巷(ちまた)で認知度の低い鍼灸治療

『からだ』や『健康』に関する番組を視聴することがあります。

慢性的な症状で悩んでいる方々を治す、全国から集まる病院等が紹介されます。

この中で、関節痛などの『身体の痛みを軽減する治療方法』で、関節周辺や筋肉などに、注射で痛みを改善する一部の治療に、明らかに、数千年に及んで蓄積された学問である東洋医学の『鍼灸治療』の施術方法と同じだと、確信します。

一般に現代医学では特別な治療法でも、東洋医学あるいは鍼灸治療の業界では、ごく普通に、症状の改善に施術が行われているケースが多々あります。

 

 

現在、世間一般に、身体に変調が起きると、病院に行きます。

そして、医師による診断をもとに、患者さんが希望する、あるいは納得される治療を行っていきます。

しかし、巷では、診断後の治療に、『鍼灸治療を受ける』という選択肢が、ほとんどないというのが現状です。

全国で『鍼灸の治療を受けている方・経験のある方』の割合は、国民の約5%前後と言われています。

 

番組の視聴で、長期にわたり、生活に支障をきたす症状でお悩みの方々に対して、何百キロも離れた病院に、お金と時間を掛けて通うことは、非常に大変だと感じます。

 

全国には、各市町村の地区に『鍼灸師会』や『鍼灸師の団体』があります。

鍼灸院選びには、電話等で、『症状』や『施術』など、患者さんのご希望に沿った鍼灸治療院を、紹介してもらうことが出来ます。

施術を受ける側(患者)、行う側(鍼灸師)の相性もありますので、お灸や鍼(はり)治療の経験がない方は、色々な鍼灸院を数件通うことも考慮した方が良いかもしれません。

症状の中には、遠方の病院で行う治療方法が、近くの鍼灸治療院で症状が改善できることもあるということを、将来に備えて、気に留めておくと良いかと思います。

 

治療院選びのポイント(マッサージ・鍼(はり)・お灸・整体など)

マッサージや鍼(はり)治療、お灸治療、整体などの施術を選ぶ際に、『どこの治療院を選ぶと良いのか?』、医学にあまり詳しくない方は、迷われるでしょう。

ということで、以下の点について留意して頂くことで、ご自身に合った治療院を選択できると思います。

まず、大きく分けて、下記の(A)(B)の2点について注目します。

(A)治療院の運営方針

(B)ご本人の身体の症状の改善に対応した施術かどうか?

 

(A)についてのご説明です。

治療院の経営者は、必ず『経営(売上げ)』と『治療効果の向上』を念頭に置いて、治療院を運営しています。

つまり、治療院の経営理念が、『売上げ(集客)重視』なのか『治療効果重視』なのかということです。

しかし、『売上げ(集客)重視』が悪いわけではなく、ある程度の集客がないと、『治療効果を重視する治療院』でも運営を維持できなくなり、『良い治療を患者さんに提供する』ことが出来なくなります。

 

≪売上げ重視≫ ・・・・ ← ◎ → ・・・・・≪治療効果重視≫

※◎印は、治療院の経営方針である『売上(集客)重視』と『治療効果重視』の比重が置かれている位置。

◎が左寄りであれば⇒『売上(集客)重視』、右寄りであれば⇒『治療効果向上重視』。

 

従って、集客力もあり、治療効果もある治療院は、良好な治療院ということになります。

しかし、治療院のお客さんが多い所は、必ずしも患者さんのニーズに応えられている治療院と一概には、言えないという現実があります。

それは、治療効果が無くても、営業力が強く発揮できている治療院であれば、お客さんが多い治療院になります。

では、『治療効果を出せている治療院』かどうかの判断は、どのような事で判断して頂くかは、次の点に注意を払うことで、推測が出来ます。これが、上記の(B)になります。

 

①東洋医学では、病気の原因(病因)は、内因、外因、不内外因から起きていると考えますので、症状軽減を目的に、症状の原因と予測される症状の再発予防のアドバイスがある

②施術前と施術後で、『肩こり』や『腰痛』などの外科的症状であれば、治療直後~数日以内に症状の変化がある

③慢性疾患や内科的(内臓)疾患、神経系の疾患であれば、上記の①のような生活改善、予防のアドバイスを行って、治療直後~数か月以内に症状の変化がある

 

※尚、症状の改善する時間に差が生じる点は、発症しての経過日数、症状の重さ、症状の種類により、発生します。

よって、症状が重く、あるいは発症して時間の経過が長い患者さんは、改善するまでに時間が掛かり、また生活の改善が不可欠になります。

 

以上、『症状の軽減を行うことが出来る治療院』の判断は、上記の①~③を意識して頂くと良いです。

 

