これからの冷房による冷え性対策(No.1) /メカニズム

次第に、暑さが高まりつつあります。

冷え性の方々には、冬場とはまた違った辛い季節になってきました。

 

『冷え性の方』の真夏のエアコン(冷房)による『冷え性』対策は、冷えを強く感じて本格的に行いますが、実は、今の時期から行わないと、『冷房』の影響を強く受けてから予防を行なっても、なかなか改善しにくいです。

というのは、『慢性の冷え性』に悩まされている方は、体温調整の機能が一般の方よりかなり低下した状態で、尚且つ、エアコンなどの外部からの『強い冷気』を上回る回復能力(自然治癒力)がないために、『冷え性の改善』が期待できません。

 

以上のことにより、冷え性』を強く感じる前から、治療や予防の対処が必要になるわけです

 

冬場の『冷え』は、外出する際は、重ね着など着込むことで、身体全体を冷えから守ることが出来ました。

しかし、初夏から夏に向けての冷房による『冷え』は、下記の点で大きな違いがあります。

☃冬⇒室内≪暖≫・屋外≪冷≫

⇒室内≪冷≫・屋外≪暑≫

人それぞれで、温度の感じ方は異なっています。

冬の場合は、寒さに対しては、暑がりの方、『冷え性』の方と同様に、適度の暖かさを好みます。

しかし、夏の季節において、暑がりの方は、『冷え性』の方よりも、非常に強い『冷え』を好みます。

そして、暑がりの方は、更に、室内の温度を下げて、『冷え性の方の症状』を悪化させます。

 

この様に、集団生活を送る中では『冷え性』の方が、夏場に人それぞれで感じる温度の格差により、『冷え』に悩まされます。

 

 

では、東洋医学の『陰陽学説』と病気の原因とする病因の『外因』を基に、現代医学も取り入れてご説明致します。

『陰陽学説』とは、簡単に言うと、相反するモノがお互いに調和することになります。

 

『陰陽学説』では、『暑い(温める)』は『陽』『寒い(冷やす)』は『陰』に分類し『陰』と『陽』のバランスが取れている状態を『平』とします。

また、この『平』の状態を、人間の身体が良好にバランスが取れている状態であると考えます。

 

ところで、これら(『暑い(温める)』と『寒い』(冷やす))は、反対の性質を持ちますが、身体が『暑い(陽)』と感じると、身体を『冷やす(陰)』ために汗をかき、身体を冷やす機能が働きます。

すなわち、『陽』という性質の『暑さ』が強まることを、一定の状態(『平』)抑制させるために、『汗をかく』という動作を行い、『冷やす』という『陰』の作用を強めることで、健康状態を保とう(『平』)とします。

この様に、『陽(温める)』と『陰(冷やす)』は相反性質ですが、お互いを強弱することでバランスを保ち、身体を『陰陽の作用』で維持しています

 

 

現代医学では、このようなことを『ホメオスタシス(恒常性)』と呼び、上記のような体温調整を行うのが、『自律神経(交感神経・副交感神経)』などになります。

 

ちなみに、『汗』は陰陽学説では『陰』に属します。

 

つまり、上記の仕組みで示したように、夏の『冷房による冷え』と冬の『外気温による冷え』の対策は、外因』である『冷え』を解消することであり、東洋医学では『陰陽のバランス』、現代医学では『自律神経』を、上手く調整することが、『冷え性』の改善になります。

特に、夏の冷房による冷えは、冬場の冷えに加えて、室内と屋外の気温の格差が増大し、『自律神経』を大きく乱し、色々な症状を発症させます。

更に、湿度の高い梅雨の冷房も、『慢性の冷え性』の増悪し、『自律神経の乱れ』や『むくみ』を促進させてしまいます。

 

鍼灸治療を受けるタイミング

一般の人には、身体の不調を元に戻す能力『自然治癒力』が備わっています。

また、性別、年齢、生活習慣で、身体に受ける感覚が、人それぞれで異なっています。

 

