介護・看護・看病にて、慢性的に生じる不快な痛みなどの軽減に、鍼治療を検討しては・・・

長期的に、病気や症状を患っている方は、基本的に病院での薬の処方で、症状改善に対処していることでしょう。
痛みなどに効く薬には、効果時間があり、継続的に摂取しないと、苦痛な生活を送ることになります。
基本的に現代医学とする病因の治療は、病気が発症してから行う対症療法になります
一方、東洋医学とする鍼(はり)、お灸、按摩、指圧、マッサージなどの治療は、本来、人間が持ち合わせている自然治癒力(※現代医学では、ホメオスタシスが該当する)を高め、健康な状態に向かわせる手技になります。
人は、痛みなど一番不快に感じる症状を軽減すると、その他の症状が軽減する傾向になります。
全ての症状に効果があるわけではありませんが、この一番不快に感じる痛みの軽減に、鍼やお灸、マッサージなどは有効です。
症状が重い方において、1週間1回の治療では、現状維持あるいは対症療法程度で、充分な自己治癒力を上げることは、当院ホームページの上部のタブ『治療効果』の『治療と回復効果』の図からもお分かりのように、階段的に、回復は厳しいと思われます。
しかし、例えば、適切なフォームでのウォーキングを、1週間に1回よりも、2回あるいは3回することの方が、身体の調子が良くなるように、鍼やお灸、マッサージを1週間に、2~3回行うと、症状の重い方の身体の改善が見込まれます
尚、ウォーキングを始めるにあたって注意すべき点は、歩き始めて、膝や腰、足首などの身体の異常を感じるようであるならば、直ちに歩行を中止してください。
身体の骨格、歩行のフォームなどが、適正な位置あるいは動作が行われていないために、身体に異常を伴っている可能性があります。
いくらウォーキングが身体に良いと言っても、身体を悪くするようなことがあれば、本末転倒です。
歩行時に異常があれば、医師による精密検査後、ご自身に合った障害の治療を、選択しなければなりません。
※ウォーキングについての注意点は、後日、ブログで述べさせて頂く予定です。

 

また、鍼灸治療の場合、『神経痛、リウマチ、頚腕症候群、五十肩、腰痛症、頚椎捻挫』の6疾患で、医師の同意書が受けられれば、保険の適用が受けられます。

但し、全ての鍼灸治療院で、保険を取り扱っているわけではありませんので、治療を受けようと考えている治療院に、問い合わせが必要になります。
また、同じ病名での病院の治療と鍼灸の治療の併用は、認められていませんので、複数の症状をお持ちの方は、病院の処方の薬と鍼灸治療をうまく使い分けすると、より症状の軽減が高まります。
当ブログの前半で述べたように、病院での治療や薬は、現症状の改善に作用し、東洋医学の鍼やお灸、マッサージの作用は、本来、人が持ち合わせている修復力、回復力を高めるものなので、この2つの治療法をバランスよく用いることで、身体の回復が見込まれます。
更に、入退院を不定期に繰り返す方が、鍼灸治療を、1週間に2~3回行うことで、不快な症状の軽減で、入退院の回数が減り、医療費の削減につながる場合もあります。
この場合、一番不快な症状を軽減することで、病院で処方されている薬の効果が、より高まったのではないかと、推測しています。
最も一番効果を実感できるのは、患者様の一番不快な症状を軽減することで、QOL(生活の質)が向上でき、介護や看護、看病する側の負担が軽減されます。

故に、より良いQOLを実現するために大切なことは、『介護、看護、看病する側の心のゆとり』を作ることであると確信しています。

 

 

 

はり(鍼)おきゅう(灸)の治療は、本当に効くのか?という疑問にお答えします。

鍼(はり)やお灸の治療の経験がない方、あるいは鍼やお灸を実際に見たことがない方は、一律に、東洋医学の漢方や指圧・按摩・マッサージは信じても、鍼やお灸の効果は、まず信じていないのが現実です
実は、鍼やお灸の作用には、身体の改善へ、色々な効果を促すことが出来ます。
※効果の種類については、当院のホームページの上段のタブ『治療効果』をクリックして、ご覧下さい。
最も、患者様が実感できる作用の一つとして、『誘導作用』というものがあります。
誘導作用とは、血液を誘導し、患部の血流を調節する作用です。
人はケガをすると、血液内の赤血球や白血球、血小板、血しょうなどの作用により、損傷した皮膚や組織(筋肉など)の修復を行うことが出来ます。
この血液による修復の働きを、鍼やお灸を使って、意図的に、血液の流れを改善したい身体の部分に誘導させます。
つまり、皮膚や筋肉に対して、「ここが傷ついてますよ!」と血液を誘導したい部分に鍼を刺すことで、身体が損傷したと認識し、修復のために、血液が集まります
あるいは、皮膚や筋肉に対して、「ここが火傷してますよ!」と血液を誘導したい部分に、瞬時に熱い米粒大より小さめのお灸をすえることで、身体が損傷したと認識し、修復のために、血液が集まります
鍼やお灸は、動物が身体の修復する機能である自然治癒力を、自在に機能させる治療法になります。
このような傷の修復を、鍼やお灸で意図的に発生することで、再生能力を上げ、修復時間を短縮することが出来ます。
マッサージよりも、短時間で、効果が実感できる症状のひとつして、筋肉の血行不良【『重だるさ』、『倦怠感』、『痛み』や『しびれ』など】があげられます。
これらの症状には、日本の国民病とも言われている『肩こり』や『腰痛』などで、伴っています。

