、必ずしも一致するとは限りません。
不完全な環境や不確かな情報では、適切な治療の妨げになります。

 

東洋医学治療の基本方針は、現代医学(病院治療)よりも数百年以上前に確立し、現在も少しずつ変化をしている治療法です。

では、病名ではなく、何を基準にして治療を行なうかというと、『症状』になります。

症状は、現代医学の病院治療や、東洋医学での治療は、ほぼ共通しています。
従って、鍼灸治療は、「病名がわからない」病気でも、『症状』から治療を進めることが出来るわけです。
治療手順にも違いがあります。
病院(現代医学)の治療は、基本的に、病名を決定して、そのに合った治療方法や、薬物の処方が確立します。
しかし、その条件が全く同じでなければ、条件の良し悪しで、治療効果が変動してしまいます。
一方、東洋医学である鍼灸治療の手順は、主に症状改善を主体に、治療を進めていきます

優先順位の高い方から、一つひとつ症状を改善することで、身体の改善を行なう訳です。

 

 

病名がわからない、あるは治療法が現代医学では解明されていないことでも、症状を軽減する治療で、改善への道が開かれる可能性があるかもしれません。

 

 

 

 

 

五臓六腑の中の『心』の働き②内面の変化から回復へ

前回ブログ『五臓六腑の中の『心』の働き①周辺環境の見直し』からの続き

前回のブログでは、病因の中の『不内外因』でもある周囲の環境を変化させることで、『心(しん)』の働きの向上について述べました。
今回は、身体の内面からの変化で、『心』の働きを促進して、QOL(生活の質)を上げる方法の1つを挙げます。
『心』の働きを低下させる要因には、必ず時(とき)という時間が関係してきます。
事故のような突発的事象を原因として時間の経過と共に精神を悪化させるものや、不安を受ける生活環境などを継続し徐々に悪化させるものがあります。
このような場合は、現代医学では、精神科あるいは心療内科での診療によるカウンセリング治療、薬物療法などで対応されています。
45歳中年のファミレス店長と、その店長に恋心を抱く17歳の女子高生との交流を描いた『恋は雨上がりのように』という映画・コミックがあります。
何気ない出会いからのきっかけで始まり、それぞれ途中下車したお互いがやり残したことへ再出発する、前向きになれるような内容です。
人生には、時間的余裕がなく出来なかった、経済的にできなかった、その当時能力的にできなかった、精神的未熟で行動できなかった・・・など、人それぞれで中断したことや、やれなかったことがあると思います。

このような過去に保留したことを再起動することが、『心』の働きの向上につながります。

あるいは、新しく自分にあった趣味などを、短時間でも良いので、積極的に行うことも、『心』の働きの向上につながります

誰しも、『心』の向上につながるものを持ち合わせていると思いますので、自己を変える発見がポイントになります。