鍼灸治療を受ける患者さんの治療タイミングには、下記のように大きく2つに分かれます。

①症状が重くなり、我慢できない状態になって、治療を受ける方

②症状が比較的軽く(安静時に不調の症状がない)、あるいは苦痛が起きる前に、治療を受ける方

 

そして、上記①、②の詳細は、

①の傾向には、体力に自信がある方、月経周期の苦痛を経験することがない男性、比較的若い方、自分に合った治療法が見つからないために長期間患っている方、身体を治すことよりも生活や仕事などを優先している方など

②の傾向には、女性、長期にわたって病気を患っている方あるいは患った経験を持った方、体力に自信がない方など

大まかに、大きく2つに分類できます。

 

いわゆる、

①は、現代医学的治療タイミング型

②は、予防医学的タイミング型

といったところです。

 

ところで、現代医学では、病気の基準は、検査等を行って、ある一定の状態に悪化した状態を病気を考えます。

しかし、東洋医学では、病気の基準は、『健康の時点(特に悪いところはないと感じる状態)』から身体の不調を感じ始めたころからを示します。

すなわち、現代医学の病気になる手前の状態も、東洋医学では、病気と考えます。

従って、東洋医学を活用すると、いわゆる現代医学での病気の手前で未然に病気を軽減したりや防ぐことができます。

 

 

話は戻りますが、上記①と②を更に比較すると、下記の通りの特徴があります。

①苦痛や不調などの増大により、回復力(自然治癒力:自律神経系+免疫系+ホルモン系)が落ちて、身体の回復の遅延が発生する。

⇒結果的に回復に時間が掛かる仕事や生活に支障が生じる

 

定期的治療の時間を要するが月経痛などホルモン系や自律神経系を原因とする症状などの慢性的症状に対する軽減、及び苦痛や症状が短期的に軽減・解消ができる。

◆回復力・自然治癒力が①よりも②の方が高いため、より快適な生活が送れる

 

 

結論として、自分自身の身体に対する健康への意識、あるいは身体の変調への改善・回復を、どの時点で行動に移すかということが、大変重要になります。

単に、『病気や症状を軽減・改善』を目的であるならば

①の現代医学的治療タイミング型(痛みや不調が出てからの対症治療)

『健康や美容など身体全体の免疫・代謝向上(元気になりたい!)』を目的ならば

②の予防的治療タイミング型(痛みや不調が出る前の予防治療)

になります。

 

 

 

 

 

 

 

【お詫びとご理解】電話受付について

当治療院の方針で、診療中は、電話受付よりも、患者様の治療を優先するスタイルをとっています。

 

従いまして、下記の点から、施術中の電話受付は、直接の電話対応でなく、留守番電話にしております。

 

①患者様との直接の電話での対応は、時には、長時間を要する場合があり、施術中での治療の流れに支障が出ます。

②お灸を使用した治療を行っていますので、火傷のリスクが大きくなります。

③施術中の中断は、患者様の不快な感情を高め、身体の改善が優位になる副交感神経が抑制され、逆に活動的な状態の交感神経が高まり、患者様にストレスを与え、治療効果を半減させます。

④患者様が希望される治療終了時間の遅延を生じさせます。

 

初めてご連絡してくださる方には、大変申し訳ありませんが、何卒、ご理解の程、よろしくお願い致します。

尚、2回目以降の受付は、治療後に次回の予約、またはメールなどにより、ご連絡を承っております。

 

巷(ちまた)で認知度の低い鍼灸治療

『からだ』や『健康』に関する番組を視聴することがあります。

慢性的な症状で悩んでいる方々を治す、全国から集まる病院等が紹介されます。

この中で、関節痛などの『身体の痛みを軽減する治療方法』で、関節周辺や筋肉などに、注射で痛みを改善する一部の治療に、明らかに、数千年に及んで蓄積された学問である東洋医学の『鍼灸治療』の施術方法と同じだと、確信します。

一般に現代医学では特別な治療法でも、東洋医学あるいは鍼灸治療の業界では、ごく普通に、症状の改善に施術が行われているケースが多々あります。

 

 