東洋医学には、『不通則痛/通じざれば則ち痛む』という言葉があります。

これは、身体の中の血液やリンパ液、その他物質の流れや働きが滞ってしまうと、痛みを生じさせることになるということです。
また、東洋医学では、病気の原因(病因)には、内因(過度な感情)、外因(過度な気象条件)、不内外因(不摂生な食事、不眠、外傷、仕事、過度な運動など)が病気の原因と考えます。

『肩こり』や『腰痛』で悩まされている方は、必ず日常生活で、これらの病因であげられる事を行なっています。

症状や病気は、日常生活などを送ることで生じた結果になりますので、どんなに良い治療を行なっても、病因を改善しない限り、必ず再発します。
従って、病気や症状に悩まされている方は、治療後の日常生活の改善が大変重要になります。

 

よって、見出しの結論について、はり(鍼)おきゅう(灸)の治療は、本当に効果があり、更に、症状によっては、治療直後に、効果を実感することができます。

 

夏の終わり頃から、痛みやだるさが出てくる理由

9月に入り、次第に気温は下がりつつありますが、まだまだ日中は、日差しが強い時期です。
8月までは、一日を通して、気温が高く、体感では、暑さを強く感じ、あるいは、身体の体表が温かいことで、血行が良いということもあり、痛みを感じにくい状態です。
人間は、体感で一番不快に感じることを実感します。一番感じたことが解消されれば、二番目に感じることが、一番に繰り上がります。
上記の点から、これからの時期は、暑さが解消されるに従って、身体の異常(痛みなど)を持っている方は、次に不快に感じることが、優位になってきます。
一日中、暑さが続く夏の時期は、水分を多く摂っても、常に汗をかく環境のため、水分が排出されます。
しかし、これからの気温は、日中は暑く、朝晩は涼しくなりますので、夏真っ盛りの時のように水分を必要以上に多く摂ってしまうと、日中は汗を多くかきますが、朝晩の涼しい環境では、多くの汗は排出されなくなります。
そして、このような生活を続くて行くことで、『身体のだるさ』あるいは『むくみ』などの症状が、出始め、あるいは増悪します。
また、日頃から冷え性と感じている方は、この時期に、『むくみ』を解消する手段を取らないと、冷え性が更に増悪することになります。
上記について、東洋医学では、津液(※現代医学の、体液、リンパ液、汗、つばなどの水分に相当)のバランスの異常と考えます。
また、高温の室外と冷房による室内の温度差、あるいは、これからに時期の昼間と夜間の気温の格差により、体温調整を行う『自律神経』の異常も生じます。
現代医学では、『自律神経』の『交感神経』と『副交感神経』のバランスがとれていることが、正常と考えます。
一方、東洋医学では、現代医学の自律神経に相当するものとして、『陰陽』のバランスがとれていることが、健康な状態になります
※『陰陽』については、当院ブログ『現代医学と東洋医学の大きな違い』をご覧ください。
更に話を掘り下げると、『気』、『血(けつ)』、『津液(しんえき)』のバランスがとれていることが、健康と考えます。
※『気』についてのご説明は、当院ブログ『『気』とは?』と『生命力を上げる。いわゆるアンチエイジング!』をご覧ください。
『血(けつ)』とは、現代医学の『血液』に相当し、栄養豊富な液体です。
『津液(しんえき)』とは、『血』以外の身体に必要な液体を指します。
具体的には、現代医学に相当するものとして、体液、リンパ液、つば、よだれ、鼻水、痰、水分、涙などです。
実際に津液が影響する例としては、喉が乾燥すると痛くなる、皮膚がカサカサになり痒みが出る、水分が多くなるとむくみが出て重だるさや重痛が出る、目が乾燥すると痒みや痛みが出るなどの症状があげられます。

よって、これら『気』、『血』、『津液』を、身体の中で、バランスよく働かせることが、身体を正常に保たせることになります。

東洋医学の鍼灸治療や漢方などは、これらのことを踏まえて、身体の改善を促す治療方法になります。
大まかな視点で述べますと、
現代医学は、病気の原因に対する治療方法で、病気が発症した時点『点』であり、
一方、東洋医学は、健康な状態から病気が発症した時点までの経過『線』であり、健康な方向に導く治療になります。
上記の『点』と『線』について、経理(簿記)の視点から、『お小遣い』を例にしてご説明すると、
現代医学の治療方法は、病気が発症した時点(お小遣いのお金が無くなってしまったという問題)に対して、薬や外科治療を加える(お金を更に追加する)ことで問題を解消させることになります。つまり、病気が発症した時点(財政状態を示す「貸借対照表」)の改善になります
一方、東洋医学の治療方法は、健康から病気になってしまった経過(どのようにしてお金が無くなったのか?)という問題に対して、生活改善や免疫向上などにより治癒力の向上(無駄なものの購入や費用を節約する)を促すことで問題を解消させます。つまり、病気が発症した出来事の経緯(経営成績を示す「損益計算書」)の改善になります。
従って、東洋医学は、病気自体を改善するというよりも、健康な状態に向かわせる力(免疫力などの治癒力)を高める治療方法と考えて頂くと良いと考えます。
そして、現代医学を主に取り入れている病院の治療とは異なり、病気になってから治療を行なうのではなく、病気になる前から、東洋医学では治療を行なうと、症状の軽減が見込めます。