しかし、①~③を行っていないところは、症状改善の観点から、患者さんの症状改善よりお店の集客の向上を重視しているかもしれません。

①を行っていない治療院での施術は、症状の原因あるいは予防方法のアドバイスをしなければ、どんなに良い治療効果を出しても、必ず再発します。そして、再び治療しなければならない身体になり、繰り返し、同じ症状の治療となり、治療院のリピーターを作り上げます。いわゆる、集客率の安定目的を重視し、治療効果軽視の傾向の治療院です。

但し、『身体が悪くならないための予防と健康維持』を目的とした継続的な治療は、この限りではありません。

 

特に、長期間、症状に悩まされている方は、『生活スタイルの改善のアドバイス』が不可欠です。症状の原因は、必ずご本人の日常生活に潜んでいますので。

もし、何か月も治療院に通って症状の改善が見られない、あるいは①のサポートが無くて同じ症状で何回も通っている方は、他の治療院を検討した方が良いかもしれません。

 

また、①を行っていない治療院は、施術している方が、国家資格免許というの一定の知識を持たないアルバイトが行っているかもしれません。

治療院名に、『マッサージ』、『鍼灸』、『整骨院』、『接骨院』の文言がある治療院は、少なくとも1人、国家資格免許を持った施術者がいます。

そして、上記の文言を治療院名に入れている治療院は、『あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律』という国の法律に基づいて運営されています。

アルバイトを雇っている治療院もありますので、必ずしも専門的知識を持っている方が施術するとは限りません。

 

国家資格免許とは、「あん摩マッサージ指圧師免許」「はり師免許」 「きゅう師免許」「柔道整復師免許」などです。

従いまして、国家資格免許を持たない『整体』、『エステサロン』、『足つぼ』などのお店は、直接運営に関わる国の法律がないので、問題が生じた場合は、他の法律で指導されます。

 

しかし、国家資格免許を持たない『整体』、『エステサロン』、『足つぼ』などのお店は、国家資格免許を持たないから、症状の改善にならないということにはなりません。癒し』『心地よさ』は、自律神経の調整の働きを促し、内臓の働きを促進させる効果があります。

あくまでも、国家資格免許を有するか有していないかは、ある一定の医学的知識の水準を満たしているかという治療院選択の判断基準の1つです。

 

人間は身体は、自己治癒力という『免疫系』『ホルモン系』『神経系』の3要素のバランスで、身体の調整を行っています。

『心地よい』などの刺激を受けると、自律神経の『交感神経を抑制』し、『副交感神経を高める』作用が起こり、身体の自己治癒力を活性化します。

身体の変調がある場合は、まずは症状に該当する病院で、『客観的な診断』を行った上で、上記で述べたような内容を考慮して頂くことが、より良い生活を送ることが出来ることでしょう。

また、最新の検査技術で『客観的な検査による診断』が行われることで、緊急性を伴う症状の早期治療ができるというメリットがあり、また重篤な症状でも緊急性を伴わない場合は、ご自身の納得する治療法の選択を検討する際の目安になります。すなわち、ご本自身の身体の状態を知ることが大変重要になります。

『症状の改善』、『専門的知識による指導』、あるいは『心地よい施術』など、患者様、お客様のニーズに合う治療院を選ぶ参考にお役立て出来れば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

肩こり・腰痛などの改善回数と受診頻度の目安

『肩こり』と『腰痛』は、国民病といわれるように、多くの方が悩んでいる症状です。

そして、『鍼(はり)』や『お灸』は、『痛い!』、『熱い!』と思って、敬遠されている方、あるいは鍼灸治療についてご理解して頂いていない方、知らない方は、慢性的に、『肩こり』や『腰痛』などの慢性的な症状に悩み続けていらっしゃいます。

 

鍼灸治療では、1~数回でかなり改善致します。ただし、腰や肩に負担の掛かる動作を日常的に行っている方は、改善に至るには、度々の診療(月に数回)が必要になります。また、『肩こり』や『腰痛』の症状が発症して、長い経過がある方も、回復期間も長くなる傾向にあります。

しかし、『肩こり』や『腰痛』など症状が、骨の異常や血管の狭窄(血管が狭くなる)など物理的変形がなければ、短期間で改善します。

 

受診回数については、東洋医学で述べている病気の原因となる『病因(内因・外因・不内外因)』を、治療後にこれらを解消することで、『治療回数』や『治療期間』かなり軽減できます。

 

当院では、症状のご説明を行い、患者様自身の『身体の状態』をご自分で認識し、上記の『病因』を改善することで、骨や血管の異常がない方は、症状の度合い(発症しての期間)によりますが、『肩こり』や『腰痛』であれば、月1~2回の診療で、快適な生活を送れることが出来ます。

 

『肩こり』や『腰痛』などで長年お悩みの方は一度、お近くの鍼灸治療院を訪れては如何ですか。

その時、『痛み』や『熱さ』が苦手ですと施術者にお伝えすると、ご配慮して施術して頂けると思います。もし、ご配慮して頂けない施術者であれば、他の鍼灸治療院に変えられて、自分に合った治療を受診されると良いです。

『安心して治療して頂く』ことが、より症状の改善につながります。