現在、世間一般に、身体に変調が起きると、病院に行きます。

そして、医師による診断をもとに、患者さんが希望する、あるいは納得される治療を行っていきます。

しかし、巷では、診断後の治療に、『鍼灸治療を受ける』という選択肢が、ほとんどないというのが現状です。

全国で『鍼灸の治療を受けている方・経験のある方』の割合は、国民の約5%前後と言われています。

 

番組の視聴で、長期にわたり、生活に支障をきたす症状でお悩みの方々に対して、何百キロも離れた病院に、お金と時間を掛けて通うことは、非常に大変だと感じます。

 

全国には、各市町村の地区に『鍼灸師会』や『鍼灸師の団体』があります。

鍼灸院選びには、電話等で、『症状』や『施術』など、患者さんのご希望に沿った鍼灸治療院を、紹介してもらうことが出来ます。

施術を受ける側(患者)、行う側(鍼灸師)の相性もありますので、お灸や鍼(はり)治療の経験がない方は、色々な鍼灸院を数件通うことも考慮した方が良いかもしれません。

症状の中には、遠方の病院で行う治療方法が、近くの鍼灸治療院で症状が改善できることもあるということを、将来に備えて、気に留めておくと良いかと思います。

 

治療院選びのポイント(マッサージ・鍼(はり)・お灸・整体など)

マッサージや鍼(はり)治療、お灸治療、整体などの施術を選ぶ際に、『どこの治療院を選ぶと良いのか?』、医学にあまり詳しくない方は、迷われるでしょう。

ということで、以下の点について留意して頂くことで、ご自身に合った治療院を選択できると思います。

まず、大きく分けて、下記の(A)(B)の2点について注目します。

(A)治療院の運営方針

(B)ご本人の身体の症状の改善に対応した施術かどうか?

 

(A)についてのご説明です。

治療院の経営者は、必ず『経営(売上げ)』と『治療効果の向上』を念頭に置いて、治療院を運営しています。

つまり、治療院の経営理念が、『売上げ(集客)重視』なのか『治療効果重視』なのかということです。

しかし、『売上げ(集客)重視』が悪いわけではなく、ある程度の集客がないと、『治療効果を重視する治療院』でも運営を維持できなくなり、『良い治療を患者さんに提供する』ことが出来なくなります。

 

≪売上げ重視≫ ・・・・ ← ◎ → ・・・・・≪治療効果重視≫

※◎印は、治療院の経営方針である『売上(集客)重視』と『治療効果重視』の比重が置かれている位置。

◎が左寄りであれば⇒『売上(集客)重視』、右寄りであれば⇒『治療効果向上重視』。

 

従って、集客力もあり、治療効果もある治療院は、良好な治療院ということになります。

しかし、治療院のお客さんが多い所は、必ずしも患者さんのニーズに応えられている治療院と一概には、言えないという現実があります。

それは、治療効果が無くても、営業力が強く発揮できている治療院であれば、お客さんが多い治療院になります。

では、『治療効果を出せている治療院』かどうかの判断は、どのような事で判断して頂くかは、次の点に注意を払うことで、推測が出来ます。これが、上記の(B)になります。

 

①東洋医学では、病気の原因(病因)は、内因、外因、不内外因から起きていると考えますので、症状軽減を目的に、症状の原因と予測される症状の再発予防のアドバイスがある

②施術前と施術後で、『肩こり』や『腰痛』などの外科的症状であれば、治療直後~数日以内に症状の変化がある

③慢性疾患や内科的(内臓)疾患、神経系の疾患であれば、上記の①のような生活改善、予防のアドバイスを行って、治療直後~数か月以内に症状の変化がある

 

※尚、症状の改善する時間に差が生じる点は、発症しての経過日数、症状の重さ、症状の種類により、発生します。

よって、症状が重く、あるいは発症して時間の経過が長い患者さんは、改善するまでに時間が掛かり、また生活の改善が不可欠になります。

 

以上、『症状の軽減を行うことが出来る治療院』の判断は、上記の①~③を意識して頂くと良いです。

 

しかし、①~③を行っていないところは、症状改善の観点から、患者さんの症状改善よりお店の集客の向上を重視しているかもしれません。

①を行っていない治療院での施術は、症状の原因あるいは予防方法のアドバイスをしなければ、どんなに良い治療効果を出しても、必ず再発します。そして、再び治療しなければならない身体になり、繰り返し、同じ症状の治療となり、治療院のリピーターを作り上げます。いわゆる、集客率の安定目的を重視し、治療効果軽視の傾向の治療院です。

但し、『身体が悪くならないための予防と健康維持』を目的とした継続的な治療は、この限りではありません。

 

特に、長期間、症状に悩まされている方は、『生活スタイルの改善のアドバイス』が不可欠です。症状の原因は、必ずご本人の日常生活に潜んでいますので。

もし、何か月も治療院に通って症状の改善が見られない、あるいは①のサポートが無くて同じ症状で何回も通っている方は、他の治療院を検討した方が良いかもしれません。

 

また、①を行っていない治療院は、施術している方が、国家資格免許というの一定の知識を持たないアルバイトが行っているかもしれません。

治療院名に、『マッサージ』、『鍼灸』、『整骨院』、『接骨院』の文言がある治療院は、少なくとも1人、国家資格免許を持った施術者がいます。

そして、上記の文言を治療院名に入れている治療院は、『あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律』という国の法律に基づいて運営されています。

アルバイトを雇っている治療院もありますので、必ずしも専門的知識を持っている方が施術するとは限りません。

 

国家資格免許とは、「あん摩マッサージ指圧師免許」「はり師免許」 「きゅう師免許」「柔道整復師免許」などです。

従いまして、国家資格免許を持たない『整体』、『エステサロン』、『足つぼ』などのお店は、直接運営に関わる国の法律がないので、問題が生じた場合は、他の法律で指導されます。

 

しかし、国家資格免許を持たない『整体』、『エステサロン』、『足つぼ』などのお店は、国家資格免許を持たないから、症状の改善にならないということにはなりません。癒し』『心地よさ』は、自律神経の調整の働きを促し、内臓の働きを促進させる効果があります。

あくまでも、国家資格免許を有するか有していないかは、ある一定の医学的知識の水準を満たしているかという治療院選択の判断基準の1つです。

 

人間は身体は、自己治癒力という『免疫系』『ホルモン系』『神経系』の3要素のバランスで、身体の調整を行っています。

『心地よい』などの刺激を受けると、自律神経の『交感神経を抑制』し、『副交感神経を高める』作用が起こり、身体の自己治癒力を活性化します。

身体の変調がある場合は、まずは症状に該当する病院で、『客観的な診断』を行った上で、上記で述べたような内容を考慮して頂くことが、より良い生活を送ることが出来ることでしょう。

また、最新の検査技術で『客観的な検査による診断』が行われることで、緊急性を伴う症状の早期治療ができるというメリットがあり、また重篤な症状でも緊急性を伴わない場合は、ご自身の納得する治療法の選択を検討する際の目安になります。すなわち、ご本自身の身体の状態を知ることが大変重要になります。

『症状の改善』、『専門的知識による指導』、あるいは『心地よい施術』など、患者様、お客様のニーズに合う治療院を選ぶ参考にお役立て出来れば幸いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

肩こり・腰痛などの改善回数と受診頻度の目安

『肩こり』と『腰痛』は、国民病といわれるように、多くの方が悩んでいる症状です。

そして、『鍼(はり)』や『お灸』は、『痛い!』、『熱い!』と思って、敬遠されている方、あるいは鍼灸治療についてご理解して頂いていない方、知らない方は、慢性的に、『肩こり』や『腰痛』などの慢性的な症状に悩み続けていらっしゃいます。

 

鍼灸治療では、1~数回でかなり改善致します。ただし、腰や肩に負担の掛かる動作を日常的に行っている方は、改善に至るには、度々の診療(月に数回)が必要になります。また、『肩こり』や『腰痛』の症状が発症して、長い経過がある方も、回復期間も長くなる傾向にあります。

しかし、『肩こり』や『腰痛』など症状が、骨の異常や血管の狭窄(血管が狭くなる)など物理的変形がなければ、短期間で改善します。

 

受診回数については、東洋医学で述べている病気の原因となる『病因(内因・外因・不内外因)』を、治療後にこれらを解消することで、『治療回数』や『治療期間』かなり軽減できます。

 

当院では、症状のご説明を行い、患者様自身の『身体の状態』をご自分で認識し、上記の『病因』を改善することで、骨や血管の異常がない方は、症状の度合い(発症しての期間)によりますが、『肩こり』や『腰痛』であれば、月1~2回の診療で、快適な生活を送れることが出来ます。

 

『肩こり』や『腰痛』などで長年お悩みの方は一度、お近くの鍼灸治療院を訪れては如何ですか。

その時、『痛み』や『熱さ』が苦手ですと施術者にお伝えすると、ご配慮して施術して頂けると思います。もし、ご配慮して頂けない施術者であれば、他の鍼灸治療院に変えられて、自分に合った治療を受診されると良いです。

『安心して治療して頂く』ことが、より症状の改善につながります。

 

 

 

 

 

新たな人生を進む上での予防

寒さも次第に和らいで、暖かい春の季節になってきました。仕事や学業など、新しい生活が始まる季節です。

 

東洋医学では、五行(木・火・土・金・水)学説において季節と五臓六腑をそれぞれ

』⇒・胆

『火』⇒夏・心・小腸

『土』⇒長夏(湿)・脾・胃

『金』⇒秋・肺・大腸

『水』⇒冬・腎・膀胱

に分類しています。

ということで、春は、『』⇒草木が芽生えすくすく育つ時期になり、『』⇒血の巡りが高まる季節を意味します。

また、陰陽学説(万物を『陰』と『陽』に分類する考え)で、『気』や『暖』は『陽』に分類され、春は、気や暖かさが高まり、身体の機能が高まる季節です。

例えば、春にめまいを感じる方の場合、上記の理由から次のように、春は、五行の『木』の作用の影響を強く受ける身体になると考えます。

・気が高まる  ※『気』については、当院のブログ『気』とは?をご覧ください。

・血の巡りがよくなる

・『(春)風』の影響で、ふわふわした状態になる

 

そして、東洋医学にて、病気の原因は、『内因(過度の感情)』・『外因(周辺の過度の温度などの環境の変化)』・『不内外因(飲食・労働・外傷など)』です。

仕事を行う上で、この『内因・外因・不内外因』を解消することで、より良い生活ができます。

現代医学的に述べると、『予防』することは、肉体的に、あるいは精神的に『身体へのストレスの回避または抑制』になります。

 

また、現代医学では、自然治癒力の機能(自律神経系・ホルモン系・免疫系)のバランスがとれることで、健康が維持されますが、男性よりも女性のほうが、ホルモンの影響を受けやすい身体ですので、『モルモン系』の異常が発生すると『自律神経系』と『免疫系』が著しく影響を受けてしまい、体調の悪化を生じます。

そのような身体にならないためにも、仕事と仕事以外の生活とのバランスの改善や計画について考える『予防』が大変重要になります。

いわゆる、QOL(生活の質)が大切です。

 

 

これから暖かくなりますが、新しく身の周りの環境が変化される方は、仕事や学業など以外の生活のスタイルも含めて上記の『予防』を意識することで、健康・美容などを含めた充実した生活を過ごすことが出来るでしょう。

 

ご本人の日常生活の改善の努力でも身体の回復がおもわしくない場合には、『マッサージ』や『お灸』・『鍼(はり)』・『問診(症状のご説明と改善方法など)』など、上記の東洋医学的考えによる治療方針で、症状の軽減が見込めます

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

慢性疾患(腎虚)の改善傾向

慢性疾患の場合、『免疫』、『ホルモン』、『自律神経』の3要素の影響を受けています。

そして、男性には月経というものが存在しないので、アレルギー疾患を除いて、男性よりも女性の方が、上記の3要素の影響を大いに受ける傾向にあります。

一般に、前回のブログ『「鍼(はり)」や「お灸」は効くの?≪現代医学と鍼灸の治療目的の違い≫』で述べたように、

現代医学は、臓器・器官・組織など『物理的なモノに変化を与える』治療であり、

鍼灸は、臓器・器官・組織などの『働き(動き)に変化を与える』治療

と考えます。

 

また、患者様により、『鍼灸(東洋医学)の治療が、現代医学の各々の疾患に対して効果があるのか?』を調べる場合は、『病名』で調べるのではなく、『症状』で調べると良い結果が得られると思います。

というのは、東洋医学は、数千年に及ぶ情報の蓄積なので、現代医学の『病名』には対応しておりません

しかし、『症状』であれば、現代医学も東洋医学も共通に用いられていますので、現代医学で効果がなかなか出ない疾患も、東洋医学(鍼灸治療)で症状が改善でき、希望が持てるモノもあります。

 

さて、『腎虚』とは、何かと述べる前に、『腎』のご説明をいたします。

『腎』とは、五臓(肝・心・脾・肺・腎)六腑(胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦)の五臓の一つになります。

前回のブログでも述べたように、五臓六腑は、臓器そのモノを指しているのではなく、『働き(機能)』を指しています。

『腎』とは、生命力、生殖器、泌尿器などに関わる働きです。

そして、『腎虚』とは、『「腎」の機能』が低下した状態をいいます。

現代医学の慢性的疾患は、この『腎虚』という症状が出る傾向にあります。

また、ツボの流れに『経絡』というものがあり、この中に『腎経』があり、そのツボの流れは、

足の裏⇒下肢の内側⇒腰⇒腹部(へその両側)⇒喉元(鎖骨付近)

といった足裏から身体の中心を上って喉元に走行します。

『腎虚』の症状を長く患っている方は、上記の『腎経』の走行でもある『腹部の皮膚の色』が黒ずんでいる傾向にあります。

しかし、定期的に継続した治療により、『腎虚』の症状(疲れやすい、仕事に対する意欲を欠くなど)を改善されてゆくと、『腹部の皮膚の黒ずみ』は、次第に健康な肌に変わっていきます。

『腎虚』の症状は、『肩こりの治療』のように、短期間には改善しません。

継続的な『日常生活の改善』と『治療』が不可欠になります。

病気を改善させるモチベーションの継続が、重要です。

『鍼(はり)』や『お灸』は、効くの?≪現代医学と鍼灸の治療目的の違い≫

鍼灸の治療を体験されていないかなり多くの方々が、『鍼(はり)やお灸は、本当に病気に効くのか?』と、疑問に思われています。

結論として、厳密には、現代医学にしても東洋医学にしても、『病気を治す』という考えは、間違いになります。

患者の身体を治すのは、患者自身の再生能力や免疫力などの『生命力』になります。現代医学、東洋医学は、あくまでも『身体を治す手助けを行う医術』です。

 

では、『現代医学と鍼灸(はり・お灸)の治療目的の違い』を、具体例として『痛みの治療』をあげて、ご説明致します。

現代医学の治療方法は、一般に、臓器・器官・組織などの『物理的なモノに変化を与える』ことで、身体の改善を促します。

変化を与えるのは、内科的治療であれば『薬(くすり)など』、外科的治療であれば『手術や科学的(先端技術)治療など』です。

身体に痛みがあれば、内科的治療は、鎮痛薬により神経伝達物質を調整して、痛みを軽減させます。腫瘍などから来る痛みでは、手術などの外科的手術で、組織などの排除により、身体の回復を促します。

 

一方、鍼灸の治療方法は、身体の臓器・器官・組織などの『働き(動き)に変化を与える』ことで、身体の機能を促進させます。

具体的には、鍼(はり)やお灸(きゅう)の痛みや熱さを用い、身体の神経や皮膚などの組織に刺激を与え、『痛みの治療』であれば、人間の身体の中に存在する鎮痛物質を促し、あるいは、鍼やお灸の刺激で血管拡張を促して、組織の血流を上げて、痛みの軽減を行います。

また、鍼やお灸の作用で、自律神経副交感神経を高めることで、『免疫』、『ホルモン』、『自律神経』 の3要素のバランスの調整を促して、身体の回復に貢献できます。

冒頭の『鍼(はり)』や『お灸』は、効くの?については、身体の状態(発症してからの経緯の長さ)や症状の強さによりますが、身体を改善させる方法として、効果はあります。

 

更に鍼灸は、東洋医学の観点から、予防医学として、大変有効な手段でもあります。

東洋医学では、病気の原因は、『内因(過度の感情)』、『外因(過度の気候条件)』、『不内外因(内因でも外因でもない食事や労働、運動、外傷など)』の3要素からと考えます。

この3要素を改善や予防をすることで、病気になりにくい身体に変化することが出来ます。

また、東洋医学では、病気の性質は、大きく『標(ひょう)=現在の症状』『本(ほん)=標の根本的な原因』の2つに分類できます。

現代医学は主に、『標』の治療になります。

東洋医学では、『標』と『本』の治療を行うことが出来ます。そのためには、問診などの四診(望診・聞診・問診・切診)を十分に行う必要があります。

 

一般に『肩こり』と呼ばれる症状は、鍼灸治療の前と後では、明らかに変化が改善していることを感じ取れる事ができる疾患の一つです。

一度は、鍼灸治療の体験をして頂くと、これからのご本人の健康管理の改善方法の選択肢の一つとして、増えることになるでしょう。

 

現代医学と東洋医学の併用の一例

前回、看護師が東洋医学の知識を得ることのメリットを述べましたが、実際、どのように、現代医学に東洋医学が併用できるのかという一例です。

呼吸器疾患で、市販の薬や病院での医師の処方により、抗生物質が効かない、高熱が下がらないということが多々あります。

当然、この状態が長く続くと、体力が消耗し、命に関わる状態になってしまいます。

東洋医学の鍼灸では、『ツボは効くものではなく、効かせるものである』という言葉があります。漠然と使用しても効かないツボでも、使う側の手技次第で、治療効果が期待できるツボに変化させるという考えです。

上記のように、医師により呼吸器疾患で診断された処方された薬で、『熱が下がらない』、あるいは『症状が緩和しない』という時は、東洋医学が有用です。

現代医学に『薬は効かせるもの』という考え方があるか分かりませんが、『処方された薬が効かない』ということは、薬を効かせる条件が満たしていないから、治療効果が得られないという考え方が出来ます。

例えば、自動車にエンジンを冷やすラジエーターという機能があります。ラジエーターはラジエーター液をファン(扇)で冷やし、その液体を循環させることでエンジンを冷やします。しかし、液体が無かったり、ファンが動かないなど、一部の機能を失うだけで、本来の働きを出せないという状況が生まれます。

人間の身体も同様に、健康を失った時は、一部の臓器や器官だけでなく、その周辺の身体の働きを向上させることで、より一層回復に繋がることになります。

従いまして、東洋医学の観点から、患者の身体の状態を、薬を効かせる状態にする治療を施すことで、回復の方向に導かせます。

また、現代医学では、『肺』とは臓器そのもの指します。

一方、東洋医学の五臓六腑としての『肺』とは、臓器そのものを指すのではなく、肺の働き、いわゆる『呼吸器系の機能を含めた働き』を指します。

 

実際、上記(冒頭から2文目)の場合は、以下の点を考慮した治療方針で、身体の回復を促します。

◇先ずは、高熱が長く続いている場合は、熱を下げ、体力の消耗を抑えます。

◇東洋医学では、熱の原因は、呼吸器系や消化器系などから影響を受けると考えます。

◇高熱が続き風邪症状があり、現代医学の血液検査や尿検査などで、腎臓や膀胱などに異常がない場合は、『肺熱』ということがより明確に判断できます。

◇そこで、鍼灸では、『肺経』のツボの中で、熱を下げる効果のツボを選んで、施術します。

症状が長引いた場合には、五臓六腑の『腎』あるいは『脾』の作用が低下していますので、生命力、免疫力を上げるために、これらの作用を補う施術を行います。

 

上記のように、現代医学と東洋医学は、いずれか一方だけでなく、両方の利点をうまく利用することで、より一層の効果が得られることが考えることが出来ます。